がってん無理がありますよ。
昨日のためしてガッテンは「肩こり」が完治するというテーマだったのでどんなことを言うのか気になり見てしまいました。少し過ぎてから見たので最初の導入部分は見逃したのですが、完治型の肩こりとして胸郭出口症候群が紹介されていました。
「肩こり」というと、一般的に患者さんは後頚部(頚椎周囲から肩胛骨付近から肩関節付近)の疼痛や凝った感じのことを言うと思います。肩こりの診断に胸郭出口症候群を持ってくるのはかなり無理があると思います。確かに後頚部痛を訴えることもあると思いますが、胸郭出口症候群というと主に上肢への症状を伴う場合が典型的で、「肩こり」として中心疾患に据えるのは無理があるような気がします。まあ、専門医として登場した先生が肩関節の専門医であったことと、有名な装具を使用する大学の方だったのでその専門性を優先したのかもしれませんが。さらに、胸郭出口症候群が運動療法と装具ですっきり治るというのもやや言い過ぎのような気がします。
非完治型の肩こりも、頚椎のストレッチの仕方が間違っていたと言っていましたが、それほど単純な問題ではないように思いました。ただ、肩こりにストレッチが重要なことは間違いないと思いますが。
メディアはどうしても物事を単純化しすぎるのだな〜と改めて思いました。やっぱり、「すっきり治る」とか「絶対これで大丈夫」とかいう宣伝文があったら番組でも書籍でも商品でも寄りつかないことが一番なのではないでしょうか。本当のところを知りたければ医学論文検索が一番だと思います。今ではネットでアブストラクトは無料検索できます(ただ、英文ですが)。さらに上級編では一つの論文を信じてはいけません。医学論文では賛否両論展開されていたりして、どの問題も一筋縄ではいかないということがよくわかると思います。
コメント