過ぎたるは及ばざるがごとし
最近は健康補助食品やサプリメントを利用している方も大変多いものと思います。医師としてはどこまで語るべきなのか迷うところもありますが、整形外科領域でひとつ注意していただきたいことがあります。それは、カルシウムやビタミンDには摂りすぎることもあるということです。
骨粗鬆症の予防や治療にカルシウムやビタミンDは欠かせない栄養素で、処方することも多いのですが
漫然と摂取していると重篤な副作用を生じることもあります。その多くは腎機能障害です。特に日本人はカルシウムやビタミンDの許容量が欧米人に比べて少ないのではないかと個人的には思っているのですが、採血と尿検査をしてみるとカルシウム濃度が正常上限を超えてしまう方が時々います。血中、尿中のカルシウム濃度が高すぎる状態が続くと腎臓の機能を障害したり結石ができたりします。腎機能障害は軽い疾患ではなく細心の注意が必要です。
カルシウムやビタミンDを通常の食事以上に摂取している場合はときどき検査をすることをお勧めします。一番よいのは血中・尿中の濃度を測定することですが、少なくとも検診で腎機能障害が生じていないかは毎年受けた方が安全です。
よく宣伝で自然の食物の数百個分の栄養素が入っているとか自然の食品の数倍の栄養素が入っているとありますが、そんなに食べて体によいのかどうか。実際に該当する食品を数百個食べてみるとわかるのかもしれません(冗談です)。
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