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2011年7月 1日 (金)

上腕骨顆上骨折

 子供が高い所から転落したり手をついて転倒したときに肘を痛がった場合、肘関節の直上の部分で上腕骨が骨折してしまうことがあります。この部位はかなり痛いので肘を抱えるようにして保護者の方と来院されます。肘の痛みが強い場合は、冷やしながらスカーフやタオルで三角巾のように手を吊って来院されるとよいと思います。
 この部位の骨折では、折れ方によりいろいろな病名がありますが、一番多いのは上腕骨顆上骨折です。関節面とは離れた部位で横方向に骨折し、背側に曲がっていることが多いです。角度やずれが少ない場合は整復してギプス固定にて治療が可能ですが、変位が強い場合には手術が必要になります。手術は私個人的には救急で受診したらすぐに緊急手術をして整復固定をした方が子供にとってベストだと思うのですが、病院の手術体制の限界などでそれは難しい場合も多く、翌日から数日後などに手術となることが多いです。この場合でも術後の治りには問題ありませんので心配しなくてもよいと思います。
 手術は総合病院に依頼しますので、診療所で治療しているのはギプスでの治療が可能な範囲の方です。この骨折の注意点は将来変形を残さないようにずれなどに細心の注意を払うことと、血流や神経障害などの合併症を生じないように注意することです。子供の骨折はある程度の変形が残っても成長とともに正しく修正されます。なので心配しすぎることもないのですが、特に回旋変形がついていたり、角度が強く残っている場合はやはり手術的に固定しないといけません。骨折後徐々にずれが大きくなる場合もあり、最初のうちは頻回のチェックが必要です。
 また、最初からギプスを巻くと圧力が逃げず内圧が上がってしまい、神経や血管が圧迫されて障害を起こすことがあります。これを防ぐために最初は副木で経過を見て、腫脹がピークを超えてからギプスに変更する場合もあります。
 子供が転んだり落ちたりして肘を痛がった場合は、特に初期治療が重要です。すぐに医療機関を受診するようにしてください。

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