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2015年3月16日 (月)

五十肩と乳がん

 中高年の方で肩が痛いと五十肩と思っている方は多いと思います。実際は狭義の五十肩の方というのはそれほど多くありません。五十肩というのは他の病気による肩関節痛を全て除外した上で初めて決められる病名で、肩が痛くなる病気には様々なものがあります。
 急に肩に激痛を生じて夜も眠れないという発症の仕方ですと、カルシウム系の結晶が腱の部分に沈着する石灰沈着症のことが多いです。肩が上がらなくなった場合には腱板損傷という疾患も少なくありません。腱板は明らかな外傷がなくても断裂していることも多く注意が必要です。その他にも炎症性の疾患や変形性肩関節症になっている方も意外といます。頚椎由来の神経症状で肩のみが痛いということもあります。狭心症などの内臓疾患でも肩に痛みを訴えることもあります。
 もっとも注意が必要なのは、悪性腫瘍による肩関節痛です。上腕骨近位には転移性腫瘍を生じることもあります。骨嚢腫など骨疾患もあります。
 最近、早期の乳がんで五十肩と同じ症状を呈することがあるということに注意しています。五十肩と診断して経過を診ていた症例で、「最近胸にしこりがあるのよ。」と相談されたことがあります。比較的高齢の方でもあり診察したところ確かにしこりが触れ、超音波で見ると不整な形態でした。すぐに乳腺外科の専門医に紹介したところやはり乳がんと診断され手術となりました。幸い早期でその後完治しました。それからは肩の痛みもなくなりました。治療中に自然治癒した五十肩だったのかもしれませんが、乳がん由来の肩関節痛だったのかなというのが臨床的な印象です。その他にも同じような方がいました。
 女性の五十肩では、乳がんも鑑別疾患に加えた方がよいように思います。ただ、五十肩と思われる女性の胸を診察などしたら確実にセクハラになってしまうと思いますので積極的に診察することは困難です。乳がんは女性が自分でも診察できる腫瘍の一つです。女性が五十肩らしい症状を生じたら一応胸にしこりがないか自己診察をしてみるようお願いいたします。乳がん検診もできれば受けるようにした方が安全かと思います。もし診察、精査をご希望でしたら申し出ていただけますと幸いです。

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