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2010年2月28日 (日)

アーミッシュ

 アーミッシュという人々をご存知でしょうか。私が初めて知ったのは中学生のころだったでしょうか。ハリソン・フォードの「目撃者」という映画に登場していて、その存在には衝撃を受けました。
 アーミッシュはキリスト教のひとつの宗派で、現代文明を拒否し昔ながらの生活を守っている人々です。自動車を使わず今でも馬車を用い、主に農耕生活をしています。この人々が最も先進的な国であるアメリカ国内で生活しているということも本当に驚きです。
 現代文明は急速な伸展を続けています。ほとんどの人が社会の成長・発展が望ましいということを疑っていないのではないでしょうか。株価も経済成長率もマイナスに転じると大騒ぎとなり、どこまでも成長することが強迫観念のようになっています。一方で温暖化などどこまでも成長することが本当に可能なのか、疑問な点も生じてきている現実があります。
 アーミッシュのように、社会の成長を止めてしまった人々の存在には考えさせられる面が多々あります。最近、アーミッシュの人々はその他の人々に比べて癌にかかる率が4割以上少ないという報告を読みました。タバコを吸わずアルコールもあまり摂取せず、農耕生活で身体的な労働を主としていてメタボも少ない。アーミッシュの人々は先進的な生活をする人々より実は健康的であるという報告です。
 映画の中でハリソン・フォードが演じる刑事は現代社会に暮らす人間として描かれます。自分たちの社会に疑問を持ち、アーミッシュの社会に溶け込んでいきます。しかし最後には現代社会に帰っていきます。成長でなく成熟を目指すという選択。なかなか難しいものです。あの映画はDVD化されているのでしょうか。アーミッシュの報告を読んで、もう一度見たくなってしまいました。
 

2010年2月21日 (日)

腱の損傷

 手や足などが動くためにはまずしっかりした骨格と関節があって、骨に筋肉が付いていてこの筋肉が腱へと連続して関節を越えて主にとなりの骨へ付着して連動している必要があります。腱はクレーン車で言うとロープの役割をしています。アキレス腱が有名ですね。
 骨折や靭帯損傷などについては治療法がどんどん進歩しており、昔に比べると回復が良好に早くなってきています。スポーツ選手でも骨折や靭帯の損傷で手術をしても元の競技に早く復帰できることが多いように思います。
 しかし腱の損傷についてはまだまだ思うように治療法が進歩していない場合も少なくありません。例えば指の突き指では、末節骨自体が欠けてしまう骨性槌指と、伸筋腱が切れてしまう腱性槌指とがあります。腱が切れているとき、通常は6週程度副木で指の第1関節(DIP関節)を伸展した位置に保持して治療します。それでも、第1関節が完全に伸びない後遺症が残ることが多いです。それでも機能的に大きな問題となることはほとんどありませんが。現在は一部の専門医で積極的に手術をして治療する報告もありますが、まだ手術をする方が良いという意見が一般化していません。
 指を曲げる屈筋腱が手のひら部分で切れた場合も治療はかなり大変です。この場合は手術をしてきちんとしたリハビリテーションを行う必要があります。
 肩関節の腱板損傷も治療には長期間を要し、それでも完全に元通りに戻らない場合も少なくありません。一方アキレス腱は昔はほぼ全例手術でしたが、ギプス固定でもしっかり治る場合も少なくないことがわかってきました。
 腱の損傷は部位により治療法が様々です。ガラスで深く切った時など、腱まで損傷していると思っていたより大変な治療を説明される場合があります。切った部位より先の指がきちんと動かせるかどうか。注意してみてください。もしきちんと動かせなければ、診察のときに医師に話した方がよいです。

2010年2月19日 (金)

冬期オリンピック

 冬期オリンピックをハラハラしながら見ています。本当に極限まで頑張ったアスリートの世界は、勝敗を超えて感動させてくれるものです。昔スノーボードのハーフパイプで外に飛び出して脊髄損傷を受傷された患者さんと接したことがありますが、その前向きな姿勢に驚くとともに尊敬したものです。
 ウインタースポーツには本当に命がけの競技が多いので、その競技にトップレベルでチャレンジするだけでも本当にすごいことです。フィギュアもあの緊張感の中で4回転に挑戦した姿勢には感動しました。日本は苦戦しているようですが、どんな成績でも本人が納得のいく試合をしてほしいものです。

2010年2月16日 (火)

コンピューター地獄

 医療界もIT化が急速に進んでおり、当院も電子カルテやらレントゲン画像の電子保存など積極的に導入しています。しかしこのコンピューター関連のコストというのは非常識なレベルで推移しており、医療費を押し上げている一因になっていると個人的には思っています。何せ数十GBのハードディスクが医療用だと10万円以上するのですから。民生用ならTB単位でも数万円で買えるのに、医療界では2ケタ違うのが普通のようです。

 そんな訳で自分でできることは自分でしようと悪戦苦闘しています。LANケーブルを自分で引くのはもちろんのこと、コンピューターのセッティングからファイリングなどなど本を読んだりネットで調べたりしています。それにしてもこの業界は頭にくることばかり。ケーブルだけでも何種類作れば気が済むのでしょう。

 電子カルテなどもデータ保存などに統一規格がないので、互換性も不十分です。もし電子カルテメーカーが破たんしたらそれまでのデータが無駄になってしまう可能性が高いのは問題だと思っています。超音波画像を保存したら開けない。JPEGやDICOMなど一般規格の画像ではなく業者独自の画像で保存してあるので、画像を見たいならオプションで画像管理ソフトをご購入くださいときたものです。

 厚生労働省もIT化を進めたいならきちんとした規格の整備と異常な高コストの改善をぜひしてほしいものです。

2010年2月14日 (日)

ピアスについて

卒業式シーズン間近です。このころになると、ちらほらピアスの穴をあけにくるかたがいらっしゃいます。

最近ではイヤリングよりピアスの方がかわいいから、イヤリングが落ちてしまうから、イヤリングが痛いからといった理由で幅広い年齢層の方もいらっしゃいます。

ピアスはあけるのは簡単ですが、開けた後に注意が必要です。

ピアスは常時つけておくものですので、金属アレルギーを新たに発症する確立が高くなります。そこで、なるべくメッキ類は避け、チタン、プラスチックの軸を進めております。金も意外とかぶれます。

また、耳たぶが厚い方はヘッドの小さいピアスをつけると肉のなかにヘッドが埋め込まれることもあるので注意です。ファーストピアスは軸の長いものにして開けた後に腫れてもくいこみにくい長さにする必要があります。

重たいピアスは重力で下にさがり、穴を大きくしたり、ひどい方はちぎれたりして、耳介形成術で治す必要がでてくることもあります。なるべく軽いものをつけるか、重いピアスは一時のみにすることをおすすめします。

開けた後のピアスは最初から気を付けて選んでください。

2010年2月 9日 (火)

臼蓋形成不全症

 女性で比較的若いうちから股関節が痛い、あぐらをかこうとしたときに股関節の開きが悪い、歩いたり運動したりしたときに大腿〜膝へ痛みがあるという場合に股関節の疾患が考えられます。そのひとつに「臼蓋形成不全症」という疾患があります。股関節は、大腿骨の関節部分(大腿骨頭といいます。)を骨盤側の骨が屋根となって覆っている構造になっています。この屋根の部分が浅い状態を臼蓋形成不全症と言います。屋根が浅いと重心が屋根の端の方にかかるので負担が集中し、関節軟骨が早期にすり減ってきたり、骨盤側の骨が側方へ張り出すように成長したりします。
 負担が強くかかったり体重が増えたりすると疼痛が生じ易くなります。診断は圧痛や運動時痛の有無、可動域の減少の有無などを診察し、レントゲンにて屋根の浅さなどを測定します。
 治療としては、まだ軟骨層が保たれており症状も軽い場合は、基本的には中臀筋を中心に運動療法をしていただき体重が多い場合は減量をお勧めします。症状が強い場合、鎮痛剤などを短期間使用する場合もあります。疼痛が続く場合は年齢などにより杖歩行が必要な場合もあります。
 根治的な治療は、年齢が若い場合は骨切り術という手術が行われます。浅い骨盤側の骨を切って屋根を大きくするように移動して固定します。身体的な負担は大きいですが、自分の骨をそのまま利用できるというメリットがあります。中高年になってから根本的に治すには人工関節置換術が主流となっています。
あまり早期に行うと10〜20年後に再置換術が必要となることもありますが、最近は人工関節の器機、手術手技ともに向上していますのでかなり順調に症状が緩和しています。
 股関節疾患には、他にもいろいろあります。腰椎などから股関節周囲へ放散痛が生じている場合もあります。まずは診断をしっかりすること。早期には筋力アップやダイエット、生活の見直しなどで症状が緩和する方も多いです。また、構造的に股関節に症状が出やすいので長期的に人生のプランというものも少し考えてみる必要があります。

2010年2月 2日 (火)

無縁死特集に思う

 テレビで特集されていた「無縁死」の実態には深く考えさせられました。一人暮らしで家族や友人、知り合いなど人とのつながりがほとんどなくなってしまった方が人に知られることなく亡くなってしばらくしてから発見されるということが増加しているそうです。年間3万2千人もの人が、無縁死として共同墓地に埋葬されているそうです。
 診療所で多くの方の診察をしていると、ときどき警察から問い合わせの電話がかかってきます。一人暮らしの方が亡くなった場合、その前の状況を通院していた医療機関に問い合わせるためです。一人暮らしの高齢者には、見守り機能も兼ねて介護保険を申請するよう勧めることも少なくありません。
 ネット、郊外型のショッピングモールなど、人と人の実際の距離が遠くなってゆく世の中になってしまいました。これからの日本社会の最大の問題はやはり人のつながりを再構築することなのかもしれませんね。

2010年2月 1日 (月)

インシデントとは

 医療の世界において日々細心の注意をしながら働いているつもりでも、うまくいかないこともあります。医療事故には至らない程度の過ちはインシデントと呼ばれています。幸い当院では患者さんに後遺障害が残るとか命に関わるといった大きな医療事故を起こしたことはありません。しかし採血や注射でうまくいかないとか、初期診断が違うということはゼロではありません。病気というのは最初は典型的な症状を示さないことも少なくないので、後に診断を見直せるように早期の間は定期的に診察したりして診断を修正したりします。インシデントひとつひとつの行為は大変申し訳なく、患者さんの信頼も失ってしまうことにもなり医師としてかなりへこむ出来事です。しかし医療が人と人の関係の中で行われる行為である限り100%完璧にするのは至難の業であるのも事実だと思います。大きな医療事故にならないようインシデントを集積して対策を立てていく努力を絶え間なくしなくてはなりません。これからも極力適切な医療を提供できるよう努力していきたいと思っています。

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