胸骨骨折
のどの下方で鎖骨の間から体の正面中央にかけて、胸骨という骨があります。ちょうどネクタイのような形で、鎖骨の間から肋骨の間にかけて胸の前面にあります。胸をぶつけたり激しく前転するように転倒すると、この胸骨が骨折することがあります。
この骨は肋骨に支えられておりあまり動かないので、痛みはそれほど強くないことが多いです。押すと痛いという症状を訴えることが一般的です。腫れもひどくないことが多く、骨折とは思っていない方が少なくありません。
診断としては、胸骨に圧痛がありレントゲンで確認できれば確実です。最近はエコーで見てズレや血腫があることで診断することもあります。
胸骨自体は、基本的に骨癒合を待つしかない場合がほとんどで、数週から1~2ヶ月くらいで痛みも治まります。その間、痛みを指標として響かないように過ごす方がよいと思います。
胸骨の後ろには縦隔があって、気管~気管支や食道、心臓などがあります。稀に頚部や胸部の損傷に伴って空気が縦隔に進入することがあります。そのような場合はCTを行ったり、臓器損傷がないかどうか病院に依頼して精査する必要があります。
骨の弱い骨粗しょう症の方では、大きな外傷でなくても骨折していることがあります。一方子供でも胸骨を骨折することがあります。多くの場合は経過観察のみですが、前胸部の正中の痛みでは注意が必要です。
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