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2009年1月 8日 (木)

損保会社と整形外科医

 交通事故による頚椎ねんざ、いわゆる「むち打ち」はなかなか治らない外傷のひとつです。追突された後すぐに後頚部に痛みが生じる方と、数日くらい経過してから痛みが増悪する方がいます。頚椎のレントゲン検査では前弯の消失がみられる場合が少なくありません。以前頚椎の間にある棘間靭帯という部分が断裂していた方を診察したことがありますが、このような大きな損傷は稀です。治療としては内服薬や外用剤の処方、頚椎カラーの使用。物理療法やリハビリテーション、レーザー治療やブロック注射を行います。
 経過観察していると数週から数ヶ月で比較的順調に軽快する方と、長期に治療しても一向に改善しない方がいます。経過によってはMRI検査をしたり総合病院で評価してもらうこともあります。症状が完全にとれない場合、元からあった加齢的な頚椎の変化や椎間板障害による症状として捉えられる場合もあります。他方、事故による症状がどうしても残存する場合は症状固定という書類を提出し自賠責保険での治療を終了してご本人の保険での治療へ移行するということになります。なるべくそうならないように様々な方法を提案し行いますが症状が残存する方がいることも確かです。最近脳脊髄液減少症という概念が提案されていますが、起立時頭痛など典型的な症状を呈する方はあまりいません。
 頚椎ねんざの治療をしていて最もやっかいなのは損保会社との交渉です。テレビなどでは保険会社はよいイメージでCMをしていますが、ほとんどの整形外科医は損保会社が嫌いなのではないでしょうか。
頚椎ねんざの方の治療が少し長引くと、損保会社からはもう治るはずの時期ではないかと保険終了を促すような連絡が入ります。患者さんは痛いと訴えているのに損保会社はそんなはずはない言います。最近は突然弁護士を立てて治療を打ち切ってくることまであります。整形外科医は間に挟まれて調停のようなことをする必要があります。そんなに一定の時期で保険を終了したいなら、最初から「事故後3ヶ月で損保での治療は打ち切ります」とかきちんと宣伝するべきだと思います。
 医療機関として治療を長引かせようとしていることはありません。症状の改善具合と時期を勘案し医師から症状固定をお勧めすることも少なくありません。患者さんを中心に、むちうちの治療が順調に進むことを願ってやみません。

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