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2014年8月30日 (土)

テープ固定と縫合

切り傷に対する治療法には大きく分けて縫合とテープ固定とホチキス固定があります。最近はできるだけテープで固定するようにしていますが、それぞれメリットとデメリットがあります。

 縫合は麻酔をしてナイロン糸などで縫う方法ですが、一番のメリットは傷の閉鎖が確実なことです。縫合後はガーゼがとれても傷が濡れても創部が開くことは基本的にありません。傷跡が残るのではないかと思う方もいると思いますが、張力を適度にすれば横糸の傷跡が残ることは通常ありません。デメリットとしては麻酔が必要なことと抜糸が必要なことかと思います。
 ホチキスによる固定は大きな手術後では体幹部や四肢でも行うことがありますが、ホチキス針の跡が残ることがあり、診療所レベルでは基本的に毛髪があり傷跡が問題にならない頭部でしか使いません。麻酔は必要なく、すぐに処置が終わるのがメリットです。
 テープ固定は、切り傷専用のテープを用いて固定する方法です。メリットは麻酔も必要がなく痛くもないということです。しっかり閉創できれば一番よい方法だと思います。デメリットとしては濡れたりするとテープがとれて傷が開く可能性があります。固定後48時間くらい接着力が強まるため、少なくとも翌日までは濡らさないように注意が必要です。擦り傷を伴ったような傷ですと、浸出液で剥がれてしまうこともあり適応にならないこともあります。小さな子供ですと自分で剥がしてしまうこともあります。
 最近は縫合して出血や感染の心配の少ない傷の場合は、自宅で処置できれば翌週の抜糸の時に来院していただくようにしています。つまり多くの場合受診が受傷時と抜糸の時の2回で済みます。テープ固定ですと受傷後翌日はできればテープがしっかり固定できているか確認するために来院していただくことが多いです。その後も浸出液などが生じていれば時々診察が必要な場合もあります。なので忙しくて基本的に仕事や学校を休めない方は縫合した方がよいかもしれません。調理師や美容師など水を使う仕事をする方の手の傷も縫合した方が安全です。
 基本的にどの方法にするかは創部の状態により、選択の余地がない場合も多いのですが、創部以外の要因も考慮する必要があります。

2014年8月27日 (水)

自分の肩に石灰が

 夏の帰省中、急に肩が上がらなくなりました。まずいぞと思いとりあえず持参の消炎鎮痛剤を内服してみたのですが治まらず、夜寝返りするのも困難になりました。肩を触ってみるとぷよぷよと水が溜まっており、これがあれかと自己診断してしまいました。

 なにせ帰省中のため内服と湿布で経過を見るしかない訳ですが、思ったより効かないものだなと正直思いました。痛風のような激痛になるのを抑止できているのかなとは思いましたが。
 2日後に自宅に戻るころには歩く振動で痛みが走り、食事の時に右手を使えず、左手でお箸を使って食べていましたが、研修医時代に左手でお箸を使う練習をしていてよかったと思いました。帰宅後さっそくレントゲンとエコーを見てみると、やっぱりしっかりと腱板の所に石灰が沈着していました。関節の水も炎症部位の血流増加もしっかり画像に残してみました。炎症の程度は血流増加によって画像的に評価可能なことも実感しました。超音波検査は内科医の聴診器と同じくらい肩の診察にはなくてはならないものになりつつあります。
 場所を示して注射をしてもらい、内服を継続して経過を診ることにしました。石灰沈着症には注射が劇的に効く方も少なくないのですが、あれ?著効しないぞ。結局そのまま週明けになり仕事再開。初日は仕事の後激痛になりました。その後2〜3日で疼痛は軽減しました。1週間程度でまだ引っかかり感が残っていますがほぼ日常生活動作には問題ないレベルになりました。まだ石灰は残っており、消失してくれるかどうか観察してみたいと思います。石灰沈着症については、注射器でポンピングして石灰を吸引した方が成績がよいという報告もあります。自分に行うことはできませんが、石灰沈着症の方には相談の上行いたいと思います。
 肩関節痛には大きく分けて、外傷系の問題、炎症性疾患、変性疾患、拘縮の問題などがあります。これらの要素は組み合わさっていることも少なくありません。なので「肩関節痛はこれで治る」という一つの方法はありません。最初にどの要素がどの程度影響しているかを検討し、それぞれに対して治療していく必要があります。
 今回自分の肩が上がらなくなって、それぞれの薬の効果や姿勢の調整や経過について骨身に染みてよくわかりました。個人差があるので一概には言えませんが、やはり炎症が強い方はしっかり炎症を抑えた方がよいでしょう。外傷の方には手術も視野に入れて、拘縮の強い方にはしっかりしたリハビリを。それぞれオーダーメイドで肩の治療に取り組みたいと思います。
 
 

2014年8月25日 (月)

指の関節炎

 昨日は1日講習会に参加してきました。朝から夕方まで詰め込み型の講習会はさすがに疲れますね。講演の中で、人間1日のうちで本当に集中できるのは数時間と話されていましたが、それを知っていながら終日の講演会を開催する医師集団というのはどうなのでしょうね。関節リウマチ主体の講演会でしたが骨粗鬆症から医療安全まで、詰め込まれました。
 新しい検査や治療が登場しては見直され、診断基準も治療方針も刻々と変化しています。数年前の標準でも違ってきているものもあり常にアップデートしていくことの大切さを再確認しました。
 指の関節炎の講演では、乾癬性関節炎をたくさん診ている医師の話が印象に残りました。乾癬性関節炎ははっきりした皮疹があると診断が簡単なのですが本人も気づいていないことが多く、また爪病変のみのこともあり注意が必要です。治療としてはやはり抗リウマチ薬を使うことになることが多いのですが、なかなか薬の治療は抵抗感のある方が多いのが現状です。もう少し強力に勧めた方がよいのかもしれないなと思いました。
 その先生は線維筋痛症についても積極的に取り組まれていて、断食が著効すると話されていました。これは経験がなく正しいかどうか判断できませんが、当院にも線維筋痛症の診断基準を満たす方は稀に来院されます。2週間程度断食するそうなので入院して点滴などが必要とのことですが、内服など他の治療で全く効果のない方はチャレンジしてみてもよいのかもしれません。ただ、東京近隣で断食療法をしている医療機関を今のところ知りません。少し調べてみたいと思います。

2014年8月21日 (木)

汗かぶれ

あせもの人が非常に多くなっています。子どもはもちろん老若男女すべての年齢層で増えているようです。
あせもだと、石鹸などでゴシゴシ洗いがちですが、基本的に皮膚の弱い方の汗によるかぶれですので、石鹸などでごしごしあらうともっと皮膚があれて逆効果です。
汗拭きシートなどの市販薬もいろいろなものが入っていることが多いので、かぶれる場合があります。せっけんを使わずシャワーで流す(この場合はもちろん手で、タオルなどの道具はつかわない)か、水道水(理想的には浄水)でしぼったタオルでやさしく拭くことです。
今年も異常な暑さですね。暑さのせいでみなさん疲れているのか、帯状疱疹も毎日2、3人くる感じです。あせもにも間違えがちですので、痛みをともなう変わった皮疹がでたら疑ってみてください。

2014年8月19日 (火)

高血圧の診断基準

今年4月に日本人間ドック学会が発表した高血圧の基準範囲が高血圧症の診断基準より高く、さまざまなメディアが飛びついたため多くの方が血圧はそれほど下げなくてもよいと思ってしまっているようです。 実際、85歳や90歳以上の方の血圧を厳格に下げる必要があるのかと言われると疑問には感じますが、中高年の方についてはやはり人間ドック学会より高血圧学会などの見解に従った方が安全のような気がします。

 人間ドック学会の基準範囲を高速道路に例えると、ある1日に事故に合わずに走っている自動車の平均時速を測定したところ150km/hrくらいまで大丈夫でしたので、安全に走行できる速度は150kmくらいまでです。と発表したようなものです。
 普通に考えると、その日1日無事故で走っていても30〜40年ずっと高速道路を150km/hrで走っていて事故に遭遇する確率が増えないの?という疑問が生じてくると思います。通常の診断基準は30〜40年ずっと安全に走れるスピードはどれくらいかと考えた値です。
 今回に高血圧基準騒動を見ていると、メディアには本当に理系の人がいないんだな〜と思います。情報に対して疑問や不信から入らず、そのままサーフィンのように乗ってしまう報道にはかなりの不安を覚えます。

2014年8月12日 (火)

褥瘡予防の体圧測定器導入しました。

褥瘡の防止には従来、体位交換を中心とした対応がなされてきました。なるべく1カ所に圧力をかけないように時間毎に寝返りをさせて対応するのは介護として非常に大変なことです。座られていてもずれたり仙骨部分に圧力を生じたりして褥瘡になることはなかなか避けられません。

 除圧するために様々なマットが開発されて使用されています。最近ではエアーマットを導入して体位交換しなくても褥瘡を防げるようになってきています。それでも、圧力が集中してしまうことがあり、なかなか難しい問題です。
  当院では皮膚科医の往診もしており、時々褥瘡の相談をされます。昔は整形外科医の私も褥瘡病棟の様な所で働いていたことがあり、処置や手術は数えきれない程しましたが、当時と比べると褥瘡への対応も非常に整理されてきているように思います。
 褥瘡の予防には患者さんにどのくらいの圧力がかかっているか評価することが大切だということで、今回体圧を測定する器械を購入しました。ずっと臥床している方や座っている方で褥瘡が治らない方や、褥瘡の可能性が高い方がいらしゃいましたら往診で測定することも可能です。皮膚科にて皮膚の状態、整形外科にて麻痺や拘縮などの問題について検討させていただきます。ご相談ください。

2014年8月10日 (日)

膝蓋骨脱臼

週末に膝蓋骨脱臼の講演会に行って来ました。膝蓋骨脱臼というのは、膝の前にある所謂お皿の骨が外側にはずれてしまう疾患です。

 もともと構造的に外れやすい習慣性脱臼と、外傷性の脱臼とがあります。一度外傷で脱臼すると、外れなくなる方と再脱臼を繰り返してしまう方がいます。膝蓋骨というのは大腿骨の前にある強力な筋肉で膝を伸ばす時の滑車の様な存在なので、それが外れてしまうと力が入らず膝崩れしてしまったりします。そのまま何回も再脱臼していると軟骨が削れてきて変形性膝関節症へと進展してしまったりします。
 初回の外傷性脱臼の場合は装具やギプスで固定して経過を見ることが多いのですが、積極的に治療する場合手術的に修復することもあります。今回の講演会では手術をした方が確実とのことでした。
 手術方法としては、以前は下腿側の骨を切って膝蓋骨の末端の角度を変えるという方法が行われていましたが、内側で膝蓋骨を支えていた靭帯を修復する手術の方が成績がよいとのことでした。
 実際、外傷性の初回膝蓋骨脱臼の方に手術の必要性を説明しても希望される方は少ないのですが、スポーツやアクティビティーを積極的に行っている方は積極的に考えた方がよいかもしれません。再脱臼を繰り返している場合は我慢せず早めに受診した方が中年以降の活動性に大きく差が出るかもしれません。

2014年8月 5日 (火)

熱中症には注意が必要ですが

  連日猛暑が続いています。昼頃には外出自体がかなり危険な雰囲気ですね。自転車で往診する時にはアウトドア用の幅広帽をかぶったりしています。

 自宅内でも熱中症を発症する可能性もあり、冷房などは必須と言えます。認知機能の低下した方などでは周囲の人もよく注意することが必要です。
 一方で、最近足が浮腫んでいる高齢者が増えているような気がします。熱中症予防に水分を十分摂ることは大切ですが、冷房の効いた屋内にいて汗もかいていないのにどんどんお茶や水を飲んでしまうと、心臓や腎臓の機能の低下した高齢な方では水分の過剰摂取になってしまうこともあります。塩分を多く摂っているという方もいますが、同じように汗などでの排出が増えていないのに塩飴などを摂りすぎると血圧などに悪影響が出るかもしれません。
 何事も一長一短です。気温、湿気、体温、汗の量、尿の回数や量などなどいろいろ勘案して水分や塩分を摂るようにしましょう。

2014年8月 4日 (月)

とびひ

暑い日がつづきます。プールの季節です。
そうするとやはりはやるのがとびひです。
虫さされの後、もともとある湿疹をかきむしった傷、擦り傷・・・皮膚のくずれた部分があると、そこはばい菌にとって都合のよい培地(細菌を増やすところ)です。
とくに皮膚のくずれたところ、傷、かきむしり、水ぶくれに密閉性の高いキズパワーパッドのような創傷被覆材や絆創膏などを貼ると、それはおきやすいのです。
絆創膏をはったところに赤みが増し、その周囲にぷつぷつした赤いかさぶたや水ぶくれができると、まずとびひです。
また、頭の中にもできることがあります。じゅくじゅくとしたかさぶたが急に頭にふえるようならとびひのことが多いです。
とびひになったら、プール、湯船をひかえ、シャワー浴のみにし、ステロイド外用剤などは塗らないでください。また、タオルの共用はやめ、周囲に感染させないようにしてください。
はやめに皮膚科に受診していただければ早期に治すことができます。

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