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2015年5月13日 (水)

ジェネリック薬の落とし穴

 現在、国は医療費節約のためにジェネリック薬の使用を推進しています。当院では一般名処方にして、患者さんのご希望も含めジェネリック薬の使用を積極的に取り入れています。私自身も薬を飲むときにはジェネリック薬を飲むことが少なくありません。客観的に考えて同じ化学式で構造も同じに作られたジェネリックであれば効果にそれほど差はないはずと思います。純度や添加物の違いで効果や副作用に差が出るという話もあり、実際先発薬とジェネリック薬で副作用の違いがあった方もいますので、一人一人考えながら使うようにするとよいのではないかと思います。
 しかしジェネリック薬にはひとつ大きな落とし穴があります。それは、先発薬とジェネリックで適応症が異なることがあるということです。厚労省の方の頭は大丈夫か?と心配になってしまうのですが、効果は同等なのでなるべく積極的にジェネリック薬を使いましょうと言っておきながら、使える病気の範囲で先発薬とジェネリックに差を作るなんて理解できません。
 効果が同じと言うのなら適応症を同じにすべきで、適応症を違うことにするなら効果は同等ではないと言うべきでしょう。
 これは制度上の問題なのかそれとも単に思考が足りないのかと思いがちですが、実は深い深い官僚的思考が働いているものと最近は理解しています。
 私たち医師が一般名処方をしてジェネリック薬を使用すると医療費が節約できるのですが、さらにここで薬剤師がうっかり適応症のないジェネリック薬を選択してしまうと適応外使用となり処方箋料を査定されさらに医療費が節約できます。厚労省は蟻地獄のように巧妙な落とし穴を開けて今か今かと待っているのでしょう。(考えすぎか。)
 もっとも安全に処方するなら、適応症の異なるジェネリックのある薬剤は全て使用しないで先発薬縛りにするのが確実です。厚労省にはそれでもよいのか聞きたいくらいです。

 

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