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2014年11月20日 (木)

体がかゆい

以前にもかきましたが・・・
最近からだがかゆいという方が多くなってきました。
ここ1,2週間でさむくなり、暖かい素材のものを着始めたのがきっかけです。
さむくなると化繊の暖かい素材、ヒー○テックをはじめとして数々の商品が世の中にでまわります。フリース素材のものを着たり、ズボンの内側がフリースだったり、パジャマがフリースだったり・・・
毛糸素材のものも暖かいのですが、かゆいのです。
10日前からかゆくなりました。と日付までおっしゃるので、よくよく聞くとその日からさむくて上下ヒー○テックをきていたり、暖パ○をきていたり・・・
化繊がだめだとわかっていても、なぜかこの素材はいいと信じて疑わないのです。
コマーシャルやテレビの洗脳は恐ろしいものです。
せっけんをやめ、化繊をやめ、綿を肌着にきましょう。

細かいことですが・・・・
タイツも無印良○などでは肌に触れる部分が綿素材のものもあるようです。
首回りも化繊のマフラーやスカーフにしていませんか?フリース素材のものが首に触っていませんか?
赤ちゃんの顔が荒れ出したのはだっこするお母さんのアウターが化繊やフリース、ヒー○テックではありませんか?
赤ちゃんをだっこするとき、弱い肌が触れる部分にガーゼなどやわらかい綿素材をあてましょう。

2014年11月17日 (月)

ディグニティーセラピー

 今日はディグニティーセラピーの講演会に行ってきました。尊厳療法と訳されるそうですが、終末期の患者さんに自分の人生を振り返り、大切な人へのメッセージを文章にすることで生きている意味、尊厳の維持を得ようというセラピーとのことです。

 末期の癌の方など、医師として根治的な治療を施すことのできない方に対してどういうアプローチをしてよいのかということはなかなか難しい問題です。これまでの医療はどちらかというと最後の最後まで抗がん剤などで頑張るという治療が主流でしたが、そういう無理な治療を疑問視する方向へ人も社会も変化してきています。最期は自宅で自然に逝きたいと思うことは自然なことです。状態により病院や施設で亡くなる方も少なくないですが、病院でも施設でも自宅でもその人らしい日々を穏やかな気持ちで過ごしていただきたいものです。ディグニティーセラピーというのはその手助けとしてすばらしい方法かもしれないなと思いました。
 

2014年11月14日 (金)

C型肝炎

今日はC型肝炎の講演会に行ってきました。少し前まではC型肝炎の治療というとインターフェロンを用いていて有効率や副作用の問題もありどうなのかなと思っていました。しかしこの数年くらいの間に複数の有効な薬剤が登場して今では85%程度の治癒率を達成しているとのことです。来年さらに新薬が登場したら96%もの治癒率が期待できそうとのことでした。
何か隔世の感があります。これらの薬が間に合わず肝臓ガンになってしまった方も少なくないので心苦しいような気もします。ウイルス性肝炎については検診もあり町田市では無料で検査できる方法もあるとのことですのでせめてこれからは検診やしっかりした治療を受けるように心がけましょう。

2014年11月13日 (木)

脊椎手術のジレンマ

 今日は脊椎外科の講演会に参加してきました。頚椎の神経が圧迫されて手の力が抜けたり痺れたり、腰椎の神経が圧迫されて下肢痛や間欠跛行を生じたりする方はたくさんいます。機械的に圧迫されている状態が原因だとすると、根本的には手術で圧迫を解除するのが正解であることは間違いありません。神経は圧迫状態が長く続くと圧迫を解除しても回復しにくくなります。

 症状が軽い早期のうちに神経の圧迫を解除した方が術後の成績がよいのですが、症状が軽い患者さんは手術を希望されないことが多いです。逆に症状が重くなると手術を希望されるのですが、神経圧迫が長く続いていると手術をしても症状が残り手術に対する満足度が低くなります。
 脊椎外科ではどのタイミングで手術を行うか、まだ定まった答えが出ていません。なかなか数値などで割り切れる解答はなく、MRIなど画像所見と臨床所見が一致しないことも少なくありません。なので手術に積極的な専門医に紹介すると手術を勧められ、手術に慎重な専門医に紹介すると手術は勧められないという現象が起こります。セカンドオピニオンといっても、その絶対的に専門医が正しいというわけでもありません。
 最終的には患者さんの意思、決断によるところが大きいので、経過を見ながらいろいろな意見を聞いて判断していただくことになります。
 膀胱直腸障害や麻痺の急速な進行など手術の絶対適応のような状態ではどうしても手術をお勧めしますが、軽症から中等症くらいまでは人生観なども伺いながら内服などで経過をみていただいてよいと思います。将来歩けなくなってから、やっぱり手術すればよかったという事態は避けられるとよいなと思います。

2014年11月10日 (月)

cross finger

 骨折というのは今でも完全に治らないことが少なくない外傷です。治療して完全に元の状態に戻ることが理想ですが、現実的な目標は日常生活に支障のないレベルに回復することです。

 手指の骨折でも、骨の変形や関節の可動域制限が残ることはあります。もちろん多くの骨折では問題なく治るのですが、骨折が激しかったり部位がよくない場合は完璧な治癒ではなくその骨折に対して最善のゴールを目指すということになります。
 手指の骨折で残る変形では、多少背屈や掌屈の位置で変形が残っても支障が少ないことが多く、また癒合過程で修復される可能性もあります。もっとも注意が必要なのはcross fingerと呼ばれる変形です。英語でcross fingerというとよい意味ですが、手指の骨折では指の回旋変形のことを言います。手指の回旋変形が残ってしまうと骨の癒合過程では修正されず、指を曲げた(手を握った)時に隣の指と重なってしまい大きな障害となります。
 骨折の固定で指先から手関節までまっすぐに副木を当てて固定すると、指がまっすぐかどうかはよくわかりますが回旋しているかどうかがよくわかりません。なので、基本的に指の根元の関節(手指の先から数えて3番目の関節)は屈曲位で固定します。この状態ですと、もっとも回旋変形に注意が必要な中手骨と基節骨の回旋の有無がよくわかります。中節骨と末節骨は伸展位で固定するのが基本なので、ここは爪の向きなどでチェックします。
 もし骨が癒合した後に回旋変形がわかった時にはギプスや装具では治せず、日常生活動作に支障がある場合は一度骨を切って修正して固定する手術が必要となります。
指が重なってしまうcross fingerになってしまったらリハビリやマッサージなどでは無理ですので手の外科へ受診するかどうか重症度などで相談が必要です。

2014年11月 9日 (日)

アンチ経済効果的医療

 経済効果という指標に基づいて考えると物事は絶望的なほど単純になり人としての心を失ってしまうように思います。今の経済学は天動説をひた走っているように見えます。例え多くの経済学者が正しいと信じていても、世の中を正しい方向へ進めていないことは明らかでしょう。例えば経済効果が最も高い産業は間違いなく戦争でしょう。超高額な商品を破壊のために使い、インフラごと無くしてしまうのですから復興需要まで考えると経済効果は抜群です。次に経済効果が高いのはカジノでしょうか。扱う商品は獲らぬ狸の革だけで良いのですから儲かることこの上ないものと思います。

 現在の経済学は要するに越後屋を儲けさせれば市民の懐も温まるはずだという考えに基づいています。環境のことなどは鑑みず働く人のことはコストと考えて大量生産大量消費路線を驀進する学問がこれ以上続いてよいものかどうか。本当にそれで良いのか?今の経済界の人たちはお天道様に顔を向けて断言できるのでしょうか。

 経済効果という観念で医療を見てみるとどうでしょう。美味しいものをたくさん食べ毎日お酒を飲んで、サプリや栄養食品を買い、ダイエット食品や特保を買って、その上治療としてお薬を飲む。まるで模範的な経済効果最大化を実行しているような状態になってしまっているのではないかと思います。なるべく食事や運動などの生活習慣を見直して医療や薬剤、介護に頼らない方向を目指すべきでしょう。それでも避けられない疾患はありますのでその場合にしっかりした医療介護を行う体制にしていく必要があります。

 診療所として、体調の安定した方にはなるべく長期処方をするようにしています。リハビリも漫然とはせず必要性や効果を診ながら行いたいと思います。薬はなるべく必要最小限で。ジェネリックも悪くないと思います。在宅医療にも対応していきたいと思います。地動説的な正しさを目指すというのは難しいことですが、これからの時代どの分野でも避けて通れない方向なのではないかと思います。

2014年11月 8日 (土)

町田市の診療所で…

 エボラ出血熱疑いの男性が町田市の診療所を普通に受診したらしいですね。これは他人事とは思えず、ぞっとしました。幸い検査では陰性だったようで何よりですが、現在の状況で感染拡大地域に渡航後に体調を崩して普通に診療所を受診してしまうなど、配慮が足りないにもほどがあるように思います。ビジネスで西アフリカまで行く方のようですので、インテリジェンスが低いとも思えないのですが、空港での指示など全く無視したということでしょうか。

 接触感染の疾患ではありますが、一般の診療所レベルで対応することはまず不可能です。もし普通に受診された場合、診療所が休診となり診療所スタッフのみではなく同じ日に受診された患者さんで接触した可能性のある方もリスクに晒されることになります。本当に大変な事態になることは避けられません。
 感染地域渡航後の帰国者に対しても性善説で自己申告制の対応をしていますが、これからインフルエンザの流行する季節になり発熱で来院される方が増えてきたら一体どうなることでしょう。外国から帰国した方は、日本では想定されない感染症の可能性もあるので自覚を持って対応していただけるようくれぐれもお願いいたします。

2014年11月 7日 (金)

上肢の変形性関節症

変形性関節症とは多くの場合、年齢的に軟骨がすり減り関節が変形してきて痛みや動きの制限を生じる疾患です。関節部の骨折や靭帯損傷などの外傷後には若くても生じることがあります。体質的というか家系的、遺伝的に変形性関節症を生じやすい場合もあります。

 下肢の変形性関節症では股関節や膝関節が多く、高齢になり歩行困難となる大きな原因となっています。早期のうちは運動療法やダイエット、鎮痛剤の使用やヒアルロン酸注射で改善することも多いですが進行すると人工関節が一般的な治療法となっています。
 上肢でも変形性関節症はよく起こるのですが、下肢ほど目立たない感じがします。上肢では指の第1関節、母指の根元の関節に起こることが多く、その他に指の他の関節や手関節、肘関節、肩関節にも生じていることが少なくありません。ただ、下肢では歩けないという重大な障害が起こるのですが上肢の場合動かし方を制限すれば日常生活への障害は少ないことが多くそのままにしている方が多いです。
 指や手関節の変形性関節症では腫れてきたりすると関節リウマチなどの炎症性疾患との鑑別が必要です。肩関節では五十肩と思っている方も少なくないので注意が必要です。肘関節の場合は多少動かなくても大きな障害がないのであまり治療となる方はいないのですが、たまに尺骨神経障害を起こすことや骨軟骨の破片が関節部に挟まり障害を起こすことなどがあります。
 上肢の変形性関節症に対する手術を希望される方はそれほど多くはありませんが、成績は比較的安定しておりどうしても痛みや機能障害が強い場合検討した方がよいこともあります。

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