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2015年2月25日 (水)

お母さんの視線が痛い

 足首の捻挫の考え方は、超音波検査が整形外科でも一般的になってきてから大きく変わってきたように思います。基本的に捻挫というのは靭帯損傷のことを指して言うことが多いのですが、超音波でよく見てみると靭帯の付着部側が剥離していることが少なくないことが分かってきました。特に小学生の捻挫では半数以上が剥離骨折であることが分かっています。骨折なのですがレントゲンでは角度的に写りにくい部位でさらに小学生では軟骨部分が多く軟骨も写らないためこれまでは捻挫と思われていた症例でもじつは骨折を伴っていたケースが多々あったものと思います。
 剥離骨折を伴っている場合、ギプスかシーネで初期固定をした方が治りがよいです。なのでしっかり固定することをお勧めするのですが、「なんで捻挫なのにこんなごっつい固定をするんだ?」というお母さんの無言の鋭い視線が痛いです。まあそれほど痛そうじゃないし弾性包帯固定くらいにするかな?と心が折れそうになることも多々あります。そんな時には、うちの子だったらどうするかと考えることにしています。うちの子だったらやはり剥離していたらしっかり初期固定するでしょう。
 ギプスやシーネで固定すると不安定性を生じないので、痛く無くなります。そうするとギプスやシーネのまま走って遊ぶようになります。すると今度は、「こんなに走っているくらいよくなっているのにいつまで固定するつもりなんだ。」という痛い視線を感じます。学会などで専門医の先生のディベートを聞いたりすると、普通にギプス6週間と話されたりします。さすがに診療所でギプス6週間は子供もお母さんも許してくれないことが多いです。U字型のシーネで取り外しできるようにして入浴ははずして入れるようにするとまだ固定していただけることが多いのですが、それでも平均3〜5週くらいの固定となることが多いものと思います。その時期ですと症状はとれていますが、剥離骨片が癒合している訳ではありません。一度剥離した骨片は癒合せずその場で分離したまま留まることも少なくありません。スポーツ選手などでは将来その骨片が障害となることもありますが、一般的には大きな問題を生じることは少ないと思います。
 高校生くらいになると剥離することは少なく、靭帯の損傷がほとんどです。この場合は不安定性がどの程度かが問題になります。因みに高齢者ではご本人が捻挫と思っていても外くりぶしの骨折が多くなります。
 同じ足首の捻挫と思っていても、年齢層により病態が異なります。その方ひとりひとりでどこがどの程度損傷しているか。細かく分類して治療する必要があります。

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