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2009年4月28日 (火)

新型インフルエンザが発生したようです

 ついに新型インフルエンザが発生したようですね。鳥ではなくブタでした。今シーズンに日本まで波及するかはわかりませんが、冷静に情報を収集してしっかり対策を立てておく必要がありそうです。幸いタミフルもリレンザも有効のようですのでパニックにならなくてもよいようですが、メキシコでの死亡例に青年層が多いとのことで、ウイルス対策だけではなく全身的な治療の準備も必要そうです。
 ゴールデンウィークに海外旅行を計画していた方も多いと思いますが、帰国時熱発などあれば成田で数泊足止めさせるかもしれません。渡航先の医療水準がしっかりしていればよいのですが、もし当地で熱発したらどうなるか心配されます。本来海外旅行は控えるべきかもしれません。もっともこれだけ国際的な人・者の交流があれば日本への感染拡大は防止できないとは思いますが。
 海外からの帰国後、または帰国者との接触後にインフルエンザ様の症状が現れた方は、医療機関や保健所などに電話で相談の上マスクなどをして指示に従い対応機関へ受診するようにしてください。きちんとすばやく対応すれば日本の医療水準なら心配しすぎないでよいと思います。混乱が一番危険です。

2009年4月22日 (水)

春は学会シーズンです

 4月、5月は各科の学会が全国各地で行われます。当院でも学会参加のため4/24(金曜日)は内科を休診、4/25(土曜日)は皮膚科を休診とさせていただきます。今回私はお留守番です。6月に学会参加をさせていただく予定としています。専門医は定期的に学会参加を義務づけられていることもありますが、やはり学会は最先端の情報を効率よく収集するという面でなくてはならない存在です。しかし平日に行われることがほとんどで、診療所で働いていると非常に参加しづらいのが難点です。受診前にできればホームページで休診情報をご確認下さい。
 

2009年4月20日 (月)

手根管症候群

 医療機関のブログなのに雑談が多すぎる気がしてきました。たまには疾患の説明をしないといけませんね。
 手の指がしびれるという疾患には様々なものがありますが、大きく分けると脳や頚髄など中枢からくるしびれと、肘や手など上肢の先の方(末梢神経)に原因のあるしびれがあります。初診時は両者の可能性を考えて診断する必要があります。
 末梢神経の疾患として有名なものに手根管症候群があります。手首のてのひら側にある手根管という通路に屈筋腱とともに正中神経という神経が通っていますが、これが障害されると母指~中指にしびれが生じたり、力が入りづらくなったりします。原因のはっきりしない特発性のものと手根管の炎症やガングリオンなどの腫瘍性疾患のものとがあります。手首の骨折後や外傷後に変形や腫れが強くなり同様の症状を起こすこともあります。
 診断としては母指球がやせ細っていないか、力は弱くなっていないか、知覚障害の程度はどうかを診察し、誘発テストで症状が出現増悪しないかどうかを観察します。場合によりレントゲンで関節に異常がないかもチェックします。最近はエコーがすぐに使えるので、正中神経を直接観察して圧迫されていないかどうかもチェックします。また、ガングリオンなど腫瘍性病変の有無もエコーで診断可能です。もし腫瘍性疾患の場合はガングリオンであれば注射器で内容液を抜くことで症状が軽快する場合があります。そのほかの腫瘍では手術的な切除が必要となることもあります。
 多くの場合は腫瘍などはなくて手根管レベルでの正中神経の通過障害といった状態になっています。神経障害が軽度の場合は、炎症止めを内服や外用剤で使用したり、時にはブロック注射を行ったりして治療します。患部安静のために手関節装具を装用する場合もありますが、あまりきちんと継続使用していただけない印象があるので当院では積極的に装具はお勧めしていません。
 母指球がやせ細ってきていたりする場合は神経障害として重度です。疼痛やしびれなどでも症状が重い場合は手根管解放術という手術が必要です。最近は内視鏡を使って、皮膚切開をわずかにする手術が行われるようになってきていますので、手術によるつらさは恐れるほどでもないようです。
 手根管症候群は一度生じるとなかなか治らないことも多く、手術の適否を含めてきちんと診断することをお勧めします。

2009年4月19日 (日)

整形外科領域のエコー検査

 エコー(超音波)検査は以前から内科、産婦人科、外科などで広く使われてきました。最近、超音波器機の性能が向上し浅い部位を明瞭に観察できるようになり整形外科領域でも使用されるようになってきました。当院では2年くらい前から使用を開始しましたがまだ使用している整形外科医は少数派です。しかし一度使い始めると、腱や靭帯、筋肉や血管等今まで直視できなかったものが診察室ですぐに観察できるのでなくてはならないものになります。
 超音波検査により、今までよくわからなかった疾患もどうなっているのか理解できるようになってきました。例えば五十肩として一括りにされていた肩関節痛の中に、肩板断裂という損傷が少なからず含まれていることがわかってきました。以前は所見とMRI検査にて診断していましたが、予約して検査を行えるのが数週間先でしかも高額なので検査を躊躇して診察所見で診断することも少なくありませんでした。エコーで見ればより簡便にどの程度の断裂か診断できます。子供が夜中や朝に急に足を痛がることがあります。一番多いのは単純性股関節炎と呼ばれる股関節由来の下肢痛です。レントゲンでは股関節包が腫れていることはありますが、骨関節に異常はありません。しかしエコーで観察すると股関節に関節液が貯留しているのが観察でき、股関節由来であることが確認できます。
 肉離れもどこがどの程度損傷しているのかすぐにわかります。捻挫もどの靭帯がどの程度損傷しているのか、剥離骨折を伴っていないかどうかがわかります。実は子供の足関節捻挫の多くは剥離骨折を伴っているということも分かってきました。初期は副木で固定した方が順調に早く治る場合も少なくありません。
 最先端の医療技術を取り入れて診断能力を向上させていくのは大切なことです。治療において最も大切なものは診断です。診断を間違えると全てが誤った方向に向かってしまいます。その診断技術を世界レベルで研究し切磋琢磨しているのは医師のみで、民間療法ではありえないということがもう少し一般社会で理解していただけるとよいのですが。

2009年4月17日 (金)

安全な3人乗り自転車

 我が家も子供を前と後ろに乗せて保育園へ送り迎えしています。実はこれは違法行為らしいですね。3人乗り自転車の安全基準ができて、これに合格した自転車であれば許可されるという見通しのようです。
 確かに子供2人を乗せて自転車に乗るのは不安定で危ない感じがします。やはり本来は歩いて行くべきでしょうか。それとも車で行くべきでしょうか。悩ましいところです。安全基準を満たした自転車というものを少し見た感想ではどうやらあまり魅力的なものではなさそうです。重そうだしバランス悪そうだし高そうだし。それでも本当に安全なのか疑問満載です。
 そのうち手が切れる包丁は使用禁止になる日がくるかもしれませんね。怪我が減ってよいかもしれませんが、使い物になるのかが問題です。

2009年4月15日 (水)

ついにアメリカでの心臓移植にも定員が

 小児の脳死が日本では認められていないため、心臓などに重度の疾患がある子供は外国に移植手術を受けに行く必要があります。
 これは冷静に考えると非常に矛盾した態度で、本来あるべき姿ではありません。もし小児の脳死が日本人の倫理観、哲学に適合しないのであれば当然外国に行っても脳死者からの移植は遠慮するべきであり、もし外国で脳死者から移植することが許されるなら日本国内でも移植できるようにするべきでしょう。
 これまでマスコミは日本国内では小児の脳死について慎重な議論を要するとしながら海外での移植医療を美談として伝えてきました。明らかなダブルスタンダードであることに気が付かないのでしょうか。
 国際的にも日本の矛盾した行動は非難されつつあります。今回、ついにアメリカも海外から移植を受けに来る人数に制限を設けたようです。アメリカ国内にも移植を待つ子供がいるでしょうに、日本から高額な医療費を払って移植を受けに来ることには限度があるのは当然かもしれません。
 私の個人的な考えでは、小児といえどもやはり脳死を認めて日本国内で移植を行うようにした方がよいと思います。日本人には世界最高水準の優秀な外科医がたくさんいるのですから、法が整えば国内で移植は十分可能だと思います。もしやはり子供の脳死には抵抗があるということなら小児の移植医療自体を海外も含めて断念するしかないと思います。苦渋の選択ですが、国の選択です。日本人は何事もうやむやにしておくのが好きな国民だと思います。しかしきちんとするように改めていかないと国際的に相手にされなくなってしまうかもしれません。

 

2009年4月14日 (火)

お金をもらう人あげる人

 高速道路料金引き下げ、自動車減税、住宅ローン減税、定額給付金…。景気対策のために数十兆円が投入されます。何かバブルで潤っていた企業に「バブルよもう一度」というような対策ばかりな気がするのは私だけでしょうか。せっかく大量生産大量消費社会を改め、農業や漁業などを振興して産業構造も変革するチャンスだと思っていたのに。
 一方もう崩壊が始まってしまった医療には、大した対策はないようです。さらに医療費の削減は進められようとしています。
 この差は一体どこにあるのでしょうか。西松建設の企業献金問題を見ていると、政治家や霞ヶ関にお願いをするためにいまだにお金を支払っている人たちがいるということに少し驚きます。献金というと、私が所属している医師会が有名なのではないでしょうか。時代錯誤な感じがして本当に情けない限りです。いくら献金したところでまともにとりあってもらえないのはもう時代の流れなのではないでしょうか。自民党議員の話を聞いていても医師会というのは政治家にも霞ヶ関にも最も嫌われている団体のひとつになってしまっているような気がします。マスコミや一般国民も医師会と聞いてよい感じのする人はいないでしょう。
 一方しっかり政策に反映されて希望を叶えている団体は政府にお金をもらって政策決定の中枢に堂々と入っています。経済諮問会議、有識者会議などなど。簡保の宿の問題もそうですが、規制緩和というのは結局経済界が進出するための道筋であるのは間違いないのではないでしょうか。医療の分野もさまざまな改革が言われています。医療が企業へ吸収されていく日も遠くないような気がしています。

2009年4月12日 (日)

潮干狩り

 今日は大潮。昼前に干潮を迎える絶好の潮干狩り日和でした。我が家も朝から行ってきました。うちの場合アサリだけが目的ではないので干潮のはるか前に現地に到着。さっそくウェダーを着て網を引きずって砂浜をウロウロ。2cmくらいの小さなカレイを捕まえました。さらに小さなエビやらカニやら捕まえてからやっとアサリを掘り始めました。何回か潮干狩りをしたことがありますが、今回が一番アサリが捕れました。もう掘るごとにアサリがザクザクという感じでした。さらに網でマゴチとすごく小さなイカも捕まえました。
 うちの海水魚水槽が今年もさっそくにぎやかになってきました。これから暖かい季節です。ワクワクしてきますね。

2009年4月 8日 (水)

肺結核は過去の病気ではありません。

 先日芸能人の方が結核で入院されたという報道を受けて、厚生労働大臣が「結核は日本ではほとんど流行らない状況になっているのでちょっとショック」という発言をしました。厚生労働大臣という立場にいる方がこのような認識であることにはかなりショックを受けました。
 日本は先進国の結核発症率から比べると高い発症率が継続しています。日本の風土の性質などもあるのかもしれませんが、予防対策が万全ではないのも一因ではないかと思います。さらに最近は多罪耐性菌といって抗生物質がほとんど効かないタイプの結核菌も広まってきていて、再び日本人の生命を脅かす疾患になりつつあるのではないかと恐れられています。
 そんな中、特定健診では胸部レントゲンは必須検査ではなくなりました。血液検査でも白血球もオプションとなり、炎症所見も入っていないので健診しても結核が見つかりにくくなってしまいました。結核撲滅がさらに遠のいてしまったような対応ですが、厚生労働省の認識が上記のようでは絶望的と言ってもいいかもしれません。
 やはり国には頼らない方が自分のためかもしれません。咳が数週続くとか、微熱があるとかダイエットしているわけでもないのに体重が減るとかあったら医療機関でチェックすることをお勧めします。結核の可能性は高くはありませんが、放置していると周囲にも感染を広めてしまうかもしれません。

2009年4月 7日 (火)

昨日は急遽父に代診を頼みました。

 昨日の4/6は私が急に体調を崩したため父に診察を代わってもらいました。受診した方には急遽変更してしまい申し訳ありませんでした。どうにも体中重だるくて身動きができない感じでした。インフルエンザかなとも思いましたが微熱程度で治まってきました。本当に大先生の存在はいざという時に心強いものです。いつもは昭和一桁頑固おやじそのものですけれどね。
 体調管理は本当に気をつけないといけませんね。そろそろ40、大病にならないように頑張ります。

2009年4月 1日 (水)

下肢のしびれと我田引水

 下肢にしびれを起こす病気にはさまざまなものがあります。これが要注意で、どうしても医師は自分の領域で物事を考えてしまいがちです。整形外科医としてはまず腰椎からのしびれを最初に考えてしまいます。もちろん腰椎からのしびれは頻度としては多いものと思います。足の力の低下がないか、しびれの部分がどうなっているかなどを診察して腰椎のどの部位で神経が圧迫されているかを検討します。場合によっては頚椎や胸椎などもっと頭側に原因がある場合もあります。足先のしびれでは、足の末梢神経障害の可能性もあります。足根管症候群やモートン病などが有名です。
 これが糖尿病内科医であれば、糖尿病性神経障害をまず考えるかもしれません。糖尿病性神経障害の場合は振動覚の低下などが特徴的です。このしびれはなかなか改善が難しく、まずは予防として糖尿病のコントロールを長期的にしっかり行っていくことが一番大切です。血管外科医の場合は閉塞性動脈硬化症をまず考えるかもしれません。確かにこの場合は間欠跛行といい、少し歩くとしびれてきて立ち止まるという症状が特徴的です。腰部脊柱管狭窄症との鑑別診断が重要です。また、下肢静脈瘤でもしびれ感を訴える方がいます。
 神経内科医や脳外科医の先生なら脳の異常をまず考えるかもしれません。足のしびれだけで脳梗塞という方は早期診断がかなり難しいかもしれません。一人、下肢のしびれが主訴で脳腫瘍だった方がいました。頻度は稀ですが、常に念頭にはおいておかないといけないものと思っています。
 膠原病内科医だと単神経炎や血管炎など膠原病の一症状をまず疑うかもしれません。
 医師は当たり前ですが念頭にない疾患は診断できません。日々他の科の領域も勉強し、診断能力を向上させるよう努力していく必要があります。どんな世界も人生、日々勉強ですね。

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