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2009年9月24日 (木)

単純性股関節炎

 3歳から5歳くらいの子が、朝から「膝が痛い」と言って歩きたがらない。という方が時々来院されます。朝起きるまでは何ともなく、お母さんは「本当に痛いの?」と疑っていることも少なくありません。
 子供の膝痛にもさまざまな疾患があります。感冒などウイルス性の疾患の後に関節炎を生じることもあります。円盤状半月と言って、もともと膝関節のクッションである半月板が痛み易い形をしていて、これが部分的に損傷反転して痛み等を起こすこともあります。
 しかし誘因なく朝から膝が痛いというと、整形外科医としてはまず単純性股関節炎を考えます。「膝が痛いのに股関節?」という疑問が飛んできそうですが、それが特徴なのです。高齢者でもよくありますが、股関節に問題があると大腿から膝へ放散する痛みがあり特に子供は膝が痛いと訴えます。
 膝関節から始めて股関節まで圧痛の有無や可動域、動かした時の痛みを診察します。レントゲンでは股関節包が腫れている所見があることもありますが、大きな異常はありません。
 以前は経過や診察所見だけで単純性股関節炎と診断していました。最近は診察室に超音波検査器を置いていますので、これが大変役立っています。超音波では股関節に関節液が溜まっていることが観察できます。反対側と比較するとご両親にも膝ではなく股関節が原因であることを納得していただけるのではないかと思います。
 治療としては基本的に経過観察のみしていただいています。もし痛くて眠れないというときは、小児科でも使用する解熱鎮痛剤を屯用で使用していただきます。通常数日から1週間以内に自然治癒します。
 ごく稀に、細菌による化膿性股関節炎など重度の疾患の可能性もあります。発熱を生じないか、他の症状などが出てこないか、順調に症状が軽減していくかということを中心に経過観察していただき、何かおかしいと思ったらすぐに再診するようにしてください。

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