軽医療
最近、軽医療を保険からはずして自費診療にしようという政策がよく聞かれます。医療費が膨張している現状では、これには一理あるなと思います。しかし、軽医療とはいったい何を指すのでしょうか。
「熱があって咳も出て体がだるい。」という人と、「食べて飲んでコレステロールの数値が高い。」という人とでは、本来どちらが医療機関を受診するべきなのでしょうか。
毎年のように、単に「最近だるい。」とか「咳が少し出る。」といった症状で肺炎に罹患している方の診断をして入院目的に紹介などしている身からすると、感冒様症状というのは侮れないなと思っています。町田市で毎年80人も新規結核患者さんが現れているという現状を聞いても、風邪くらいで医療機関にかかるべきではないという意見には簡単に同調できない気がします。
なぜ風邪は軽くて生活習慣病は重いのか。それは医療の感覚ではないような気がします。風邪薬は市販されています。保険からはずすと、経済界的にはチャンス到来になることでしょう。一方生活習慣病は血液検査など医学的管理を必要とします。保険で処方し続けることが経済界的にはメリットになっているものと思います。
世の中なんでも経済学的思考でよいのでしょうか。生活を見直して生活習慣病を予防し、体調が悪いときに医療機関を受診する。それが最も理にかなっているように思うのですが。何が軽くて何が重いのか。視点を変えると見え方が変わってくるように思います。
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