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2013年6月 5日 (水)

早期の早期

 学会や講演会に参加すると、時々違和感を覚えることがあります。講師の専門医のお話で、疾患の早期のことを話すことがあるのですがどうも早期とは思えないことが少なくありません。

 例えば認知症では、家への帰り道がわからなくなったりトイレや入浴がうまくできなくなった症例を早期として紹介することもあります。長谷川式認知症スケールで10点台の方も早期ということもあります。関節リウマチでも、数ヶ月前からの多発関節炎などを早期としていることもあります。
 一番の原因は診断基準にあると思いますが、認知症では日常生活が困難になるような問題行動が起こった時点で認知症と診断されます。それまでは軽度認知機能障害と判断されます。関節リウマチでは診断基準のひとつに6週以上関節炎が持続していることがあり、それまでは診断することが難しい場合もあります。
 認知症の例では、診療所へ5年も10年も通院している方では、しっかりしていた頃と比べてだいぶ認知機能が低下してきたなというのが実感としてわかります。ただ、その段階で専門医へ紹介しても「認知症ではありません。」という診断結果が送られて来ます。専門医に除外された疾患を治療するのも躊躇されるためそのまま経過観察をしていると、1年から数年後には認知症が顕在化します。その段階で、再度専門医へ受診し認知症と診断されて治療が開始されることも少なくありません。認知機能が低下してきた時点で治療を開始すればもう少し進行を防げたのではないかと思うこともあります。
 関節炎では、診療所では昨日から腫れて痛いという方が来院することも少なくありません。最初は一カ所の関節痛のことも多く、最初から複数箇所の関節痛のことは比較的少ないです。そういう場合、もはや臨床的な勘でしか関節リウマチを疑えません。関節炎の所見があれば血液検査などをして確認します。おそらく早期関節リウマチだろうということで専門医へ紹介しても、その段階では診断基準を満たさないということも少なくありません。それから数週、数ヶ月して関節炎や滑膜炎が顕在化してから再度紹介し診断されることもあります。診断基準を満たさない少数関節炎などでも、関節破壊が進行しそうな場合は積極的に治療を開始すべきかと思います。
 軽度認知機能障害や超早期関節リウマチの段階では病院へ紹介すべきかどうか悩ましいものです。どの時点で紹介すべきか、超早期から治療を開始すべきか。新聞などには早期診断は専門医受診をという風に書いてありますが、早期の早期ではそううまくいかない場合も少なくありません。

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