crowned dens syndrome
急な首の痛みで首が回らないということで来院される方も少なくありません。大抵の方が、「寝違えたかも。」とおっしゃいます。首が傾いたままで動かせないことを斜頚と言いますが、大人でも斜頚のまま来院されたり、あごや首を手で支えて来院されることもあります。
このような状態のひとつにcrowned dens syndromeという病気があります。densというのは2番目の頚椎である軸椎にある歯突起を指しているのですが、この周囲に石灰が沈着して冠をかぶったように見えるからこう呼ばれているのではないかと思います。つまり、第1、第2頚椎の間の環軸関節周囲の石灰沈着症のことで、痛風のように痛むことがあります。
単純レントゲンでは石灰がよく見えないことが少なくありません。頚椎と喉咽頭の間が腫れて広がっていることから推察することもあります。精密検査としてはCTを行うと石灰がよく映ります。ただ、症状とレントゲンからこの疾患と思われる場合は、消炎鎮痛剤がよく効くことが多いです。内服すると数日以内に疼痛が軽快します。通常の消炎鎮痛剤で効果が弱い場合はステロイドを投与することもあります。
頚椎と喉咽頭の間が腫れている場合、感染性疾患などを鑑別診断する必要がありますが、全身状態や発熱などにて判断が可能であることがほとんどですが、血液検査などの検査が必要な場合もあります。関節リウマチの方ですと、第1、第2頚椎間に関節破壊や脱臼を生じていることもあります。
首が回らないからといって最初から整体術をするのは適していないこともありますので注意が必要です。
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