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2011年5月11日 (水)

新しいビタミンD

 最近、骨粗鬆症治療薬として新しい活性型ビタミンDが処方できるようになりました。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進したりして骨粗鬆症の進行を防止します。従来用いていたビタミンDでは積極的に骨密度を上昇させるのは難しかったのですが、今度登場したビタミンDは臨床試験で骨密度を上昇させる効果が実証されています。
 骨粗鬆症の治療薬としては、カルシウム、ビタミンD,ビタミンK、ビスフォスフォネート、SERMが主に使われています。この中で作用の強いものとしてはビスフォスフォネートとSERMが主でした。ただ、ビスフォスフォネートには頻度は稀ですが顎骨壊死の可能性や長期内服での骨折の可能性などが近年報告され、SERMは女性ホルモン由来のため静脈塞栓の可能性など稀ながら注意して内服する必要がありました。
 活性型ビタミンDの問題としては血中や尿中のカルシウム濃度が上昇しすぎることがあるため、定期的な血液・尿検査が必要です。それでも基本的にビタミンなので使用しやすいのは間違いないと思います。ビスフォスフォネートを数年内服して休薬し、その間しばらく活性型ビタミンDに切り替えるなどといった使用方法が考えられます。
 新薬は最初長期処方が認められないので2週間処方しかできないのが当面は最も大きな問題です。安定した骨粗鬆症の方は長期処方をしている方が多いので、2週間に1回の来院では不便です。なので積極的に処方するのは来年からになりそうです。

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