アンチ経済効果的医療
経済効果という指標に基づいて考えると物事は絶望的なほど単純になり人としての心を失ってしまうように思います。今の経済学は天動説をひた走っているように見えます。例え多くの経済学者が正しいと信じていても、世の中を正しい方向へ進めていないことは明らかでしょう。例えば経済効果が最も高い産業は間違いなく戦争でしょう。超高額な商品を破壊のために使い、インフラごと無くしてしまうのですから復興需要まで考えると経済効果は抜群です。次に経済効果が高いのはカジノでしょうか。扱う商品は獲らぬ狸の革だけで良いのですから儲かることこの上ないものと思います。
現在の経済学は要するに越後屋を儲けさせれば市民の懐も温まるはずだという考えに基づいています。環境のことなどは鑑みず働く人のことはコストと考えて大量生産大量消費路線を驀進する学問がこれ以上続いてよいものかどうか。本当にそれで良いのか?今の経済界の人たちはお天道様に顔を向けて断言できるのでしょうか。
経済効果という観念で医療を見てみるとどうでしょう。美味しいものをたくさん食べ毎日お酒を飲んで、サプリや栄養食品を買い、ダイエット食品や特保を買って、その上治療としてお薬を飲む。まるで模範的な経済効果最大化を実行しているような状態になってしまっているのではないかと思います。なるべく食事や運動などの生活習慣を見直して医療や薬剤、介護に頼らない方向を目指すべきでしょう。それでも避けられない疾患はありますのでその場合にしっかりした医療介護を行う体制にしていく必要があります。
診療所として、体調の安定した方にはなるべく長期処方をするようにしています。リハビリも漫然とはせず必要性や効果を診ながら行いたいと思います。薬はなるべく必要最小限で。ジェネリックも悪くないと思います。在宅医療にも対応していきたいと思います。地動説的な正しさを目指すというのは難しいことですが、これからの時代どの分野でも避けて通れない方向なのではないかと思います。
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