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2013年4月 4日 (木)

甲子園での5連投

 甲子園の決勝戦は大差がついてしまい残念な結果となりました。両校とも最後までがんばったのですから誇らしく思ってほしいものです。

 それにしても一人の投手が5連投するというのは尋常ではありません。成長期の青年にはあまりに負荷が大きく肩や肘や腰などに故障が生じないかどうか大変心配です。日本のスポーツ界もメディアもこれを問題にしないのは、もはや時代遅れというレベルの話ではないように思います。日本のスポーツ界もメディアも、巨人の星の時代で思考が停止しているのでしょうか。
 当院にも成長期の子供のスポーツ外傷は日常的に来院されます。野球肘は離断性骨軟骨炎といわれ、早期に発見治療しないと関節軟骨が剥がれて関節内を漂い関節に後遺症が残ります。腰椎分離症も現在では腰椎の疲労骨折として捉えられています。早期に発見して休養を取らないと完全に分離し、すべり症へ発展し大人になっても腰痛などが残存してしまう恐れがあります。膝の前十字じん帯損傷も放置していると変形性関節症となり、早期に人工関節が必要な膝になってしまう可能性もあります。
 スポーツ障害の場合は早期に発見したらまずはしっかり休養を取らせることが重要です。しかし、休養をとるように話すと本人だけならまだしも指導者が拒否して来院しなくなることが少なくありません。高校のスポーツ科の生徒と話をすると、整形外科に行くと試合に出るなというから行かないという子もいます。しかし、無理をして続行しても障害が進み結局スポーツを断念せざるをえなくなるという場合が少なくありません。しっかり休養を取って軽快した子にも、休んでいる間ブツブツと文句を言われることもありますが、逸る気持ちはよくわかりますので怒ったりはしないようにしています。
 スポーツの指導者やメディアは子供が将来大人になったときに障害が残ったとしたら、しっかり責任を取るのでしょうか。自分の仕事のために子供を商品として扱うようなことはもうやめてほしいと思います。子供にとって、将来は明るいものにしてあげたいものです。

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