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2010年11月28日 (日)

リウマチの新しい診断基準

 今年、関節リウマチの診断基準が改訂されました。病気の診断基準が変わるというのおかしい感じがするかもしれませんが、時代とともに診断基準は改訂されていきます。
 診断基準の改訂には大きく2種類あるような気がします。ひとつは、病気の研究が進んでそれまでの診断基準では予後がよくないといった場合に、より早期で診断できるようにするために変更されることがあります。最近高血圧や糖尿病の診断基準も改訂されましたが、より早期で診断できるようにするのが目的です。
もうひとつは、病気の診断がまだ定まっていない疾患についてはより確実に診断できるように改訂されます。関節リウマチの場合は後者に当たります。早期の関節リウマチは一つの関節の腫脹であったりリウマチ反応が陰性であったりして診断が難しいものです。今回の改訂では、関節の数や検査成績をスコアにしてその合計で診断するようにしてあります。小さな関節ひとつの腫脹でも炎症所見やリウマチ反応が陽性なら診断できます。また、昔の診断基準にあったレントゲン変化の項目が削除されました。これはレントゲンで関節破壊像が認められてから診断するのでは遅いのでレントゲン変化がない状態での診断を目指したものです。この意味ではより早期から診断できるようにすることも目的のようです。
 診療所で初診の方ではまだ昔の診断基準を満たさない方も多く、実地に即した診断基準に近づいたように思います。前提に滑膜炎を確認する必要があり、これには超音波検査が有用と言われています。早くから外来に超音波検査を導入したかいもあったというものです。

2010年11月23日 (火)

劣化

 太古の昔から「今時の若者は」いう言葉が語られていたそうです。最近では劣化などとまで言う人がいます。0歳から100歳近くの人々を日々診察していて、世代間に差異などないのではないかと思う私はおかしいのでしょうか。昔と今とでは社会の全てが違うのですから、比較する基準が定まらないことでしょう。昔は読み書きだったのが、今は読み選ぶです。
 遠い未来の日本人が、全ての世代で最も劣化していたのはどの世代かというのを選定することになったら、昭和平成を大人として過ごした我々の世代は未来人の批判に耐えられるのだろうかと思います。国の財政を極限まで逼迫させ、自然環境や生物多様性を崩壊寸前まで追い込み、少子高齢化を止められず。若者の批判をする前に自分の世代がどうなのかを考えないといけないような気がしています。それは私たちの世代にも、ひとつ上の世代にも言えることのような気がするのですが。

2010年11月21日 (日)

Fリーグ

 今日はFリーグの会場ドクターをしてきました。Fリーグと言ってもわからない人もいるかもしれませんが、フットサルのプロリーグです。町田の名前を関するプロスポーツは今のところペスカドーラ町田のみでしょう。頑張ってほしいところですが、今年は苦戦しているようです。今日も負けてしまいました。地元民としては悔しい限りです。
 フットサルにしても、ハンドボールや自転車競技にしても、マイナースポーツが最ももっと盛んになるとよいですね。機械ばかりがモテハヤされる世の中ですが、人の躍動に触れると元気が出るものです。

2010年11月15日 (月)

子供の外傷にリハビリは必要か

 骨折や捻挫等の外傷後、大人では関節の動きが悪くなることが多く回復にリハビリテーションを要することが多々あります。手術後を中心に、ギプス固定後などはかなり力も落ち関節の動きも悪くなっています。最近は早期からの積極的なリハビリテーションが推進されており、昔のように安静にしてから開始するのではなく可能な限り早期から行うようになっています。
 一方、子供ではどうでしょうか。子供では骨折後も骨癒合が早く、固定を解除するとあっという間に関節の動きも元に戻ることが多いです。時々リハビリ目的に民間療法へ長期に通っているという話を聞きますが、本当に必要なのか疑問に思うことがあります。例えば子供の足関節捻挫では、実は剥離骨折を伴っていることも多くこの場合は発症時からギプス固定して安定するまでしっかり固定すればその後は順調に回復します。特にリハビリは必要なく遊んでいるうちに完治します。腰痛でも分離症が考えられる時は発症後すぐにコルセットなどでしっかり固定しきちんと安静を守るときちんと治ることが多いものと思います(もちろん分離症はそれでも分離してしまうこともありますが)。肘の骨折後もギプス固定後は特にリハビリ通院しないでも普通に遊んで経過観察すると変形治癒さえなければ機能的にはそのまま回復します。
 子供でリハビリに通院しないといけないという状態はかなり特殊な状態だと思います。上述した通り、分離が進行してしまい慢性腰痛の状態になってしまった子や、前十字靭帯損傷でまだ成長期のため手術適応がないと専門医に診断されている子、全身的に関節が固かったりして競技に支障のある子などでしょうか。逆に大人が子供の外傷後の関節を動かすと強すぎて異所性仮骨などの合併症を生じてしまうこともあります。初期に外傷の具合によってしっかり固定するのか少し動かすのか。いつまで固定するのか自由にさせるのか。こればかりは外傷の具合でその場で決めていくしかありません。
 足関節の捻挫や手関節の骨折でリハビリ通院を当然のごとく勧められたら、ちょっと考えた方がよいかもしれません。

2010年11月14日 (日)

母指CM関節症

 母指の根元、母指球と手首の間くらいにある関節をCM関節と言います。厳密には他にもいろいろ小さな関節があるのですが、この領域で一番問題を生じることの多い関節がこのCM関節です。
 年齢と体質により、この関節は手の中では一番すり減り易い関節です。それとともに、基部が外側に亜脱臼するように変位してきます。何か物をつまもうとすると痛いのが最初の症状です。ひどくなると安静時にも痛かったり、変形が気になるようになってきます。
 基本的に関節がすり減る疾患ですが、この部分にはヒアルロン酸注射の適応はありません。疼痛が軽いうちは湿布などの外用薬を用います。手芸などの細かい作業をする方で痛みを生じることが多いようで、無理しないようにするのが一番ですが、母指はどんな作業にも使う指なのでなかなか安静にはできないものです。疼痛が増悪すると、内服薬や一時的なブロック注射などを行います。装具を使うと調子がよい方もいますが、装具はみなさん最初は水仕事ができない、目立つなどの理由で嫌がります。しかし疼痛がひどい方に使用すると調子がよいようです。なので、痛みがそうでもなければそのまま様子をみていただき、本当に痛くてつらい方は使用するとよいと思います。
 さらに、日常生活動作での困難がひどい場合は手術療法があります。腱を用いて関節を安定化させる手術が主流です。人工関節もアメリカなどでは開発されてきていますが、まだ長期成績が今ひとつ安定していません。労働者などでは関節固定術も行われています。手術のお話をしてもそこまでは希望しないという方がほとんどですが、形成術の成績は比較的安定しているので前向きに検討してもよいと思います。
 

2010年11月 7日 (日)

腰椎DEXA

 今日、診療所では新しい骨密度測定装置を導入する工事をしています。ついに念願の腰椎・大腿骨でのDEXA法を当院にも導入することができました。
 今までは前腕の骨で骨密度を測定していました。この方法ですと治療薬を用いても基本的に骨密度を維持するのが目標となっていました。しかし、腰椎・大腿骨での骨密度測定では治療目標は骨密度の着実な向上となります。研究や総合病院では腰椎DEXAが基本となっていますので導入したいところですが、特に都市部の診療所では面積的に導入することはかなり困難です。当院でもレントゲン室がやや窮屈になってしまいましたが車いすなどでの入室も従来通りできるスペースはなんとか確保できました。
 今年の私の収入はこの機械に消えそうですが診療所のレベル向上は何よりうれしいことです。骨粗鬆症は高齢になってから骨折や円背などによって日常生活の質を著しく低下させる可能性のある疾患です。積極的に予防・治療することをお勧めします。

2010年11月 4日 (木)

中間選挙

 グーグルもマックも、ウィンドウズもインテルもアメリカの会社だと思いますが、アメリカは不況だそうです。景気とは一体何なのでしょうね。グローバルな社会では工場などは必然的に人件費の低い方に流れるのでしょうから先進国の労働者の雇用を生み出すことは容易なことではないでしょう。大企業の本部機能、経営に携わる立場と労働者の立場と。真っ二つに割れていくのは止められないのでしょうか。
 アメリカの中間選挙でティーパーティーというグループが目立っていました。ティーパーティーが何の略かと思ったらTaxed enough alreadyだそうです。つまり富裕層が巻き返しているということなのでしょう。富裕層と貧困層。日本はアメリカの後追いをしているとよく言われます。医療のシステムもそうですが、あまりアメリカのまねをしすぎない方がよいような気もします。

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