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2009年11月 2日 (月)

リウマチ性多発筋痛症

 肩こりというと、一般的には首の後ろから肩甲骨の周辺の痛みやこわばりのことを指すことが多いと思います。つまり肩関節痛と肩こりとは全く別の症状です。この部分の疼痛としては頚椎からひびく痛みであることが一番多いと思います。我々整形外科医は、まず頚椎の疾患から考えていくのは普通です。
 時に内服や外用剤、物理療法やブロックなどいろいろな治療法を行っても改善の乏しい方がいます。整形外科医としてはそんな時、椎間板ヘルニアから頚椎の転移性腫瘍など、整形外科領域で頻度の少ない疾患を探す方向へ思考回路が進んでしまいがちです。しかし、少し冷静になってまったく他の方向へ考えを転換する必要がある場合もあります。
 その典型例がリウマチ性多発筋痛症という疾患です。この疾患は頑固な肩こりという感じの症状で、後頚部から広いと両肩くらいまでが重く痛い状態が漫然と続きます。普通の鎮痛剤の効き目が悪く、リハビリをしても今ひとつ患者さんの満足度が低いです。
 頚椎レントゲンやMRIでは診断できません。肩こりで採血というのも変な感じがしますが、血液検査が必要です。採血すると、CRPや血沈という炎症反応が上昇しています。炎症反応が上昇する他の疾患の可能性を除外するとリウマチ性多発筋痛症という診断が確定します。
 治療としてはステロイドの内服が著効します。最初やや多めに内服するのですが、そうするとそれまで治療しても効果が乏しかった方が数日ですっきりしたりします。その後長期的に徐々に薬を減量していきます。一部関節リウマチに移行する方などもいますので注意が必要です。
 ひとつの症状も多角的に診察し、診断に悩むときは他科の先生の意見も聞いてみるなど、柔軟に対応してなるべく早く適切な診断に到達する努力が必要なことを教えてくれる疾患でもあります。初診時にピンとくると一番よいのですがね。

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