第5中足骨骨折
日本代表の香川選手が第5中足骨骨折で代表離脱をするとのことです。決勝前に大変残念ですが、しっかり治してまた活躍してほしいものです。
第5中足骨骨折は外来でもよく見られる骨折のひとつです。若者がスポーツで骨折することも、高齢者が足を捻って骨折することもよくあります。個人的な印象ですが、若者は骨折部をしっかり痛がりますが、高齢の方は大したことはない、それほど痛くないと言うことが多いような気がします。恥ずかしさでしょうか、それとも重症にしたくない心理が働くのでしょうか。
レントゲンでは足の小指の根本のように写りますが実際は足背の外側に位置します。基部に腱が付いていて足関節方向への牽引力がかかるため、最初わずかな骨折でも後から離解してくることもあります。
治療としてはズレがあまりない場合はギプス固定となります。ズレが大きかったりスポーツ選手などで早期復帰を目指す場合などはスクリューで手術的に固定する場合があります。また、スポーツ選手では疲労骨折と言って徐々に痛んできてある時骨折に発展するような状態のこともあります。この場合は長期的にスポーツを休止する必要があります。それでも治癒しない場合は骨移植した上で固定するというような手術を要することもあります。
ギプス治療では、みなさん長期固定は嫌がりしっかり治療することが難しい場合も少なくありません。しかし偽関節と言って骨癒合を得られなくなる場合もありますので、不便ですが骨が安定するまで無理せず治療に専念していただきたいと思います。最近は癒合を促進するためにギプスに窓を開けて超音波骨折治療器を当てることも時にしています。
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