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2013年12月 1日 (日)

SAPHO症候群

 今日はリウマチ系の学会に参加してきました。リウマチ性多発筋痛症やSAPHO症候群など診断の難しい疾患のシンポジウムを拝聴しましたが、やはり基幹病院の膠原病内科専門の先生も悩みながら診療しているということがわかりました。

 これらの疾患は診断基準もしっかりしておらず、初診時に診断することはかなり難しいものです。経過を見て行くと典型的な所見や検査結果が揃ってくることが多く、複数の医療機関を転々として最終的に診断を得ることも少なくありません。
 治療にしても、これだという決定的な治療法についてのコンセンサスも得られていません。リウマチ性多発筋痛症についてはステロイドが著効する訳ですが、現状ステロイドを長期に使用せざるを得ずよりよい治療法をみんなで探している状態です。
 SAPHO症候群というのは痤瘡や掌蹠膿疱症といった皮膚症状と骨炎、胸鎖関節周囲の硬化などを生じる疾患ですが、これも診断、治療ともに悩ましいところです。喫煙者が多く、なるべく禁煙していただき、消炎鎮痛剤やステロイド、抗リウマチ薬を組み合わせて症状を抑えていくという状態です。
 関節リウマチの治療でも、少し変化が出て来ています。最近は生物学的製剤一辺倒だった学会が、従来の抗リウマチ薬の併用療法を見直す動きが出て来ています。生物学的製剤は効果はすばらしいのですが、さすがに高額であることと感染症の合併に細心の注意が必要です。意外かもしれませんが、労働している世代の治療費の自己負担が3割もある国は欧米の主要な国ではないということでした。生物学的製剤を使用する前に従来の抗リウマチ薬3剤併用療法を試してみる価値がありそうです。

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