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2010年5月 9日 (日)

ド・ケルバン病

 ド・ケルバン病は手首の親指側で、主に手首や親指を動かした時に痛みを生じる疾患です。母指を外側に開く時に働く腱の通り道(腱鞘)で炎症を起こしたり腱の通過障害を生じることが原因です。女性に多く、特に出産後に多くみられます。
 局所を押すと痛く、親指を中に入れて手を握り小指側に手首を動かすと痛みが誘発されます。ひどいと
親指を動かしたときにひっかかり感を感じることもあります。
 構造的にはこの腱鞘には二つの腱が通過しているのですが、この二つの腱の間に隔壁があると生じ易く治りにくいと言われています。これは超音波検査で確認できます。
 治療としてはまず負担を減らすことですが、なにせ出産後の女性が多いので赤ちゃんのことで手一杯で「負担は減らせません。」という方が多いです。早期の方ではまずかぶれなければ湿布をしてみる、サポーターで保護してみるということをお勧めしています。しかし有効率はそれほど高くない印象です。
痛みが強い場合や日常生活動作が困難となってきているなど症状が強い場合は、腱鞘内注射がかなり有効です。ただ、ステロイドを使用しますのでよく相談の上行うようにしています。授乳中でも、産婦人科の母児間の薬剤動態の専門医の先生に伺ったところ腱鞘内注射は基本的に心配ないというお墨付きをいただきました。このステロイド注射での問題点としては頻度は高くはないのですが、皮膚萎縮や白班を生じる副作用が報告されています。ただし、この副作用は期間は長いですが回復すると言われています。また何回もステロイド注射を行うと腱自体が脆弱になってしまうなどの場合もあり、腱鞘内注射でも改善しない場合は腱鞘切開という手術が必要になります。手術まで必要となることは稀ではありますが。
 当院では、基本的に温熱や低周波などの物理療法などはお勧めしていません。やはり治療成績としては腱鞘内注射か手術が圧倒的に有効率が高いと思っています。まずは疾患説明と湿布くらいで経過をみて症状が軽快すれば最もよいと思います。実際には症状がなかなか治まらず、注射を必要とされる場合が多いような印象です。

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