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2013年10月31日 (木)

ナローバンドUVB照射機械が11月8日から当院に導入されます。

一般的な治療法を行っていてもなかなかかゆみが改善せず治らない方は少なからずいます。私としてもなかなか外用の量が減らない患者さんに対してさらなる治療があるなら・・と思い、とうとうナローバンドUVB照射機械を入れることにしました。

ナローバンドUVBは中波長紫外線の領域に含まれる非常に幅の狭い波長(311±2nm)の紫外線で、この波長の紫外線が乾癬に有効であることが研究でわかっていました。そして治療効果の高い波長帯域を研究したところ、313nmが最も副作用の紅斑がおこりにくい波長とわかりました。海外ではすでに一般的な紫外線治療ですが、日本ではまだまだ普及していません。

効果があるのが乾癬、アトピー性皮膚炎、尋常性白斑(皮膚が白くなる病気)、菌状息肉症(皮膚のリンパ腫)、結節性痒疹(かゆいぶつぶつのできる皮膚疾患)です。
外用のみでコントロールが難しいもしくは改善されない例に対して併用することにより改善が見ることが明らかになってきています。
当院のナローバンドUVBの照射は外用療法、内服療法をつづけているのに改善しにくいという患者さんに行います。週2,3回から2週に一回の頻度で通常1,2分から長くても数分です。大型の3面鏡のような形で、紫外線が照射される機械です。立位で(立ったままで)前面、後面を照射します。

長期の副作用として、日光でもいわれておりますが、紫外線による皮膚の発がんです。しかし、欧米で長期に渡る研究結果、日本でのデータから心配は少ないということになってきているようです。皮膚癌の確率が上がらないとされる照射の限度は1000回、総照射量400J /㎠というところのようです。発がんのリスクに関してはまだ不明な点もありますが、ブロードバンドUVBと同等前後のリスクもしくはそれより少ないと考えられています。小児(10歳以上)や妊婦にも使用可能とされています。

短期の副作用としては皮膚の赤み、色素沈着(いわゆる日焼け)、ほてり、ヤケドなどがありますが、照射が短時間のため、ほかの紫外線療法よりも起こしにくいと考えられています。
照射中には陰部で感受性が高いことからパンツを着用し、目にゴーグルをかけます。照射によって皮疹が消えたところには順次下着やタオルで覆い、皮疹の残った患部に限って照射を続けるようにします。

ナローバンドUVB療法で期待できることは
1.外用する薬の量が少なくてすむようになる、2.照射をして改善が見られた場合に再発までの期間が長くなる、3.比較的早期からかゆみが減ってくる(アトピーなどの場合)
です。

スタンダードな治療法に加え、さらなる治療を加えるという一の治療法です。
一度皮膚科医にご相談ください。

2013年10月28日 (月)

60歳代の圧迫骨折

 脊椎の圧迫骨折の方は毎日のように来院されています。70歳代後半から80歳代の方が多いのですが、中には60歳代で転倒等の大きな外傷がなく圧迫骨折を生じる方もいます。脊椎の圧迫骨折は一度起こると連鎖的に何カ所も骨折することがあり、しっかりと骨粗鬆症の治療をすることが推奨されています。最近は副甲状腺ホルモン製剤による治療も行っています。骨折後の骨癒合促進も期待され、疼痛も早く軽減する印象があります。

 骨折の連鎖は日常生活の質(QOL)を著しく低下させてしまうため、内科的な疾患の治療と同等にしっかり考えないといけないものと思います。
 骨粗鬆症でも他の疾患と同じように、レントゲンと骨密度の他にカルシウム濃度や骨代謝マーカー等の血液検査や尿検査、骨折部位のMRIなども含めて総合的に診断していかないといけません。圧迫骨折でも活動できていると、どうしても検査を先延ばししてしまいがちになります。特に若い方の圧迫骨折では病的骨折や二次性骨粗鬆症の可能性についても早期に判断するよう肝に銘じて検討させていただきたいと思います。

2013年10月23日 (水)

在宅酸素療法

 呼吸器疾患に対するお薬も昔に比べると非常によくなっていますが、呼吸機能が高度に低下した場合は薬などでは改善することができません。息が苦しいという症状は本当につらいものです。自宅内で少し歩いても息苦しくなるような状態になった場合は在宅酸素療法というものがあります。酸素を吸入するだけの場合から、神経疾患等で呼吸自体が困難な場合は人工呼吸器が必要な場合までさまざまなケースがあります。

 在宅酸素療法には酸素ボンベを利用する場合と空気中の酸素を濃縮する機器を利用する場合があります。自宅で使用する時には酸素濃縮器であれば電気さえあれば酸素がなくなることがなく便利です。外出時にも使用するようですと、携帯型の酸素ボンベを利用することもあります。現在の在宅酸素装置は非常に簡便で使いやすく、高齢者でも使用しやすいと思います。息苦しいような症状がある場合には、一度担当医に相談してみるとよいかもしれません。
 在宅酸素療法が必要になる方ではCOPDという疾患が増加しています。別名タバコ病と言われるほど喫煙が原因になることが多い疾患で、喫煙者の家族などにも発症することがあります。現在の若者ではかなり喫煙率は減っていますが、団塊の世代では喫煙率が高かったため、ここしばらくは在宅酸素療法を必要とする方は増加していくものと思われます。
 呼吸が苦しいというのは本当につらいものです。肩で息しても酸素が体に少ししか入ってこない。腹筋も肋間筋も筋肉痛で悲鳴をあげ、首の筋肉まで痛くなってきてそれでも酸素が頭に回ってこないつらさ。頭がボーッとしてきて、もう呼吸なんてしなくていいやと心があきらめても、体はあきらめてくれません。肋骨が折れるくらい自動で胸郭を動かします。その結果胸郭は拡大し、ビア樽のような胸になることもあります。
 いくら言っても愛煙家には響かないと思いますが、そろそろタバコも時代に取り残されているように思います。タバコを擁護するのはそこからお金を得ているメディアや大企業や政府くらいなものです。愛煙家を続けるのと健康的になるのとどちらがナウいか。自分でやめられなければ保険診療で禁煙もできます。

2013年10月21日 (月)

アトピー性皮膚炎の食物制限

卵、乳製品の過剰制限は逆効果で子供の症状悪化や栄養障害誘因もあるとのことを今度の日本アレルギー学会で発表されました。
卵や乳製品の過剰な除去によりビタミンDが不足し、O脚などのくる病が発症したということです。東京都八王子市の松本勉医師の調査でも、アトピー性皮膚炎などを改善するため食物除去をしていた147人のうち、逆にアレルギー反応が強まった子が複数あり、うち2人は強いアナフィラキシーと呼ばれるアレルギー反応を起こしていたそうです。明らかに皮膚炎が改善したのは10人だけだったそう。国立成育医療研究センターの大矢幸弘・アレルギー科医長は最近は、こうした食物の摂取を遅らせる方がアレルギーを起こしやすくなるとの研究もあり、食物制限は最小限にすべきだと。
たしかに卵の制限で明らかに皮膚炎が改善する方もいらっしゃいますが、基本的に保湿、皮膚炎には適切にステロイドを外用し、皮膚炎を改善する方法で、食物制限は最低限というのが主流になってきました。
離乳食は早くても遅くてもだめで、決められたように離乳食をすすめていく方がアレルギーが出にくいというのも言われてきています。
この10年ほどで、食物アレルギーの適正な対処法は劇的に変わってきました。
日々の勉強が必要だと痛感しています。
 

2013年10月19日 (土)

かゆい服を着ない子ども

うちの末っ子は3、4歳頃から服に非常なこだわりがあり、気に入ったものでないと決して着ません。
そのため、なかなか服が増えません。いつも同じ服を着回すことになります。
ズボンなどは夏場は3着ほどの気に入ったものを乾かしては着る始末。
その気に入っているものの一番の共通項は“着ていて痒くならないもの”なのです。
ボタンのついているもの、フリルのあるもの、かぼちゃパンツのように絞りのあるもの(絞りのシワシワがごわごわしている)。肩の部分によく女の子のシャツならふんわりとした絞りがあるのですが、これがだめ。胸元の可愛い刺繍、絞りもダメ。化繊はもちろんダメ。
はては靴下。カワイイ模様があるものはだめ。なぜ?と思ったのですが、裏側を見て納得。刺繍の部分が内側にもこもこに糸がでていて、いかにもかゆくなりそうなのです。
そのため、靴下は無地かボーダー柄。ボーダーだともこもこしないからです。
長ズボンもジーパンはなかなか履きません。縫い目が固くないものなら可能でした。
痒くならないように小さい頃から気をつけていたのかと驚きました。
そういう観点で洋服を探しに行くと、おメガネにかなう服は本当に少ないことに参ってしまいます。
無○良○は痒くならない服ばかりで本当にぴったりなのですが、デザインが気に入ってもらえずなかなか服は増えないのでした。(ズボンは大丈夫なのですが、Tシャツがどうしても英語のロゴなどが入っているデザインがいいようです・・・)
小さい頃から無○良○のようなデザインの服ばかり着せて、すり込んでおけば良かったとちょっと後悔です。

2013年10月18日 (金)

髪の毛保護のヒント

アメリカ皮膚科学会がヘアスタイリングによる髪のダメージや抜け毛を防止するアドバイスを紹介しました。 

濡れた状態の髪は傷みやすいため、濡れた髪をくしやブラシでとかすのは避け、洗髪後はタオルでよく水分を拭き取るか、自然乾燥させるのがよいそうです。ドライヤーや長時間髪型をキープするスタイリング剤の使用頻度を減らすのも効果的だそう。また、ストレート用のヘアアイロンは乾いた髪に使用するようにし、髪をカールさせるヘアアイロンは、1カ所に当てる時間を2秒ほどとすること。など。
考えてみればもっともな意見で皆わかっていてやっているような気がしますが。
ぬれた状態の髪が傷みやすいため、タオルドライ後自然乾燥するといるとうのは参考になります。

 

 また、三つ編みやコーンロウ、ポニーテール、ヘアエクステなど、髪を引っ張る髪型もダメージの原因となります。髪が引っ張られた状態が続くと、抜け毛が進行する恐れもあります。と。
確かに髪を引っ張る癖があるとその部分が脱毛してしまうことはよくあります。
やはり、髪を洗うときににも無理矢理引っ張ったり、必要以上にガシガシ洗ったりしない方がよいですね。

 

 

なるべくスタイリング剤などを使わず、シンプルにお湯洗浄してタオルドライ、自然乾燥。これが究極の髪を守る方法なのかもしれませんね。

 

2013年10月12日 (土)

季節外れのむしさされは腫れる?!

虫さされだと思っているのだけれど、すごく腫れた。あるいは水ぶくれになった。またあるいは(リンパ管炎を起こして)筋状に赤くもなっている。などとびっくりされて受診なさる方がこの1週間多かったような気がします。
季節外れの夏日で、虫がでてきました。その虫は・・・蚊です。
少し暑くなるとすぐに蚊は発生し、ヒトを刺します。どこにいるのかと疑問に思うのですが・・・
11月ごろまで暖かい日には出てきて刺されることがあります。
実は3月ごろからたまに出てくることもあります。
アレルギー反応が久しぶりに刺されると強く出るのか、蚊の種類が違うのか、よくわからないのですが・・・
治療は反応はひどい場合はやはり強めのステロイドの外用がはやいのです。
かきむしって水ぶくれがひどくなったり、掻き続けて痒疹になったりしないよう、ひどくかゆいようなら受診すると治りが早いと思います。

2013年10月 6日 (日)

スポーツ祭東京

 今日はスポーツ祭東京に行ってきました。といっても観覧ではなく、町田市総合体育館のバドミントンで会場ドクターとして参加しました。時期的に体調を崩す方もなく選手等の大きな怪我もなく、待機していただけでしたが。

 バドミントンという競技を初めて間近で見ました。すごく迫力がありリズムもあり面白かったです。前後左右に、瞬発力と集中力とスタミナと。やはりスポーツはよいですね。必死に戦っている選手達の躍動感を生で感じ、やる気をもらった気がします。
 ちょうどスポーツの秋ですし、自分も動かないといけないなと思います。しかし昔体育会にいたとは思えないほど錆びてしまった体が、これからまた動くようになるのかどうか…。

2013年10月 4日 (金)

倫理学的ダイエット

 世界には現在でも飢餓で亡くなってゆく方が数多く存在します。1日に1杯のご飯も食べられず、飢えに苦しんでいる方のことを考えると、胸が苦しくなるような気がします。

 昔は、お茶碗に残ったご飯粒ひとつも大切に食べなさいと教わったものです。農家の方が精魂込めて作ったご飯を無駄にしてはいけないと。
 キジも鳴かずば、撃たれまい。童話の中で、あずきまんまを1杯分盗んで子供に食べさせたばかりに、あんな悲しい話になってしまいました。
 そんなことを思いながら、昨今のダイエット話に接すると非常に違和感を覚えます。食物というのはもともと生命です。食事とは命をありがたくいただくということです。脂質などの重要な栄養素を食べる前にいかに多く捨て去るかを宣伝する調理器具。食べたいだけ食べて、いかに栄養素を体内に取り込ませないようにするかを競う健康補助食品。苦労せずにいかにカロリーを消費するかということを工夫する健康器具。
 近い将来、処方薬としてダイエット薬が登場します。膵酵素をブロックすることで脂質の吸収を抑える作用があるということです。生活習慣病の基本は生活習慣の改善のはずです。国の医療費をいかに抑えるかという議論が行われている中、薬剤投与がどこまで認められて行くのか。
 何か経済対策のために、大手企業の商品の販売であれば際限なく認められるような気がしますが、倫理的にそれでよいのでしょうか。
 自分の消費カロリーに見合うだけ食べる。肉体労働などをしている方はたくさん食べる。あまり動かない方は腹7分目くらいにする。ジュースやお酒ではなくお茶にする。人がどのくらい自由ではなく自律を追求できるのか。現代の経済学に致命的に欠落した視点であるような気がします。

2013年10月 3日 (木)

スズメバチに注意!

ここ1、2週間、スズメバチに刺されて来院する方がちらほらいらっしゃいます。
このあたりは森、林が多く、どうしてもスズメバチが日常と隣り合わせのところにいます。
森、林の近くに行く時は黒や黄色の服は着ないようにしましょう。
運悪く刺された場合、冷静に自分の状態を考え、ただ痛いだけなら皮膚科受診していただければ抗アレルギー剤、ステロイド外用などで対処します。
じんましんがでる、意識が遠のく、腹痛、嘔吐、呼吸困難など、いわゆるアナフィラキシーのような症状が起こる場合には迷わず周囲へ助けを求めて119番通報してください。
基本的に最初に刺された方はアナフィラキシーになることはありません。
2回目以降も絶対なるわけではありませんので冷静に判断しましょう。

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