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2012年7月22日 (日)

知るべき病気と知らざるべき病気

 最近はいろいろな病気についてのコマーシャルが流れています。「こういう症状があったらこの病気かもしれません。病院に行きましょう。」という種類のコマーシャルです。
 病気には検査値や特定の所見で診断が確定できるものと、検査などではわからず症状や診察所見で診断するものとがあります。前者には高血圧や糖尿病など検査で基準を満たせば診断確定となるものが含まれます。後者には例えば精神疾患のように、検査値というより症状や所見から医師の専門的な経験も含め診断するものが含まれます。
 検査値が決定的な要素にならない病気では、患者さんの愁訴や症状が最も大事な診断基準になります。逆に言うと、患者さんがコマーシャルやネットでその病気に特徴的な症状や愁訴をあらかじめ知ってしまうと本来の症状が修飾されてしまいます。整形外科的にどの病気がそれに当たるかは、ここには書かないようにしますが最近その種類の疾患についてのパンフレットが新聞折込で配られたようでその病気ではないかという方が何人か来院されました。
 そういう病気を心配されて来院される患者さんは、「私はこういう症状がありこことここがこうだからこの病気に違いない。」というふうに来院されます。大抵はその疾患ではないのですが、先入観や予備知識があると否定するのも難しくなります。診察する側からするとなるべく先入観を持たずに来院していただいた方がよいように思います。
 コマーシャルというのは一般的な商売では顧客を増やすために行われるものですが、病気についてどこまでそれが行われるべきものなのか。適切な情報提供というのは難しいものです。

2012年7月21日 (土)

日焼け!について

暑い季節になり、海にプールに肌を露出する機会が増えてきました。
いつも日に焼いていないのに、急に日焼けするとどうなるでしょうか。
やけどです。真っ赤に腫れ上がり、水ぶくれができ、夜も寝られないくらい痛くなります。
二日酔いと同じで本人は非常に痛いのに同情もされにくい、つらい状態になります。
ひどい日焼けはやけどと同じなので、寝られないほどひどい場合は病院にくると楽になります。
炎症をおさえる飲み薬、塗り薬で数日でよくなります。
が、その後べろべろと皮がむけること、遠くない将来、シミになることは避けられません。80,90歳以上になったら、何回も日焼けしている場合は皮膚がんの可能性も・・・
やはり、普段焼いていない(黒くなっていない)場所に日が当たる場合は日焼け止めクリームをぬるか、ラッシュガートを着る、Tシャツを着るなど、日光からの防御を忘れずに。
日焼け止めクリームはウォータープルーフでかつ、こまめに塗り直しが必要です。
最近、このような患者さんは少なくなりましたが、若い男性などでまだまだちらほらいらっしゃいます。
ご注意を!!

2012年7月19日 (木)

ジョッキの季節?

 今日1日で痛風発作の方が4人も来院されました。梅雨が明けて急に暑くなりましたが、もしかしてビールや焼酎をジョッキでグビグビ飲んでいないでしょうか?これだけ暑いと屋上のビアガーデンでも行ってみたいものですが、尿酸値が高い方は気をつけた方がよいかもしれません。
 お酒を飲まない方でも体質的に尿酸値が上がってしまう方もいて仕方のない面もあるのですが、休肝日もなく飲酒されている方の発作はなんとか生活を改善していただきたいものです。場合によってはアルコール依存の治療が必要な方もいて、単なるお酒好きかどうか慎重に診断しないといけないこともあります。
 尿酸を下げる薬は飲み始めたらずっと飲まないといけないから嫌という方もよくいますが、しばらく内服して安定してきたら徐々に減らすか終了していただくようにしています。安定している間に減量したり飲酒を減らしたりできるとそのまま薬を飲まないでも大丈夫な方もいます。内服も安定していれば3ヶ月処方するようにしていますのでご相談ください。
 

2012年7月17日 (火)

あせも

暑くなってきました。
今日多かった疾患はずばりあせもです。
子供の病気と思われがちですが、老若男女だれでもなります。
特に多いのが、女性のあせも。年配の女性は特に上半身に汗をかきやすくなっており首、あごのあたりにあせもができる方が大勢いらっしゃいます。
こまめに汗を拭く。単純ですが、大切です。
ぬれたタオルで拭くのがいいでしょう。
できればシャワーを浴びる・・でもいいのですが、この際、石けんを使わないように。
皮膚の保湿成分も洗い流してバリヤーを壊すため、その後の汗でまたかゆくなります。
水道水で流す。これが一番です。
まっかっかでかゆくてしょうがないときは我慢せず皮膚科へ。かゆみが続くときは内服や塗り薬で楽にすごせます。
ひどくしてから来院されると治りがやっぱり悪くなります。

2012年7月13日 (金)

特保は考えが不健康

たくさん食べる君が好き…。食べるだけ食べて特保飲料を飲む。つまり人間を限りなく高燃費にすることを推奨したいのでしょうか。エネルギーを摂取するだけ摂取して、なるべく浪費しましょうという考え方には同意できません。
ニューヨーク市がカロリー摂取抑制のために高カロリー清涼飲料の販売を制限できないか検討しています。デンマークでは脂肪税が導入されています。如何にカロリー摂取を控えるか。それが問題です。
良いか悪いかなどどうでもよく、省庁にとって資格ビジネスというのは美味しいのだろうなと思ってしまいます。

2012年7月12日 (木)

主婦湿疹は治りにくい!

手荒れで来院する方は大勢いらっしゃいます。
始まりはほんのささいなことが多いのですが・・・
たとえば、手にケガをしてバンソーコをし、そのままの手で茶碗洗いをしたり、この時期に多い汗の湿疹(手に水疱ができる)であったり、赤ちゃんが生まれて洗いものや、手洗いが多くなったりなどなど。
最初は一カ所だったのに徐々に広がってきておかしいと思い受診されるようです。
皮膚は表面からの刺激から体内をまもり、体内の水分をにがさないというバリヤー機能が重要な役割です。
しかし、一度破綻してしまうとそこから炎症が起き、かゆくなり、掻いてその周囲のバリヤーを壊し、さらにひろがる・・・という悪循環をおこします。とくに手。よくさわるところですね。挙げ句の果てに洗浄料を触る機会が多すぎます。
以前にも掻きましたが、洗濯洗剤、食器洗剤はいうに及ばず、シャンプー、石けん(特に殺菌用の)は皮膚の角層の保湿成分をとり、バリヤーを壊します。
ほんの小さなバリヤーの破綻でも広がっていく可能性は常にあるのです。
手をケガしたとき、湿疹が一部にあるときは一度だって洗剤はさわってはいけないのです。
正常な部分は極端にいうとなにしてもいいのですが・・・
とくに洗い物が多い主婦には厳しい現実です。
せめて洗い物は必ずゴム手袋。シャンプーはしないか、極力低刺激性に。加えて石けんで手をあらうのは必要最低限にといっています。

2012年7月11日 (水)

放散痛

 痛みの原因があるところが必ず痛いと話が早いのですが、実際は原因部位と痛む部位が違うことはよくあります。
 この場合、神経が圧迫されたりしてその神経の支配領域に疼痛を感じる神経痛と、神経支配ではやや説明がつかない放散痛とがあります。神経痛の場合、解剖学的にどの神経が障害されているかを考えてそれに対応した治療を行います。一方放散痛の場合は、経験的にどこから疼痛を生じているかを考えるしかありません。
 小児で明らかな外傷などの原因がなく膝が痛いと言ったら、股関節からの放散痛をまず考えます。上腕外側が痛い場合は肩関節に原因がないかどうかをまず考えます。脊椎の圧迫骨折でも、骨折部位よりだいぶ下の方が痛くなることが多いです。
 腰痛や下肢痛の場合はやはり腰椎からの疼痛をまず考えるのですが、股関節に原因があるのに股関節の疼痛は訴えず、腰痛や坐骨神経痛とそっくりな下肢痛を生じることがあります。これには我々整形外科医もかなり悩みます。最近は変形性関節症の前段階というか、若い年齢層の股関節疾患でもある股関節のインピンジメント症候群が注目されていることもあり、股関節疾患もしっかり診断しないといけません。
 ポイントはあぐらをかけるかどうか、股関節を回旋できるかどうかかなと思います。荷重してもあまり股関節が痛まなくても、可動域が減ってくることがあります。診察のときに極力チェックするようにしていますが、股関節が動かしづらくなっていないかどうか注意してみるとよいと思います。

2012年7月 9日 (月)

とびひはやってきました。

かゆいところ(もともとの湿疹部分や虫さされ)をかきむしったりしたあと、じゅくじゅくしてきたり、その周辺に赤い点々がでてきたり。はたまた擦り傷がなおりにくく、浸出液がでつづけ、まわりに点々がでてきたりしたら・・とびひを疑いましょう。
とびひを疑ったら、ステロイド系(しっしんの薬とかかれてあるもので、市販薬でも結構あります)の薬とぬるとよくなるどころが、広がります。
また、湯船やプールなどのたまっている水に入ると悪くなります。
とびひとうたがったら、シャワー洗浄のみにし、なるべくはやく受診なさるのがいいでしょう。
抗菌薬を服用し、外用した方がすぐよくなります。
しかし、かさぶたがなくなって、あかみがなくなるまでしっかり治療しないと再発しやすいです。できれば1週間はしっかりと治療し、湯船、プールを避けすっかり治しましょう。

2012年7月 6日 (金)

かかりつけ薬局

院外薬局が一般的になって久しいのですが、実際理想的に機能しているのかというと少し疑問に思います。病院にかかると病院近くの薬局で病院の薬をもらい、診療所にかかると診療所近くの薬局で薬をもらい、そのそれぞれでお薬手帳をもらっている方が少なくないと思います。
複数の薬局で複数のお薬手帳を使っていると、薬の重複や飲み合わせのチェックがきちんとできません。それではわざわざ院外薬局にする意味がありません。現在の状況が改善されないのであれば、便利で安い院内処方に戻した方が良いように思います。お薬は顔を覚えてもらえる近所のかかりつけ薬局で全ての病院の薬を一緒に管理してもらうことをお勧めします。

2012年7月 5日 (木)

脂肪筋

 今日は糖尿病の講習会に参加してきました。通常の診察の中でも、糖尿病の治療をしている人が本当に多いのを常々感じています。日本人は欧米の方と比べて肥満でなくても糖尿病になる方が多いことが知られています。確かにアメリカの街中の映像に出てくるような力士のような体格の方は日本ではそれほど街中で見かけません。
 その原因として日本人は皮下脂肪を蓄える前に肝臓や筋肉に脂肪を蓄えやすく、見た目に太っていなくても糖尿病になりやすいとのことでした。脂肪肝というのはよく聞くと思いますが、脂肪筋と言える状態もよくないとのことです。筋肉に脂肪が蓄えれられるというと霜降り肉のことを思い浮かべますが、もっと筋繊維自体に蓄積した脂肪が悪さをするらしいです。
 実際に運動療法をすると、体重減少がわずかでも糖代謝の改善はかなり見られるとの研究成果も話されていました。筋肉や骨格に対してだけでなく、健康全般に対して運動というのは大切なことです。当院にリハビリで通院している方にも糖尿病の方はたくさんいらっしゃいますが、自転車こぎや筋力訓練をもっとお勧めしたらよいのかなと思いました(嫌って言われそうですが…。)

2012年7月 3日 (火)

介護スタッフの健康

 ヘルパーさんや介護スタッフの方が、腰痛や関節痛でよく来院されます。介護介助をするというのは大変な重労働だと思います。移乗介助や入浴介助など、不自然な姿勢でかなりの力を要するので、ぎっくり腰になる方が少なくありません。
 若い方ですと、腰椎に分離症やすべり症のある方には介護はかなり厳しいように思います。中高年の方ですとさらに股関節や膝関節の磨り減ってきている方もいます。さらに60台以上の女性では骨粗しょう症になってきている方もいます。
 介護施設への研修や入職の前に健康診断に来院される方もいますが、そのチェックリストには結核の既往など感染症の除外診断が中心で身体的に介護作業に耐えうるかどうかというチェックはありません。腰痛や関節痛が原因で退職される方も少なくないように思います。腰痛や関節痛の既往のある方は、事前にチェックした方がよいかもしれません。
 介助中も腰椎バンドを使用したり、姿勢に気をつけるなどくれぐれも介護する側の健康にもお気をつけください。

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