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2015年3月26日 (木)

ポリファーマシーとポリドクター

最近ポリファーマシーという言葉をよく聞きます。要するに薬を多く飲み過ぎてはいけないというメッセージです。年齢とともにどうしても持病が増えていきます。それぞれの疾患に対して最もよい治療をしようとすると内服する薬はどうしても増えていってしまいます。多数の薬を飲むこと自体が予後を不良にするという報告もあり、内服する薬はなるべく制限していかないといけません。
ポリファーマシーになってしまう一番の原因は実はポリドクターにあるのではないかと思います。高血圧は循環器内科専門医、糖尿病は内分泌内科専門医、その他にも消化器内科、整形外科、皮膚科、眼科などなどそれぞれの病院でそれぞれの専門医を受診すると、専門医としては最高の治療をしようとするためにあっという間に10種類以上の薬になってしまいます。
持病が一つか二つくらいの若い年代の方はそれで良いと思いますが、特に後期高齢の年代の方でいくつも病気をがあるような場合にはどの疾患を重点的に治療してその他の疾患はほどほどのコントロールにするといった配慮が重要になってきます。実は専門性の高い医師ほど、自分の分野の薬をほどほどにするということには抵抗があるものです。その辺は診療所で働く医師として配慮していかないといけないなと思います。
鎮痛剤を頓服している方や湿布だけ希望される方には、かかりつけの内科の先生に一緒に処方してもらっても良いですよと言うこともあります。ここに来てはダメということですか?と怒られることもありつらいのですが、そうではなくて専門的な診察が必要な時に来院していただき安定している時には受診する医師をまとめた方が患者さんにとっても国にとっても体にもお財布にもやさしいですよということです。
物忘れも心配になってきた、介護保険の申請も検討したい、いろいろな病院を受診する元気がなくなってきたという年代になったら、少し考えた方が良いと思います。

2015年3月17日 (火)

半月板のう腫

のう腫というのはガングリオンとほとんど同じもので、様々な関節の周囲にできます。手関節や足関節の周囲にできることが多くクリッとした皮下腫瘤がよく触れます。
これが膝関節の中にできることがあります。関節内なので外からはわからないことも多いのですが、膝を曲げた時にプクッと膝の前が膨れるようになることもあります。膝関節痛の一つの原因となりますがひどく痛いことは少ないように思います。
膝関節内ののう腫の多くは半月板から発生しており、半月板損傷に合併して生じていることが多いです。靭帯周囲にから生じていることもありますが、この場合さらに深い部位なのでより発見しづらいです。
半月板のう腫は半月板の外側に生じていることが多く超音波検査で発見できますが前十字靭帯周囲のものはMRIでないとわからないことも少なくありません。
治療としては根本的には内視鏡での手術が必要です。半月板の損傷部位を処置するのが基本です。時に注射器で穿刺するとそのままよくなる方もいます。経過観察のみで自然と消退することもあり急いで手術を行う必要は一般的にはありません。膝痛の原因として、レントゲンでは分からない疾患の一つとして考えるとよいかもしれません。

2015年3月16日 (月)

五十肩と乳がん

 中高年の方で肩が痛いと五十肩と思っている方は多いと思います。実際は狭義の五十肩の方というのはそれほど多くありません。五十肩というのは他の病気による肩関節痛を全て除外した上で初めて決められる病名で、肩が痛くなる病気には様々なものがあります。
 急に肩に激痛を生じて夜も眠れないという発症の仕方ですと、カルシウム系の結晶が腱の部分に沈着する石灰沈着症のことが多いです。肩が上がらなくなった場合には腱板損傷という疾患も少なくありません。腱板は明らかな外傷がなくても断裂していることも多く注意が必要です。その他にも炎症性の疾患や変形性肩関節症になっている方も意外といます。頚椎由来の神経症状で肩のみが痛いということもあります。狭心症などの内臓疾患でも肩に痛みを訴えることもあります。
 もっとも注意が必要なのは、悪性腫瘍による肩関節痛です。上腕骨近位には転移性腫瘍を生じることもあります。骨嚢腫など骨疾患もあります。
 最近、早期の乳がんで五十肩と同じ症状を呈することがあるということに注意しています。五十肩と診断して経過を診ていた症例で、「最近胸にしこりがあるのよ。」と相談されたことがあります。比較的高齢の方でもあり診察したところ確かにしこりが触れ、超音波で見ると不整な形態でした。すぐに乳腺外科の専門医に紹介したところやはり乳がんと診断され手術となりました。幸い早期でその後完治しました。それからは肩の痛みもなくなりました。治療中に自然治癒した五十肩だったのかもしれませんが、乳がん由来の肩関節痛だったのかなというのが臨床的な印象です。その他にも同じような方がいました。
 女性の五十肩では、乳がんも鑑別疾患に加えた方がよいように思います。ただ、五十肩と思われる女性の胸を診察などしたら確実にセクハラになってしまうと思いますので積極的に診察することは困難です。乳がんは女性が自分でも診察できる腫瘍の一つです。女性が五十肩らしい症状を生じたら一応胸にしこりがないか自己診察をしてみるようお願いいたします。乳がん検診もできれば受けるようにした方が安全かと思います。もし診察、精査をご希望でしたら申し出ていただけますと幸いです。

2015年3月13日 (金)

医薬分業の見直しに思う

ついにメディアで報道されるようになりましたね。10年も前からいずれこういう方向になるものと思っていました。そもそも医療も調剤も介護も分離できるものではありません。もし分離するのであればイギリスのように共通して利用できる情報共有システムを導入するのが必須です。
もちろん国はそんなシステムを構築する気は現在まで全くないようです。データ形式の統一さえも行おうとしていないので、今後共通システムに移行しようとしても既に使われているシステム内の情報は取り込むことができないでしょう。
今更患者さんの利便性を考えると院内に薬局があったほうがよいなどとメディアはよく言えたものです。そんなことは院外にする時点でわかりきっていたことです。医療費の面でも医療機関での費用と薬局での費用が掛かる訳でコストが嵩むことも分かりきっていたはずです。
なのに何故今までひたすら院外処方にさせてきたのか。 そして何故この時点で院内回帰を目指すのか。雲の上の人達の長期戦略に最前線の人間は流されるしかないのでしょうね。たとえ流されたとしてもうまく波乗りしていきたいものです。

2015年3月 8日 (日)

さじ加減

薬の標準的処方量というのはいい加減なものだなと思います。例えば消炎鎮痛剤は20歳のラグビー選手も70歳の高齢者でも1日3錠毎食後などとなっています。体格や臓器の機能を考えると無茶な話でしょう。そこは医師の臨床的な勘で決めていくしかないのが実際だと思います。
最近は鎮痛剤も消炎鎮痛剤だけではなくアセトアミノフェンや神経系の鎮痛剤や中枢性の鎮痛剤や向精神薬などを使用して、しかも量も微調整するようになっています。新しい薬が登場すると、最初は標準的治療法で使用するしかないのですが、診療をしていると臨床試験ではわからない効果や副作用が出てきて実際の臨床感覚で微調整していくことになります。
印象として大学病院などの大きな病院ほど標準的容量で使用していて、小さな診療所ほど微調整しているような気がします。診療所では患者さんとの心の距離が近いので、患者さんの薬の評価と直に接することができる面が大きいのではないかと思います。大きな病院の薬は医師に話さずに飲んでいないという患者さんも少なくありませんが、診療所では「あの薬はダメだよ先生。」とはっきり言われてしまいます。患者さんから勉強するということは本当に大事です。
最近認知症やパーキンソン病の薬の調整について勉強するようにしています。どうも現状の標準的容量はうまくいっていないのではないかと疑問に思うことが少なくありません。特に認知症では初期投与量から漸増していかないといけない決まりになっていますが、副作用で飲めない方も少なくありません。どうして一般的な薬のように微調整してはいけないのか疑問に思います。
さじ加減には医師の経験が詰まっています。20年経ってもまだまだ難しいものです。

2015年3月 7日 (土)

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