当院に救急車がやってきた
診療所で救急応需をすることはほとんどありません。今朝は救急隊から5カ所の病院に断られたという事例で受け入れ要請がありました。何とか対応することができましたが、診療所では検査などが限られる中で診察所見によって対応しないといけません。一人全科当直をしていた頃を少し思い出しました。
日本の救急は本当に危機的な状況になっています。当地区でも多数の救急依頼をして全く受け入れ先が見つからないことも少なくありません。いったいどうすればよいのか。本当は対策はわかっているのかもしれません。欧米では希望通りに病院を受診できるというシステムになっていないところが多いのが現状です。多かれ少なかれ受診規制が行われているのが普通です。高福祉として知られる北欧でも、病院を受診するには大変な制限があります。日本でも病院は高度疾患、救急疾患に集中するようにしなければ現在の状態は改善されないでしょう。仮にそれを実行すると、病院の外来は閑散とするでしょう。その状況を病院自身が受け入れられるのかということも問題なのかもしれませんが。
もちろん診療所の対応も変わってゆかないといけないものと思っています。医療というものが根本的には公共サービスであるということを、診療所レベルでも実践していけるようにならなければいけないと。震災後全ての分野で自分の根本的なあり方を考えるようになっているのではないでしょうか。なかなか難しいことですが、少しでも理想に近づけるよう頑張りたいと思います。