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2009年2月27日 (金)

雨の日の整形外科

 今週はずっと雨です。さらに一時暖かかったのに今週は真冬に戻ったように寒い日が続いています。こんな時は整形外科は空いています。診療所としては少し寂しい感じもしますが実はめったにないチャンスでもあります。
 医師にとってひとりひとりの診察に時間をかけられないほど混雑しているのは申し訳ないのとともに誤診などないかどうか心配になるものです。特に初めて来院された患者さんでは関節を動かしたり既往歴を聞いたり、治療に対する希望を聞いたり時間を要するものです。またいろいろ心配事とか他科のこととか介護のこととか、整形外科以外のことも含めて相談をしたいという方もいます。普段はなかなかじっくり聞いていられない面もありますが、こういう天候の時こそ、じっくり話を聞けるチャンスなのです。最近は長期処方も普通になってきて、年に数回しか受診されない方もいる時代です。患者さんの全身状態や心理的な部分まで把握するのはなかなか難しくなっています。
 整形外科では歩くのがつらいという方も多く雨の日は受診を避ける方が多いですが、たまには雨の日を狙って受診するのもよいかもしれません。

2009年2月22日 (日)

かかりつけ医と専門医

 政府は今、医師をかかりつけ医と専門医に分けようとしています。診療所ではかかりつけ医が広い範囲で軽症から中等症までを担当し、総合病院では専門医が狭い範囲を中等症から重症まで診療するということです。専門医を極める道筋は比較的分かり易いものと思います。自分の専門とするところを深く深く掘り下げて行けばよいのです。一方かかりつけ医というのが本当に極められるのか。診療所の医師としてこれからの方向性には迷うところがあります。広い範囲といっても、内科的疾患から認知症、うつ病などの精神疾患、外傷や関節疾患などすべてを把握することが本当にできるのか。専門医と比べてどこまで浅くて許されるのか。全科当直などを積極的にしていた経験からはある程度は私にも可能だと思います。また全身を診察し精神面まで理解しようとすれば、診察にかかる時間も専門医にくらべて遥かに長くなるのではないでしょうか。
 無医村に近い地方であれば非常に重要な役割であると思います。一方総合病院が近くに何カ所もあり専門医に受診することも可能な都市部で、将来的にかかりつけ医と専門医がどういうバランスになっていくのか。かかりつけ医といっても、内科系の医師と外科系の医師などがグループで治療に当たるというような第3の形態もあり得るかもしれません。いろいろな可能性について、患者さんの希望が一番重要になってくるのではないかと思います。
 
 

2009年2月18日 (水)

こつこつ教室

 今日、市の健康福祉会館で行われたこつこつ教室で骨粗鬆症についてのお話をしました。人前で話をするのはいくつになっても緊張しますね。私にとって子供の頃からいかに人前に出ないようにするかは重要なテーマでした。医師になっても学会での発表は恐怖以外の何者でもありません。我ながら病的ですね。これでは広く社会で活躍するなんてことは望むべくもありません。まあこれは性格上仕方ありません。やっぱり診療の場が一番しっくり来るようです。
 骨粗鬆症のお話では、骨粗鬆症以外の骨の病気についてもお話ししました。骨粗鬆症以外の骨の病気というのはあまり知られていないような気がします。治療する上で一番大切なのはきちんとした診断だと思っています。骨の病気もきちんと診断してから対応しないと誤った方向へ進んでしまいます。骨粗鬆症はこれからの高齢化社会で重要な疾患のひとつとなってきます。若いうちからの対策が必要です。

2009年2月14日 (土)

春一番

 東京にも春一番が吹きました。例年より10日も早いそうです。確かに2月とは思えないほど暖かい日でしたね。春というとやはりガサガサでしょうか。ガサガサといってもわかる人にしかわからないかもしれませんが、要するに小川で網を使って魚やザリガニを捕ることです。昔は川へ行くために長ズボンを半ズボンに変えたものです。その頃からずっと春は水で実感します。まだ早いかなとは思ったのですが、先日の休みにちょっと小川に行ってみました。さすがにまだ入りませんでしたが、どじょうやザリガニの姿を今年初めて拝むことができました。
 春を花粉で実感するという方は少し悩ましいかもしれませんが、やはり春は待ち遠しいものですね。

2009年2月12日 (木)

専門医というもの

 このたび日本リウマチ学会専門医に認定されました。すでに日本整形外科学会リウマチ認定医になっていますが、将来両者が合併されてリウマチ学会専門医が優先されそうなのでリウマチ学会専門医に移行することにいたしました。
 それにしても専門医などの資格は増えていくばかりです。私もすでに日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病認定医、同スポーツ認定医など取得していますが、一体どこまで必要なのか。
 例えると自動車を運転するのに今は免許証だけが必要ですが、これがハンドル免許、アクセル免許、ブレーキ免許などに細分化されていっているようなものでしょうか。
 関節が腫れているのを診断する場合、スポーツなどによる外傷ではないか、リウマチなどの膠原病ではないか、細菌による感染ではないかとさまざまな角度から検討します。このまま行くと骨折専門医とか捻挫専門医とか痛風専門医とか病気ごとに資格が必要になってしまわないか心配になります。もしかすると医師は資格ビジネスに踊らされているだけなのかもしれません。資格を免罪符にせず真摯に勉強していきたいと思います。

2009年2月11日 (水)

スキーシーズン

 スキーシーズンまっただ中です。今はそれほどスキー人気はないそうですね。昔のスキー場はリフト待ちで大変でしたが、今はすぐに乗れて快適です。環境問題を考えると少し気が引けますが、冬といったらスキーというのが昔からの慣習となっています。
 スキーとスノーボードは怪我が多いスポーツです。スノーボードが流行りだした頃は重症の外傷が多くて整形外科医の間では大変問題になりました。スキー外傷は下肢の骨折などが主ですがスノーボードは上肢の骨折が多い傾向にあります。またハーフパイプやワンメイクなどでのジャンプを中級者がしたりすると背骨の骨折や脳挫傷など後遺症が残ってしまうような重度の損傷の危険もあります。最近はだいぶ対策が講じられてきていますが無理をせず実力の範囲内で楽しく滑るようにしましょう。日本人はどうしても滑った回数が少ないと損という感じがしますが、少し滑って後はくつろぐというスタイルも悪くありません。
 

2009年2月 7日 (土)

ヒブワクチンがやっと日本でも可能となりました。

 小児の髄膜炎の原因となるインフルエンザ菌を予防するワクチンが日本でも行えるようになりました。インフルエンザと行っても冬に流行するウイルスではなく、細菌による疾患です。頻度としては日本では毎年600人くらいの子供が発症するとされています。人数としてはそれほど多くはありませんが、一度発症するとその日のうちに亡くなってしまったり、脳の機能などに重篤な後遺症が残ることもあります。
 世界ではとっくに予防接種が行われており、日本ではやっと解禁になったという感じです。ただ公費負担がなく、7000〜10000円の自己負担で行うことになっています。世界的には子供には行った方がよいとされ公費負担の国もあるのにです。
 日本は昔は予防医学が世界的にも進んでいましたが、現在では完全な後進国となってしまいました。予防接種も世界標準から比べるとなっていない状態です。ヒブワクチンもそうですが、女性のHPVなども本来は積極的に行われるべきです。はしかの予防接種が行われなくなって、現在の10〜20歳代の方が集団感染してしまっているのも問題となっています。
 医療費を抑制するのに最も良いのは病気を減らすことです。タバコ税も含めて政府が予防医学に消極的なのはどうしてなのか、国民の健康より産業優先ということなのでしょうね。

2009年2月 5日 (木)

新型インフルエンザに備える

 感染列島という映画も上映されていますが、新型インフルエンザの発生はかなり高い確率で起こりうるようです。今年は通常のインフルエンザに対するワクチンの効果もあまりよくありませんでした。タミフルの効果も昔に比べるとあまり期待できなくなってきています。現在の状態で新型インフルエンザが起こったら本当に対処のしようがない状態になるのではないかと危惧します。
 新型インフルエンザがもし起こったら基本的に外出を控え、人との接触をしないようにする必要があります。もちろん学校やショッピングセンターなど全てが出入り制限となるでしょう。自宅に籠って過ごせるように食料は6から8週間分備蓄することが勧められています。かなり長期間の準備が必要です。地震などの自然災害と違って水道などは止まらないはずなので、米などの食料中心でしょうか。ウイルス対策用のマスクなども家族分とっておくとよいかもしれません。
 医療機関がどうなるのか、いろいろな対策が考えられています。診療所ではできることは限られていて対応は困難だと思います。おそらく基幹病院や保健所などへ医師が出向して対応することになるのではないでしょうか。
 怖がりすぎてパニックになってもいけませんが、対策をきちんと考えていく必要がありそうです。

2009年2月 4日 (水)

節分と恵方巻き

 昨日は節分でした。診療所も夜に豆まきをしました。さすがに年齢の数だけ豆を食べるのはしんどくなってきましたが、5個しか食べられない息子にはずるいと言われてしまいました。最近恵方巻きを食べるという関西の習慣が東京でも広められていますね。しかしどうもしっくりしないので我が家では恵方巻きは取り入れていません。
 他の地方の慣習をなんでも取り入れるのは無理があるような気がします。地域の特性を残しておいた方が旅行などした時に発見があり面白いような気がします。
 バレンタインデーに逆チョコというのも流行らせたいようですね。絶対おかしいと思うのは私だけでしょうか。ホワイトデーには逆プレゼントもするようになるのでしょうか。商魂逞しのもほどほどがよい
ような気がします。

2009年2月 2日 (月)

足関節捻挫(ねんざ)

 段差で捻ったりバレーボールの着地で捻ったり、足関節の捻挫は非常に多い外傷です。足首を捻ると多くの方が捻挫だろうと考えます。確かに大抵の方は捻挫で、軽症なら湿布をする程度で治まります。痛みが強く不安定性がある場合は弾性包帯で固定したり、怪我をした方の足をついて歩けないくらいなら初期は副木固定することもあります。捻挫とは医学的には靭帯の損傷のことを言います。重症の場合は靭帯が切れてしまっています。足関節の靭帯が切れた場合、手術で縫合したり修復する場合もありますが、手術の適応については意見が分かれているところです。
 子供の捻挫では、外くるぶしの骨が一部剥離骨折していることも少なくありません。この場合、正面と側面の2方向のレントゲンでははっきりしないこともあります。斜めからレントゲンを撮る方法でよく見えることもあり注意が必要です。剥離骨折がある時は、基本的には6週間程度のギプス固定が必要ですが、経過を見ていると少し早めにはずせる子が多いように思います。高齢者では捻挫とご本人が思っていても骨折している場合が少なくありません。この場合ギプスにて固定するか、骨折部のズレ具合や安定性によっては手術をした方がよい場合もあります。
 捻挫は受傷後すぐに適切な診断をして、固定する必要があれば早期のみ固定し、以後きちんとリハビリをした場合が一番治りがよいと思います。特に痛めた足に体重をかけられるかに注意して、早めに整形外科へ受診することをお勧めします。

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