2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »

2015年2月25日 (水)

お母さんの視線が痛い

 足首の捻挫の考え方は、超音波検査が整形外科でも一般的になってきてから大きく変わってきたように思います。基本的に捻挫というのは靭帯損傷のことを指して言うことが多いのですが、超音波でよく見てみると靭帯の付着部側が剥離していることが少なくないことが分かってきました。特に小学生の捻挫では半数以上が剥離骨折であることが分かっています。骨折なのですがレントゲンでは角度的に写りにくい部位でさらに小学生では軟骨部分が多く軟骨も写らないためこれまでは捻挫と思われていた症例でもじつは骨折を伴っていたケースが多々あったものと思います。
 剥離骨折を伴っている場合、ギプスかシーネで初期固定をした方が治りがよいです。なのでしっかり固定することをお勧めするのですが、「なんで捻挫なのにこんなごっつい固定をするんだ?」というお母さんの無言の鋭い視線が痛いです。まあそれほど痛そうじゃないし弾性包帯固定くらいにするかな?と心が折れそうになることも多々あります。そんな時には、うちの子だったらどうするかと考えることにしています。うちの子だったらやはり剥離していたらしっかり初期固定するでしょう。
 ギプスやシーネで固定すると不安定性を生じないので、痛く無くなります。そうするとギプスやシーネのまま走って遊ぶようになります。すると今度は、「こんなに走っているくらいよくなっているのにいつまで固定するつもりなんだ。」という痛い視線を感じます。学会などで専門医の先生のディベートを聞いたりすると、普通にギプス6週間と話されたりします。さすがに診療所でギプス6週間は子供もお母さんも許してくれないことが多いです。U字型のシーネで取り外しできるようにして入浴ははずして入れるようにするとまだ固定していただけることが多いのですが、それでも平均3〜5週くらいの固定となることが多いものと思います。その時期ですと症状はとれていますが、剥離骨片が癒合している訳ではありません。一度剥離した骨片は癒合せずその場で分離したまま留まることも少なくありません。スポーツ選手などでは将来その骨片が障害となることもありますが、一般的には大きな問題を生じることは少ないと思います。
 高校生くらいになると剥離することは少なく、靭帯の損傷がほとんどです。この場合は不安定性がどの程度かが問題になります。因みに高齢者ではご本人が捻挫と思っていても外くりぶしの骨折が多くなります。
 同じ足首の捻挫と思っていても、年齢層により病態が異なります。その方ひとりひとりでどこがどの程度損傷しているか。細かく分類して治療する必要があります。

2015年2月19日 (木)

院内血液検査

 本日院内で血算を測定する器械を導入しました。昨年の秋に生化学検査用の検査機器を使用開始しておりましたので、これで一般の緊急採血を行うことが可能になりました。感染症や貧血、肝機能障害や腎機能障害の有無をその場で確認することができるようになりました。
 もちろん全ての検査を行うことはできないので外注の検査会社に依頼することが基本なのですが、いざという時に院内検査を行います。院内で全ての検査を行った場合緊急検査加算という料金が別途必要なことも考慮しないといけません。
 痛風後の高尿酸血症のみで尿酸値を下げる薬を処方している若い方などは3ヶ月処方をしていますが、今までは検査の際には薬が切れる1〜2週前に採血に来院していただき、もう一度後日処方に来院していただきその時に結果を確認していましたが、これからは安定した方には処方時1回の来院で採血してその場で少し待っていていただき結果を見て長期処方することも可能になります。関節リウマチなどで生物学的製剤を使用している方にも、その場である程度の判断をしての投与が可能です。
 在宅で往診している方でも夜間熱発した場合など自宅で採血して診療所に戻り緊急検査することも可能になりました。これから検査機器の利用方法をいろいろ考えていきますが、またひとつ診療所が成長した感じがしてうれしく思います。

2015年2月16日 (月)

microgeodic desease

 寒い時期に子供の手指や足指が赤く腫れると、一般的には霜焼けかなと思われます。霜焼けですと痛かったり痒かったりしますが、中に骨や関節が痛いという子もいます。寒冷時に骨にまで変化が及ぶ病気をmicrogeodic diseaseと言います。関節が腫れていると、小児リウマチなどとの鑑別診断が必要になります。典型的にはレントゲンを行うとリウマチとは異なった所見が現れますが、特に異常のないことも少なくありません。MRIを行うと診断を確定しやすいのですが、最初からMRIを行うのは過剰検査かと思われます。
 microgeodic diseaseであれば、腫れて痛い間は患部を安静にして冷やさないようにしていただき経過を診るだけで特に投薬は必要ありません。痛みに関しては湿布でよくなる子もいます。冷やさないように指示しておいて湿布はどうかという印象もありますが、テープタイプの湿布ではかぶれなければ痛みが和らぐ子が多いように思います。ただ、使用するかどうかは状態により異なります。
 学会などでは症例報告されることもありますが、MRIまで行って学会発表されることが少ないだけで市中にはよくある疾患なのだろうなと思います。
 腫れていたり痛い間に無理をしていると骨折を生じたり経過が長くかかることもあるようですので、無理しないようにしましょう。それでも改善傾向に乏しい場合、MRIや関節炎系の採血を行う必要があります。

 

2015年2月13日 (金)

踵の骨粗鬆症性骨折

 骨粗鬆症になると、本当に簡単に骨が折れます。孫を抱っこしたら腰がボキッといった、雪かきでスコップを使ったら痛くなった。くしゃみをしたら肋骨が痛くなった、腰のマッサージをしてもらったら逆に痛くなったという方もいます。

 踵の骨も、骨粗鬆症で骨折することがあります。段差を踏み外したとか原因があるとわかりやすいのですが、全く原因なく生じることが多いです。患者さんの訴えとしては、足が腫れたということが多いです。なので最初は蜂窩織炎や腱周囲炎、関節炎などの炎症を起こす疾患を考えてしまいがちです。足背が浮腫むこともあり、その場合は深部静脈塞栓症(エコノミークラス症候群)も除外診断に加えます。初診時のレントゲンでは全く骨折はわかりません。診断が確定できないまま炎症止めや抗生剤を内服したり弾性包帯やサポーター、副木などで固定をして経過をみているうちに、間隔をあけて撮影したレントゲンや検査依頼していたMRIの結果によってやっと踵骨の骨折が判明することも少なくありません。最初からMRIを行えば診断は容易なのですが、足の腫れた方全員にMRIを行うわけにもいかず悩ましいところです。
 何の原因もなく踵の骨折を生じてしまう位の骨粗鬆症では、しっかりした治療が必要です。すぐ後に脊椎の圧迫骨折を生じ、圧迫骨折の前兆かなと思うこともあります。

2015年2月 9日 (月)

手足の多汗症の治療


多汗症の分類には、特発性である一次性の多汗症と、原因となる基礎疾患がある二次性の多汗症にわけられます。
特発性多汗症の発症部位は、手掌(てのひら)、足底、腋窩(わきの下)、顔面などです。
その診断基準としては、
・発症年齢が25歳以下であること
・両側対称性であること
・睡眠中は発汗が止まっていること
・家族歴があること
・週1回以上の多汗のエピソードがあること
・日常生活に支障をきたす程の汗であること
以上から該当が2項目以上で診断されます。

社会生活、学校生活、または対人関係での問題として、試験の際答案用紙がやぶれる、握手ができない等があげられます。
このような場合、当院では塩化アルミニウム液(30ml400円)を単塗布または密封療法で治療する方法をとってきました。ある程度効果があるようです。しかし、これでも不十分な場合やかぶれで使えない場合があり、このたびイオントフォレーシスという治療機械を入れました。
手を水の中にいれ、電流を流し通電する方法です。約10分程度つけ、週に1,2回通院します。約8回ぐらいで効果がでてくるようです。直流電流を通電させることによって表皮内汗腺が閉塞する説や陽極側での電気分解した水素イオンの作用である説があります。手足の多汗症は著しくQOLを損ないます。お悩みのようでしたら、ご相談ください。

2015年2月 4日 (水)

交通事故後の受診、事後処理は可及的早期に

 追突などの事故で、最初大丈夫だったけれど後から痛くなってきたからということで時間が経ってから受診される方が時々います。我々医師は現場検証している訳ではないので、基本的に患者さんの言葉を信じて臨床的所見と合わせて診断しています。事故後数日程度でしたら事故の影響として考えられますが、あまり間隔が空いてしまうと事故のためと言い切ることが困難になります。
 警察に提出する診断書も、受傷時からの全治見込みを記載する必要があるのですが、それは基本受傷直後に診察した時点での見込み期間です。事故後目安1週間以上経過してから記載することは困難です。加害者もいることですので、もし裁判になったりすると、事故直後に受診もしていないのに後からなんだと言われるとどうしようもありません。
 事故当時に何ともないのに深夜救急病院に行く必要はありませんが、できれば翌日に一度医療機関を受診して診察と診断書記載を行うことをお勧めします。制度的、法的トラブルを避ける意味で少なくとも数日以内に受診するようにお願いいたします。

2015年2月 1日 (日)

日本食の弱点

 今日は1日研修会に参加してきました。大人になっても詰め込み教育かと思うととほほです。せめて講義を総論から始めて時間を潰すのはやめてほしいと思います。生活習慣病の話になると、やはり動物性脂肪の少なさや魚類の摂取の多さ、大豆を使った料理の多さなど日本食の優れた点が評価されます。最近は日本人の食事の欧米化が進行し、総コレステロールの値はアメリカ人より日本人の方が高くなってしまったという話をされていました。肥満度はかなり違うので意外に思います。あと数年後には脂質異常症にも生物学的製剤が導入される予定とのことでした。もうそうなったら薬剤費だけで医療費が破綻してしまうのではないでしょうか。そう思うとため息しか出ませんが、もちろん使用にはかなりの制限がかかることでしょう。

 日本食にも一つ弱点があります。塩分が多すぎるということです。アマゾンに食塩を全く得ることができない部族がいるそうで、その人たちのことを調べるとすべての年齢層で血圧が110/70を超えないそうです。日本人に脳卒中が多いのは塩分摂取が多すぎることが大きく関与しているとのことでした。塩分摂取の量と高血圧の人口比をグラフにすると、塩分摂取はエスキモー、アメリカ人、西日本人、東北の日本人と増加し、それと相関して高血圧の比率も増えて行くという結果になるとのことでした。
 塩分摂取が多い日本人が欧米の高脂肪食を摂り始めたらどうなってしまうのでしょう。あと数十年後にその結果も論文で発表されるのでしょうが、恐ろしい気がします。
 

« 2015年1月 | トップページ | 2015年3月 »