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2015年6月 1日 (月)

collagenous colitis

 慢性的に下痢をしているのは体力的にも精神的にも非常につらいものです。慢性の下痢では過敏性腸症候群が最近注目されていますが感染症、炎症性腸疾患、内分泌疾患や大腸ガンなどにも注意が必要で一度消化器内科専門医に相談する必要があります。

 最近、collagenous colitisという疾患に少し注目しています。というのも、自分自身がこの疾患になっていたのではないかと思えるようなことがあったからです。時々激しい下痢になり脱水気味になるくらいでした。突然発症して自然に治り、いつ下痢になるのかわからない感じで食べ物のせいか?とか何かのアレルギーか?とかいろいろ考えましたが特定できずにいました。当然消化器内科専門医に相談するべきでしょうが、なかなか行く機会もなく考えあぐねていました。ふと文献でcollagenous colitisを読んで、そういえば時々PPI(プロトンポンプ阻害剤:胃潰瘍の薬)を飲んでいるなと思い、以後全く飲まないようにしたところ下痢になることは全くなくなりました。
 collagenous colitisとは長期間持続する下血を伴わない頻回の水様下痢を主症状とする疾患で、腹痛や体重減少、低蛋白血症を伴うこともあります。免疫系の異常が原因と考えられていて、自己免疫疾患等に合併することも多いそうですが薬剤の副作用として起こる事もあります。原因薬剤として消炎鎮痛剤、PPI製剤、SSRI製剤(選択的セロトニン再取り込み阻害剤:抗うつ薬)などの関与が指摘されています。
 通院中の患者さんでもひとり同じようにPPIを内服中に下痢が続き、いちおう中止していただいたところ下痢がぴたりと止まったこともありました。確定診断にはやはり消化器内科専門医に依頼して内視鏡検査や病理検査を行う必要があるようですが、この疾患が疑われる場合いったん原因となりそうな薬剤を中止してみるとよいのではないかと思います。ご本人も処方している医師も気づいていないだけで、実際はたくさん症例はあるのかもしれません。下痢が蔓延と続く場合、少し考慮してみるとよいかもしれません。

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