断言本
医学というのは発展途上で、日々情報が更新されています。少し前に正しいとされていたことがひとつの論文でひっくり返されることも少なくありません。そのため病気のガイドラインも定期的に改定され、より正しい対応が常に模索されています。
なので臨床医は現在の疾患概念から診断方法、治療法まで100%確信を持って断言することはできません。色々な理論があり、色々な主張があり、明日、今日の知識は違ってしまうかもしれないからです。そのためほぼ毎日医学系の文献を読んだりしています。
最近、本屋さんに行くと断言する題名をよく見かけます。そのような本が並んでいると軽いめまいを覚えます。思考を停止してしまった人がこんなにいるのかと。さらにこのような一方的な考え方が支持される時代なんだなと少し恐ろしく思います。
昔飲尿療法というのが流行った時のことを思い出します。自分の尿を飲むと健康になるという…。自信を持って断言すれば、何でも支持してくれる人は少なからずいるものだと思います。重要なのは一片の迷いもなく極端な論理を貫くことなのでしょう。何かメディア受けする断言本でも書いて一稼ぎしてみたいものです(冗談)。
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