平穏死
今日も講演会に行ってきました。今日は平穏死についてのお話でした。人生の最期をいかに迎えるか。今の日本は大きな変換点に来ています。西洋医学の発展は基本的にいかに人間を長寿にするかの一点で発展してきました。人工心肺の発展、経管栄養の利用などによって意識がなくなっても食事ができなくなっても延命させることが可能になってきました。
多くの方が最期は自然に死にたいと話されますが、それをいかに実現するかは難しいのが現状です。ひとつには元気なうちに自分の意思を明らかにしておくこと。当院では赤ちゃんから高齢者まで使用する初診時アンケートにリビングウィルを持っているかの質問を乗せています。認知症などになる前の元気なうちに、リビングウィルを書いておくことをお勧めします。一緒に暮らしている家族より、遠くの親戚の方が最期の時に十分な治療をしていないのではないかともめることが多いのは医師の間では暗黙の了解事項となっています。その辺りも注意が必要です。
基本的に老衰で食べられなくなってきたら無理に点滴などをしないこと。無理に水分補給をしない方が心不全や痰が減り本人も楽になることが多いものです。あまり動かなくなった場合、最低1日600kcalあれば長期間生きられるということでした。
延命と平穏死、難しい話ですが人間全員の問題です。広く話し合ってゆくことが大切です。
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