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2012年2月29日 (水)

子供はコタツで丸くなる?

 今日は2月末なのに雪がよく積もりましたね。小学校の時に、先生が授業を中止して校庭で遊ばせてくれたことを思い出します。今日も子供たちはさぞや楽しかったことだろうと思っていました。
 驚愕的事実として、今時の小学校では雪が降ると校庭で遊んではいけなくなるのだそうです。雪で滑って怪我をするといけないからでしょうか。雪の中で遊んで風邪でもひくといけないからでしょうか。
 まるで無菌室での培養か室内でのもやし栽培のような過保護ぶりですね。町田でこれほど雪が積もってくれることはめったにないのですから、授業のひとつも中止して思いっきり遊んだ方が一生の思い出になると思うのですが。それくらいで勉強が遅れたりはしないでしょう。今の子供たちはどちらかというと勉強しすぎな気がします。子供が本当に集中できる時間なんて1日のうちのわずかなものです。遊ぶときは遊ぶ。学校にそういう余裕のない現状は悲しい限りです。

湿疹の治療の第一選択はステロイド軟膏外用

基本的にかぶれやアトピー、乾燥などのいろいろな原因でおこるかゆくて赤い発疹(かさかさしている発疹)は湿疹といい、治療はステロイドの外用が第一選択です。

非常に軽微な湿疹であれば、かかないで、保湿剤などをぬるなどすればよくなることもあります。ここで大事なことはかかないことです。

もし、掻いてしまうことが続いたり、長引いたり、ごしごし洗ったりしている場合はステロイド外用の必要があることが多いのです。

しかも、しっかり治るまで塗る必要があります。

その塗り方や外用の止めどきの見極めは割と難しく、しっかりとした指導が必要なのです。

塗り方がわかっている方はステロイドを市販薬で買ってぬるのもいいのですが、わかっていない場合は結構危ないのです。

ステロイドはしっかりと指導されて使うものなので、適当にぬればいいものではないのです。

ステロイドは怖いという方がいらっしゃいますが、やはりマンパワーの問題もあり(以前は皮膚科医の絶対数が少なかった)指導がおろそかだったのかもしれません。そのためにステロイドで治らないとか、皮膚が黒くなるとか、止められなくなるなどと言う間違った考えがひろまってしまったのでしょう。

これまで何十年もステロイドが第一選択であるのは塗り方さえ間違わなければ非常に有効で治癒に導ける一番早い方法だからです。

ちなみに非ステロイド剤の外用はかぶれの問題もあり、できれば使わない方がよいでしょう。

2012年2月28日 (火)

水虫は治る病気

一カ所の足指の間に皮むけが初めてできたなど、水虫の初感染と思われる方は比較的簡単になおります。市販薬でも広めに十分に1ヶ月以上ぬればなおるでしょう。

やっかいなのは、毎年同じ場所にまたできたという方です。この場合は水虫に“再感染”したのではなく、ずっと“感染している”のです。

その場合、よく見るとたこのように硬い皮膚が近くにあり、落屑を伴っていたり、踵の皮膚が硬く、足全体ががさがさしていたり、水虫のよくでる指の爪が厚かったり、白く濁っていたりします。このようなところに水虫菌はひそんでいます。上から薬をぬっても奥が深く届きにくいのです。

夏になって暑くなり足がむれてくると、この爪や角質の厚いところに潜んでいた水虫菌が周囲の皮膚に広がり、水ぶくれやじゅくじゅく、皮向けをおこすのです。

そのため、毎年繰り返す方はどこまで水虫が広がっているかを把握し、その範囲で広く水虫薬を塗る必要があります。また、十分な期間(3ヶ月以上)は塗る必要があります。

厚い皮膚があったり、爪にある場合は場合によっては内服の必要があります。

しかし、しっかり治すと二度どでてこない可能性が高いです。

今回初めてなったという方をのぞいては、水虫を完全に治したいと思われる方は皮膚科に受診なさった方が早いかもしれません。

水虫は死ぬ病気ではありませんので、悪くしないようにコントロールする手もありますが・・・

市販薬をぬって悪くなる場合は元々水虫でないか、水虫薬にかぶれているか、二次的に細菌感染を起こしているかなので、はやめに自己治療を中止し、受診してください。

2012年2月27日 (月)

胸痛

 胸が痛いということで整形外科を受診される方も時々いらっしゃいます。胸痛ですとまず、外傷性かそうではないかを考えます。ぶつけたりしていて明らかに外傷性の場合は肋骨骨折などを考えます。高齢者の方ですと胸椎の骨折も少なくありません。外傷性でない場合、考え方としては心臓などの病気ではないかが最優先されます。狭心症、大動脈瘤解離など緊急性の高い疾患ではないかどうか。次に胃潰瘍など消化器疾患、気胸や胸膜炎などの呼吸器疾患も考えます。帯状ほう疹の皮疹が出る前の時点であることも少なくありません。女性の場合乳腺炎や乳がんなどの可能性も否定できません。
 胸痛の場合は、以前から運動すると胸が苦しくなかったかとか息切れが最近ひどくないかとか、食欲がないとか胃の具合がよくないとか体重が急に減ってきたとか、咳が長いこと止まらないとか、痛みの他に症状がないかどうかも重要な情報です。
 それら他科的な疾患の可能性が低い場合は胸椎など脊椎疾患も考える必要があります。背骨に疾患があるのに背中の痛みは訴えず、胸部への放散痛のみの場合もあります。この場合肋骨や脊椎の腫瘍も含めて検討が必要です。
 胸痛の場合、可能性のある疾患が多いのでどこまで検査するか、悩ましい場合が少なくありません。総合病院でなら胸椎、胸部レントゲンから採血、心電図や胸部CT、胸椎MRIといった具合に一式検査されることになるかもしれません。
 整形外科では診察で検査範囲を最小限にするように努力していますが、診察により採血をしたり心電図を行ったりする場合もあります。検査が多いと思われる方もいるかもしれませんが、診断が遅れるよりは早めに検査した方がよいものと思われる場合は積極的に検査をお勧めさせていただきたいと思います。さらに内科も併診するなど胸痛はやはり慎重に経過を診るべき症状です。

2012年2月25日 (土)

ちいさなとげがささったとき

ちいさなとげがささったとき皆さんはどうされますか。
毛抜きで取ろうとする方が多いのではないでしょうか。
でも、毛抜きはうまくとれることもありますが、失敗する確率が意外に高いような気がします。
診療所では針で表皮をそぐようにしてとります。
おうちでも、針で薄い皮ごと取ったほうがとれるのではないでしょうか。
毛抜きで トライすると、かえって表面のとげだけ取れて奥がのこったり、押し込まれたりすることが多いような気がします。清潔な針でとってみましょう。
もちろん、目が悪かったり、自信のない方、深く刺さった方は受診されたほうが早いかもしれません。とげはまずは皮膚科へ受診してください。

2012年2月22日 (水)

肋骨骨折

 最近、気のせいか肋骨骨折の方が多いように思います。肋骨骨折は若い男性ですとスポーツで相手の膝が入ったとか肘を曲げたまま転倒して自分の肘が入ったということが多いです。中高年になると、転倒して受傷ということが少なくありません(酔って転倒という方も多いです。注意しましょう)。高齢の方では、お風呂掃除をしていて浴槽に胸をぶつけたということが多いと思います。
 年齢とともに受傷部への衝撃が小さくて起こっていることがよくわかると思います。骨の強度の問題が一番大きいのかもしれません。例外的には、若い女性では咳で折れる人が多いです。ダイエットなどの影響で若い女性の骨は意外と弱いことがあるのかもしれません。出産後一過性骨粗鬆症などもありますので注意が必要です。
 肋骨骨折は基本的には骨が癒合するのを待つしかありません。胸部バンドで固定すると楽という方が多く、合わせていただいて調子がよければ固定するようにしていますが必ず固定しないといけないということもないと思います。重たい物を持ったりすると肋骨部に力がかかるので疼痛が増悪します。痛みを指標にしてなるべく痛まない範囲で活動するよう工夫していただけますと幸いです。
 また、意外と多発で骨折していることがあります。3〜4カ所骨折していることも稀ではありません。そうすると、胸郭内部へ出血して血胸という状態になったりして息が浅くなったり呼吸苦など呼吸障害を生じる可能性もあります。また、貧血を生じることもあります。骨折部の疼痛のためだけでも息が浅くなることもありますので呼吸状態には注意が必要です。
 
 

2012年2月21日 (火)

にきびのケアで大切なことは

ニキビで受診される方が結構いらっしゃいますが、いつも口を酸っぱくしていっていることは“触らないこと”です。

ニキビはすごく気になります。頬杖をついてニキビの部分を隠したり、ふくらんでいるところがどうなっているか触って確認したり。果ては押し出してみたり・・・

ニキビの内容物はいくら押しても絶対出てきません。むしろ炎症をひどくします。

フルフェイスのヘルメットをかぶった方でヘルメットの当たる部分にビチッとニキビができたりします。また、髪の毛の当たる部分や、インフルエンザ予防や花粉症などでマスクをし、そのヒモやマスクの当たる部分にも・・・・

さわることはよくないとわかったとしても、無意識でさわっていることも多いのです。

触らなければ、普通のニキビなら跡までのこることはほとんどありません。

“触らない”

簡単ですが、意外と難しいニキビのケアなのです。

これに関連して、ニキビで、洗顔を念入りにすることもNGです。朝は水でさっと洗って、夜は化粧をしている方はオイルフリーのクレンジング、肌に優しい洗顔料でさっと洗ってください。(化粧をしない場合はお湯だけで洗ってもよい)。

薬を塗る場合も注意が必要です。治ってほしいニキビにすり込んではいけません。触ってはいけないのですから、さっと塗ってください。

なるべくニキビに対して頑張って治そうとせず、ささっと何でもやってください。

2012年2月20日 (月)

化粧品で一番大切なこと

ちまたには無数の化粧品があります。

化粧品を選ぶ際に一番大切なことは、安全であることだと思います。

女の方は成人してからずっと化粧行動が続きます。ずっと使っていく際にかぶれやすいものが入っていると、いつかかぶれる可能性が高くなります。50-70歳代の女性で、化粧品はかぶれるからなにもつけないという方は少なくありません。

また、つけては落としを繰り返すため、顔の皮膚のバリヤー機能が失われやすく、なおさらかぶれやすく、トラブルが多くなります。

この時期スギ花粉症がある方で顔が赤くなったり、かゆくなったりしやすいのは比較的女性が多いような気がします。やはり、化粧をするため、クレンジング、洗顔料を使い、バリヤ-機能が悪くなっているためではないでしょうか。

朝はなるべく水だけで洗い、昼間は必要最小限の安全な化粧、夜もオイルフリーの皮膚に優しいクレンジングに保湿成分を洗い流さない洗顔料を使うことが大切です。

ちなみに子供の皮膚は未熟なので、化粧は必要ないどころか害です。成人よりもかぶれる可能性が高くなります。成人以降、しょうがなく化粧するのでいいのではないでしょうか。

ただし、皮膚科では紫外線の予防は必要だと考えられています。皮膚の老化、さらには老人になって皮膚がんの頻度があがることが知られています。

紫外線吸収剤の入っていない安全な日焼け止めクリームを使用しましょう。子供用と書いてあるものはたいてい紫外線吸収剤ははいっていません。ただし中にはウォータープルーフになっておらず、塗ったことで安心して防御(帽子その他)を怠ると、かえって日焼けする場合がありますのでご注意を。こまめにぬりなおすか、現実的にはウォータープルーフであるものを選ぶことがよりよいのかもしれません。

2012年2月19日 (日)

足指の間をごしごしあらうとかえって水虫になる?

水虫にならないように足を洗いましょうとはいいますが、決してごしごし洗ってはいけません。
かえって傷をつけて、そこから白癬菌(みずむしの菌)が入りやすくなるとの説があります。
石鹸つけて、タオルなどでごしごしすると、皮膚のバリヤーが壊れ、逆に入りやすくなるとのことです。
しかし、白癬菌は足についたときに半日以上ほうっておくと菌が入りやすくなるといわれています。大勢の人がはだしになる銭湯、温泉、フィットネスクラブなどの足ふきマットには必ずといっていいほどいます。いくらこまめに洗っても、水虫の人は大勢います。とてもおいつきません。
そのため、白癬菌がいそうなところを踏んだときには半日以内に足をあらうようすすめています。そのときはシャワーでさっと洗い流すといいでしょう。ごしごし洗い過ぎないようにしてください。
ちなみに、水虫の方でごしごし洗いすぎるのもよくありません。かえって炎症がおきて、ジュクジュクし、二次的に細菌感染をおこして足が腫れる方もけっこういらっしゃいます。
過ぎたるは及ばざるがごとし・・・ですね。

2012年2月13日 (月)

健康サンダル皮膚炎

健康サンダル皮膚炎という言葉を聞いたことはありますか。

一時期はやったぼつぼつのある(ツボを刺激する?)健康サンダルです。

実は、皮膚科ではいわゆる上記のような病態があることがわかっています。足底に硬いものが当たっていると、角質が厚くなって角化がひどくなるのです。

踵が硬くなり、ひび割れて痛くなるのです。たこもできます。

足が痛くなると、かばって膝が痛くなり、腰も痛くなることがあります。

やはり適度なクッションのある、足にあった靴やサンダルを履くべきだと思います。

2012年2月11日 (土)

往診

今年に入ってから、毎日のように昼休みに往診に行っている気がします。整形外科的には脊椎の圧迫骨折など、皮膚科では褥創などが多いのですが、発熱や急病で依頼されることもあります。三丁目の夕日の先生のようにゆとりを持って往診できるようになるとよいのですが、外傷の処置や検査など診療所でないとできないことも多く、外来と往診をうまく組み合わせられると良いなと思っています。


2012年2月10日 (金)

いつもここがかゆくなる原因。

アトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹など、皮膚の弱い方がいつもかゆくなる部位があります。

肘、膝の裏、手首、頸、脇、腹部もよくあります。

なぜでしょうか。

こすれるところだからです。衣服を着ていてこすれやすいところにできます。

首の後ろなどは洋服のタグだったりします。手首は服のリブ部分。首の前側に左右対称性にあるときは、髪の毛の先がちょうどあたっていたり・・。脇は肌着の縫い目だったり。

背部の中心部だったりするとブラのホックの部分で、皮疹がひどい場合や色素沈着がひどい場合は金属アレルギーが関与していることもあります。

そういうわけで、皮膚の弱い方にはまず、こすれにくい柔らかい綿の肌着を裏返しにきてもらうようにしてもらっています。また、洋服のタグはとってもらいます。脇がきつい服はやめてもらいます。ブラはスポーツタイプのものか、綿の肌着のうえからつけてもらったりします。

股や陰部がかゆいかたも多いのですが、ぴっちりしたジーパンはだめです。こすれるからかゆくなるのです。

男性なら余裕のあるやわらかいズボンを、女性ならロングスカートをすすめます。

早く治す方法はステロイド外用なのですが、上記のことが原因になっている場合はなるべく避けるようにしないと、なかなかよくなりません。

まずは肌着は綿で裏返しに着る。それだけでも結構かゆくなくすごせるかもしれません。

2012年2月 8日 (水)

中高校生の腰痛

 現在、高校の学校医を仰せつかっていてたまに整形外科領域の健康相談に行っています。スポーツ科の生徒では腰痛が最も頻度が高いように思います。
 もう数ヶ月腰痛が治らないという具合で相談を受けることが多いのですが、成長期である中学、高校生で数ヶ月も腰痛を放置しておくのはもう手遅れの感があります。成長期の腰痛で最も心配なのは分離症ではないかどうかです。腰椎分離症は腰椎の一部の疲労骨折であることがわかってきています。そのままスポーツを続けて分離が進行してしまうと、大人になってからも腰痛の原因となります。さらに悪化すると分離すべり症となり固定術や神経の除圧術など手術を要することもあります。
 分離症の進展を防ぐためには発症早期にしっかり診断をし、しっかりした休養を取らせることが最も大事です。本人は無理しても競技したいのは子供故に仕方がないと思いますが、指導者や民間療法の方がきちんと勉強して休養を取らせないのは現代社会にあってはほとんど犯罪的なのではないかとさえ思います。
 発症早期ですとレントゲンを撮っても分離症を診断できないことがあります。圧痛部位や所見から分離症の可能性が否定できないときには休養をとること、場合によりMRI検査をしたりコルセットを装用したりすると安全です。早期介入することにより、ほとんどの場合腰痛は治まります。
 無理して競技を続けて数ヶ月以上パフォーマンスが上がらない上に大学以降のスポーツをあきらめるか、早期に運動を我慢してしっかり腰痛を治してまた活躍するか。周囲の大人がしっかり指導してあげることが最も大切であるものと思います。

2012年2月 6日 (月)

足裏、かかとのひびわれ

この季節はかかとのがさがさがひどくなり、亀裂がおきて大変痛いことがあります。
このようなときは尿素入りの軟膏やサリチル酸ワセリン(これは受診しないとわたせませんが)をお風呂上りの皮膚がしっとりしているときにすぐにぬるといいのですが・・・。
しかし、このがさがさは別の病気がかくれていることがあります。
水虫です。
爪が白濁していたり、厚くなっている場合はかなりの確立で水虫である可能性があります。
角化型足白癬という、難治なタイプの水虫です。
実は、角化型足白癬はかゆくなく、本人としてはがさがさだけの症状で気にしていないことはよくあります。ひび割れで受診して初めて私が指摘すると驚かれる方も少なくありません。
爪白癬もある場合は内服でなおすことをお勧めしています。
角化型足白癬は外用で治そうとすると、大変時間がかかります。なぜなら皮膚の角化した部分が厚く、外からぬってもなかなか届かないからです。
爪白癬で内服でなおすと、一緒に角化した足底や踵もよくなり、冬にひびわれなくなったと喜ばれる方も結構いらっしゃいます。
一度自分の足をじっくりながめてはどうでしょうか。

2012年2月 5日 (日)

水いぼ

子供の体に12ミリ大の白いぴかぴかしたできものができることがあります。いたくもかゆくもありません。スイミングスクールに通っている子供が多いかもしれませんが、そうともかぎりません。

また、その周囲がかゆくなって湿疹のようになることもあります。

しばらく様子を見てもよくならないか、増えてきているときはそれは水いぼかもしれません。

水いぼは自然によくなる病気ですが、2年間ぐらいなおらないことも多々あります。

放っておいてもいいのですが、それなりの覚悟も必要です。

見ている間にものすごく増えて顔にもできて我慢できなくなる、周りに湿疹が出てきてかゆくなり困る、時には化膿してとびひになったり・・・意外と面倒なことが起きます。

ではどうするか。

皮膚科的にはペンレステープという局所麻酔テープを貼って摘除するという方法があります。基本的に痛くありません。

この場合は事前にテープを渡して貼ってきてもらい摘除しますが、やはり1030個ぐらいが限度でしょう。

私は1030個ぐらいならとることをおすすめしています。

非常に少なくて、しかもしばらくたっても増える様子がない場合は様子をみてもらい、増えるようならとるか、とらないか自身で決めてもらいます。(放置する場合は上記のようなことが起こることを説明しておきます)

30個以上なら・・・なくなるまで様子をみるか、漢方薬を勧めてみたりします。

非常に水いぼが増える場合はベースに湿疹や乾燥肌があることが多く、保湿を心がけてもらいます。ステロイドなどの抗炎症薬は水いぼを増やしてしまうので、なるべく水いぼの周囲には塗らないようにしてもらいます。

水いぼは結構悩ましい病気ですね。

2012年2月 4日 (土)

坐骨結節部滑液包炎

 やはり前回のためしてガッテンの影響は大きく、何人かの方に股関節レントゲンを行ってみてほしいと言われました。腰痛や大腿痛などで通院している方ではすでに股関節もチェックしている場合が多く、軽度の変形性股関節症にはなっている方が少なくありません。ただ股関節が疼痛の主因という方はその中の一部で、番組での話のように腰痛や膝関節痛の主因が股関節ということは多いことではありません。
 今回は坐骨部の疼痛についてです。坐骨は座った時に椅子に当たる部分です。殿部痛があり、座ると痛いという場合に坐骨部の疾患を考える必要があります。殿部は筋肉や皮下脂肪が厚いので外に所見が現れにくく、また直接診察するには下着も下ろしてもらう必要があるので診察を頼みにくい面があります。ただ、押して痛いとか片方の殿部を浮かして座っているという場合にはしっかり診察をすることをお勧めします。
 肘頭や膝蓋骨周囲と並んで、坐骨の上にも滑液包というものがあります。クッションのように衝撃を和らげるのと滑動性を向上する役目をしているのだと思いますが、これが炎症を起こして水腫となることがあります。肘頭や膝だと外から見て腫れているのがすぐわかるのですが、坐骨部はわかりにくいものです。
 昔はMRIなどの検査をして確認していたのですが、最近は超音波で見れば水腫の有無がわかります。
感染性の疑いなどがあるときは採血等も考慮し、水腫を注射器で抜いて調べる場合もあります。通常の滑液包炎では多くの場合炎症止めの内服などで軽快し、肘頭や膝蓋骨周囲より治りやすい印象があります。

2012年2月 3日 (金)

粉瘤

体にニキビの親玉のような皮下腫瘤ができることがあります。その腫瘤は丸くて、よくみると中心に黒いところがあったりします。青くみえることもあります。

だいたい気づくのは1センチ以下の時で、放っておくと徐々に大きくなっていきます。

これは粉瘤、正式には表皮嚢腫といい、皮膚の構造を持つ袋で、なかに皮脂と垢が詰まっている腫瘤です。

痛くもかゆくもないので、小さいうちは放っておくことが多いのですが・・実は化膿しやすい腫瘤でもあります。

いままでおとなしかったこのできものが、急に赤く腫れて、痛み出します。場合によっては中心が自壊して膿が多量にでてくることも・・・

膿がでればいいのですが、膿のできる場所が深くて自壊しないと非常に痛いし、赤みや腫れも非常に大きくなることもあります。

その時点で医院に来院されると、切開して膿を出した方が楽です。

粉瘤は基本的に徐々に大きくなるか、化膿して腫れるか2つに1つです。化膿しないうちに切除してとる方が楽なことが多いです・・・。

2012年2月 2日 (木)

あたまじらみ

最近ちらほらいらっしゃいます。
戦後からずっと繰り返し流行っては下火になってを繰り返していたのでしょうね。
私が皮膚科医になってからずっと同じようにいらっしゃいます。
やはり根絶が難しいのは集団で駆除できないことからくるのでしょう。
しらみは人の髪の毛について、卵をうみ、吸血して生きていくものです。人の髪の毛から離れると、成虫は3日間、卵は10日間のみ生きられるようです。つまり、人に寄生していないと生きられないということです。
頭をくっつけて遊ぶ子供同士で拡大し、兄弟間でひろがり、また別の集団にひろがる・・その繰り返しなのです。
不潔だからうつるというわけではありません。
もし見つけたらちゃんと診断し治療すればいいのですが、大事なのは周囲へ注意喚起することです。必ず周囲にしらみをもっている子がいるので、全員で直さないとまたうつされる危険性が大いにあります。
とはいっても、周囲になんと思われるかと気にしてためらう方も大勢いらっしゃいます。
せめて、幼稚園、保育園、学校に知らせてほけんだよりなどで注意喚起してもらいましょう。
当たり前にある疾患で、不潔にしていなくてもうつるときはうつるということを今一度ほけんだよりで知らせてもらいたいと思いました。
治療はスミスリンシャンプーなのですが、書いてあるとおりにしていただければ、まず治ります。治療をはじめると感染性はなくなるため、登校もプールも制限する必要はありません。たいしたことはないのです。
気軽に周囲に注意喚起できる病気になればいいと思っています。
ちなみに卵はふけの一種のヘアーキャストと間違えられることがあるため、指でとれるかどうか確かめてください。とれればへアーキャストの可能性があります。

2012年2月 1日 (水)

変形性股関節症

 今日のためしてガッテンは腰痛や膝痛の隠れた原因といったテーマなので何を言うのかと思って見てみましたが、股関節疾患の話でした。
 腰痛や膝痛で整形外科を何軒か受診したがわからず結局股関節疾患だったとの話もありましたが、それはあまりに極端な例で誇張しすぎだと思います。腰痛や膝関節への疼痛で股関節もチェックするのは整形外科専門医ならみんな考えることなのでそれほど見逃されることはないと思います。稀に急速破壊型の関節症があり、この場合最初はレントゲンでも大きな問題がなく数ヵ月後には関節破壊が進んでしまうので早期にMRIを行うなどの対策が必要です。
 腰や膝が痛くて受診したときに患者さんから股関節のレントゲンを撮ってもらうように言った方がよいとのことでしたので、明日から股関節のレントゲンを希望する方が増えるのかもしれません。しかし股関節のレントゲンは生殖器領域まで放射線を当てる検査でもあるわけで、股関節自体に所見がないのに撮るのは慎重に判断した方がよいと思います。
 やはりテレビでは表現がオーバーになりすぎるのは大きな問題だと思います。末期関節症でも手術は嫌という患者さんは少なくありませんが、貧乏ゆすりで軟骨ができるとのことでした。これもちょっと言い過ぎのように思いますが、荷重をかけずに関節を動かす運動というのはよいことだと思います。手術のリカバリーが困難になるほど関節破壊が進むまで耐えるのは避けた方がよいですが、基本が運動療法であるのは間違っていないと思います。

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