日本食の弱点
今日は1日研修会に参加してきました。大人になっても詰め込み教育かと思うととほほです。せめて講義を総論から始めて時間を潰すのはやめてほしいと思います。生活習慣病の話になると、やはり動物性脂肪の少なさや魚類の摂取の多さ、大豆を使った料理の多さなど日本食の優れた点が評価されます。最近は日本人の食事の欧米化が進行し、総コレステロールの値はアメリカ人より日本人の方が高くなってしまったという話をされていました。肥満度はかなり違うので意外に思います。あと数年後には脂質異常症にも生物学的製剤が導入される予定とのことでした。もうそうなったら薬剤費だけで医療費が破綻してしまうのではないでしょうか。そう思うとため息しか出ませんが、もちろん使用にはかなりの制限がかかることでしょう。
日本食にも一つ弱点があります。塩分が多すぎるということです。アマゾンに食塩を全く得ることができない部族がいるそうで、その人たちのことを調べるとすべての年齢層で血圧が110/70を超えないそうです。日本人に脳卒中が多いのは塩分摂取が多すぎることが大きく関与しているとのことでした。塩分摂取の量と高血圧の人口比をグラフにすると、塩分摂取はエスキモー、アメリカ人、西日本人、東北の日本人と増加し、それと相関して高血圧の比率も増えて行くという結果になるとのことでした。
塩分摂取が多い日本人が欧米の高脂肪食を摂り始めたらどうなってしまうのでしょう。あと数十年後にその結果も論文で発表されるのでしょうが、恐ろしい気がします。
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