アキレス腱周囲炎
足首の後ろ側が痛くなって来院された場合、アキレス腱断裂などの外傷以外では炎症性の疾患であることが多いです。誘引なく疼痛を生じている場合、腫れ具合や発赤の具合、圧痛の場所などを確認します。
炎症を起こす部位としては、アキレス腱の踵骨への付着部や腱周囲、皮下の腫脹なども有り得ます。原因としては痛風、石灰沈着性の炎症性疾患などが多いです。痛風は関節のみに来ると思っている方が少なくないのですが、腱周囲に炎症を起こす方も結構います。関節リウマチなどの膠原病や、仙腸関節炎などに伴う腱付着部炎などもあります。
基本的には消炎鎮痛剤の内服で改善することがほとんどです。炎症性の疾患の発作時に消炎鎮痛剤を処方しても、何故か胃が痛くなる方はほとんどいません。絶対的に必要な場合では胃へのストレスが少ないのでしょうか。疼痛や炎症が激しい方にはステロイドの注射をすることもあります。所見により炎症反応や尿酸値、リウマチ反応などを採血して確認することもあります。
仙腸関節炎などに伴う腱付着部炎の場合が最も治りにくいような印象があります。経過によっては全身検索や長期内服などが必要となる場合もあります。