アーミッシュ
アーミッシュという人々をご存知でしょうか。私が初めて知ったのは中学生のころだったでしょうか。ハリソン・フォードの「目撃者」という映画に登場していて、その存在には衝撃を受けました。
アーミッシュはキリスト教のひとつの宗派で、現代文明を拒否し昔ながらの生活を守っている人々です。自動車を使わず今でも馬車を用い、主に農耕生活をしています。この人々が最も先進的な国であるアメリカ国内で生活しているということも本当に驚きです。
現代文明は急速な伸展を続けています。ほとんどの人が社会の成長・発展が望ましいということを疑っていないのではないでしょうか。株価も経済成長率もマイナスに転じると大騒ぎとなり、どこまでも成長することが強迫観念のようになっています。一方で温暖化などどこまでも成長することが本当に可能なのか、疑問な点も生じてきている現実があります。
アーミッシュのように、社会の成長を止めてしまった人々の存在には考えさせられる面が多々あります。最近、アーミッシュの人々はその他の人々に比べて癌にかかる率が4割以上少ないという報告を読みました。タバコを吸わずアルコールもあまり摂取せず、農耕生活で身体的な労働を主としていてメタボも少ない。アーミッシュの人々は先進的な生活をする人々より実は健康的であるという報告です。
映画の中でハリソン・フォードが演じる刑事は現代社会に暮らす人間として描かれます。自分たちの社会に疑問を持ち、アーミッシュの社会に溶け込んでいきます。しかし最後には現代社会に帰っていきます。成長でなく成熟を目指すという選択。なかなか難しいものです。あの映画はDVD化されているのでしょうか。アーミッシュの報告を読んで、もう一度見たくなってしまいました。