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2010年2月21日 (日)

腱の損傷

 手や足などが動くためにはまずしっかりした骨格と関節があって、骨に筋肉が付いていてこの筋肉が腱へと連続して関節を越えて主にとなりの骨へ付着して連動している必要があります。腱はクレーン車で言うとロープの役割をしています。アキレス腱が有名ですね。
 骨折や靭帯損傷などについては治療法がどんどん進歩しており、昔に比べると回復が良好に早くなってきています。スポーツ選手でも骨折や靭帯の損傷で手術をしても元の競技に早く復帰できることが多いように思います。
 しかし腱の損傷についてはまだまだ思うように治療法が進歩していない場合も少なくありません。例えば指の突き指では、末節骨自体が欠けてしまう骨性槌指と、伸筋腱が切れてしまう腱性槌指とがあります。腱が切れているとき、通常は6週程度副木で指の第1関節(DIP関節)を伸展した位置に保持して治療します。それでも、第1関節が完全に伸びない後遺症が残ることが多いです。それでも機能的に大きな問題となることはほとんどありませんが。現在は一部の専門医で積極的に手術をして治療する報告もありますが、まだ手術をする方が良いという意見が一般化していません。
 指を曲げる屈筋腱が手のひら部分で切れた場合も治療はかなり大変です。この場合は手術をしてきちんとしたリハビリテーションを行う必要があります。
 肩関節の腱板損傷も治療には長期間を要し、それでも完全に元通りに戻らない場合も少なくありません。一方アキレス腱は昔はほぼ全例手術でしたが、ギプス固定でもしっかり治る場合も少なくないことがわかってきました。
 腱の損傷は部位により治療法が様々です。ガラスで深く切った時など、腱まで損傷していると思っていたより大変な治療を説明される場合があります。切った部位より先の指がきちんと動かせるかどうか。注意してみてください。もしきちんと動かせなければ、診察のときに医師に話した方がよいです。

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