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2014年11月13日 (木)

脊椎手術のジレンマ

 今日は脊椎外科の講演会に参加してきました。頚椎の神経が圧迫されて手の力が抜けたり痺れたり、腰椎の神経が圧迫されて下肢痛や間欠跛行を生じたりする方はたくさんいます。機械的に圧迫されている状態が原因だとすると、根本的には手術で圧迫を解除するのが正解であることは間違いありません。神経は圧迫状態が長く続くと圧迫を解除しても回復しにくくなります。

 症状が軽い早期のうちに神経の圧迫を解除した方が術後の成績がよいのですが、症状が軽い患者さんは手術を希望されないことが多いです。逆に症状が重くなると手術を希望されるのですが、神経圧迫が長く続いていると手術をしても症状が残り手術に対する満足度が低くなります。
 脊椎外科ではどのタイミングで手術を行うか、まだ定まった答えが出ていません。なかなか数値などで割り切れる解答はなく、MRIなど画像所見と臨床所見が一致しないことも少なくありません。なので手術に積極的な専門医に紹介すると手術を勧められ、手術に慎重な専門医に紹介すると手術は勧められないという現象が起こります。セカンドオピニオンといっても、その絶対的に専門医が正しいというわけでもありません。
 最終的には患者さんの意思、決断によるところが大きいので、経過を見ながらいろいろな意見を聞いて判断していただくことになります。
 膀胱直腸障害や麻痺の急速な進行など手術の絶対適応のような状態ではどうしても手術をお勧めしますが、軽症から中等症くらいまでは人生観なども伺いながら内服などで経過をみていただいてよいと思います。将来歩けなくなってから、やっぱり手術すればよかったという事態は避けられるとよいなと思います。

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