根治的
根治的な治療とは根本的にしっかり治す方法のことを言います。例えば腰部脊柱間狭窄症では、腰の部分で神経の通り道が狭いのが原因なので、手術をして神経の通路を広げる方法が根治的な治療となります。他の方法では、狭い所を通る神経は歩行などによって虚血状態となってしまうので、血流をよくする薬を内服すると症状が改善したりします。このような場合は神経の圧迫は解除されない訳で根治的な治療とはいきません。
医学的には根治的な治療を目指すのが基本ですが、全身的な問題や手術での合併症の問題などもあり重症度をみて患者さんとも相談しながら治療法を決定していくこととなります。
最近、初めから手術は怖いから絶対嫌とのことで根治的な方法は希望されず、その代わりに介護サービスや身体障害者手帳を希望される高齢な方が増えている気がします。これにはいろいろな意見があるものと思います。腰椎の手術や人工関節の手術をすればほとんどの場合でまたスポーツも可能な程に改善するのに、根治的な方法を避けて介護を受けることを甘受するのはどれくらいまで許されるのでしょうか。自立できる方法があるなら勇気をもってなるべく自立しているべきなのではないかと思うこともあります。
介護保険の審査会に出席しても、介護関係の方には根治的な方法をなるべく勧めるという意識が薄い気がします。それは歩くのも困難だった方が手術によってスムーズに歩いて日常生活にも困らなくなったというような根治的な治療現場の経験が少ないからかもしれません。
もちろん全ての人に根治的な治療法が適している訳でもありません。しかし、やはり自分の身の回りのことを公費でしてもらうという制度を利用するのは本来最終手段であるべきなのではないかと。
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