トリアージと認知症
今日は思わずテレビタックルを見てしまいましたが、スタジオで討論している方達があまりに現場をわかっていない発言していることにちょっと驚きです。
先週はトリアージの訓練と認知症の講演会に行って来ました。トリアージというのは大災害の時に救急の現場で治療の優先順位をつける訓練です。定期的に訓練を受けていますが、実際にトリアージを行ったことはなく現実に東京で大災害が起きたときに冷静着実に実行できるのか常に不安があります。
ちなみに大災害が起きたら診療所を開くのではなく鶴川地区の基幹病院に出向して診察することになっています。なるべく多くの薬や機材を持って自転車で駆けつけようと思っていますので、診療所へは来院せず総合病院へ受診するようにしてください。トリアージはかなり非情な判断を下すこともありますが、冷静に指示に従っていただけますと幸いです。
一方で認知症の講習会に行って来ました。トリアージとは真逆のような世界です。認知症でも早期診断が望まれるようになっていますが、早期に診断しても根治的な治療方法はまだありません。薬を使って治療しても、ひとつの薬で改善できるのは1年くらいです。考え方によっては介護の期間を延ばすだけになってしまう恐れもあります。認知症の世界では医療が役に立つのは1割くらいで介護が9割を担っているような気もします。高額な検査をしたり延々と薬を使い続けるより、介護費用へ資金を回した方が効果的なのかもしれません。
救急から介護まで、勉強するべきことは無限にあります。人間一生修行ですね。
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