個人の感想
「個人の感想です。」という注意書きが小さく書いてあるCMやチラシが最近やけに多くないでしょうか。診察でもチラシを持ってきてこれはどうなのでしょう、と聞かれることも少なくありません。基本的に個人の感想ですと断っているということは、科学的な根拠に乏しいということの裏返しであるのは間違いありません。一方で、完全に効果がないと科学的に証明するのも容易なことではありません。なので、絶対効かないと断言するのは困難なことです。基本的に個人の責任において使用するか判断するしかないのが現状だと思います。
個人的には「個人の感想」を根拠に商品を高額で販売し大きな利益を得ることが好ましいとは思えません。メディアにとっては大切なスポンサー様なので否定的な報道は全くないですが、どこまで許されるべきなのでしょうか。政府としても、恐らく高齢者の資産を市場に回す為の施策として今のところ普及させているような気がします。生活に余裕があれば、特にどうこう言う必要もないことなのかも知れませんが。
信じている方にとっては、否定されるのは心外のようですので強く言うことはしないようにしています。
プラセボ効果というものもあるので、効いているようでしたら副作用などがない限り使用してみてもよいとも思います。
過去にひとつだけ、絶対買わないように患者さんに言った商品がありました。曰く「特殊なシートをもう一つの部品に接触させ前後に動かした後、そのシートを患部に当ててください。」という健康器具でした。
それを毎日続けることにより膝関節痛が軽減するとのことです。そのシートともう一つの部品で数十万円するらしく、これを買ってみてよいかと診察の時に聞かれました。
何のことかわかりますでしょうか。それって小学校のときにやった静電気下敷きじゃないですか。さすがにこの時ばかりは絶対買わないように説明してしまいました。
個人の感想と書いてあったら、使用するかどうかよく考えた方がよいと思います。友人に勧められたという方も多いですが、何でも人に勧めてしまう「友人」というのもどうかと思います。
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