長期処方の功罪
最近は2〜3ヶ月分の長期処方をすることも少なくなくなってきました。生活習慣病や骨粗鬆症などでは長期処方の方が患者さんにとってはメリットが多いのではないかと思います。しかしよいことばかりではないのは何事も同じです。処方が長期になればなるほど、患者さんとの関係性は希薄になっていきます。
年に4〜6回、数分から10分程度話した方の日頃の様子を把握することなど実際には困難でしょう。長期処方を行う時、医師として患者さんを全人的に診療している訳ではなく疾患だけを診ているのに過ぎないのではないかと思うこともあります。診療所ではかかりつけ医的な役割が期待されていることも多く、長期処方をすることが適切ではないことが少なくありません。
もう一つ、一度処方された薬は買い取ったり回収することはできません。途中で状態が変化したり副作用が生じても、残ったお薬はそのまま患者さんのものとなります。実際、自宅に薬が残っている方も意外といるのではないでしょうか。
鎮痛剤や睡眠剤などは長期処方が不適切なものです。疾患の状態やきちんと定期で内服できているかなど、総合的に判断して処方期間を調節しています。当院は診療所としては比較的長期処方をすることが多いと思います。長期処方された方はきちんと内服するようにしてください。体調の変化などがありましたら早めに受診していただくようにお願いいたします。
« 国会は何をするところか | トップページ | 治療の経過について一言:皮膚科 »
コメント