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2014年5月10日 (土)

あらぬところからの出血

長いこと整形外科医をしていると、人の出血には驚かなくなってしまいます。手足の外傷では、出血していても慌てずに布などを当てて圧迫すれば大抵は止まります。止まったかな〜と思ってすぐに離したりするとまた出血するので、しばらくは抑え続けるのがコツでしょうか。

 怪我などで出血するのは落ち着いて対処すればよいのですが、本来出血しないところから出血した場合はそのままにせずきちんと検査したり受診をしたりした方がよい場合が多いです。
 尿に血が混ざっている場合、一番多いのは特に異常ではないという診断ですが感染症や膀胱癌、腎炎などの可能性もあります。便に血が混ざる場合は大腸がんや炎症性疾患などの鑑別が必要です。痰に血が混ざるということで検査したところ肺癌だった方や結核だった方もいます。乳首から出血したとのことで精査したところ乳癌だった方もいました。
 あらぬ所から出血している場合、数ヶ月とか放っておかない方が安全です。不安になって検査が怖いという方もいますが、最近の専門医の治療は相当進歩していて出血してからでも遅れずに診断すれば例え癌だったとしても治ることの方が多いくらいです。
 整形外科的には外傷でもないのに関節に血が溜まったりするのもやはり異常です。出血しやすい腫瘍性疾患や血液疾患、不顕性骨折などの可能性もありやはり精査が必要です。
 人の出血には慣れていても自分の体から出血したら失神しそうなほど不安になります。誰でも同じだと思いますが、早めに診断すればほとんど大丈夫ということは心に留めておいてほしいと思います。

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