「相変わらずです。」の意味
「相変わらずです。」という言葉には、「相変わらず落ち着いています。」という良い意味と「相変わらず痛いです。」という悪い意味があります。
腰痛や肩こりなどではなかなか軽快しないことも多く、改善傾向がない場合は精密検査などをするか、治療方法を変えてみるか相談が必要です。
関節リウマチなどで相変わらず落ち着いています、というような場合もあります。そんなときは検査上も落ち着いていればコントロール良好で、そのままの治療を継続していくことになります。
最近、このふたつの意味の他にも「相変わらずです。」という言葉には意味があることに注目しています。毎回毎回受診の時に「相変わらずです。」といって診察室に入ってくるおばあさんがいます。それほどつらそうではないし、落ち着いているのか痛みがつらくて調子がよくないのか判然としません。
こんな場合、物忘れが進んでいないか注意する必要があります。認知症があると前にどんな症状だったかを覚えていないので、ご本人も症状がどう変化しているのかわからないのです。そこで、とりあえず「相変わらずです。」と話されます。こういう取り繕う言動は認知症の早期ではよく見られます。診察をしていても特に認知症を疑わないような方が実はすでに認知症であったということも少なくありません。
表面的な話だけでなく、少しつっこんだ話もしてみるようにしないといけませんね。診察というのは奥が深いものです。