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2015年6月27日 (土)

股関節疾患による坐骨神経痛

坐骨神経は腰椎から出て殿部、股関節の背中側を通り大腿の背側を下りていきます。なので坐骨神経痛というと、殿部から大腿背側へ放散していく痛みやしびれを指します。下肢の前方の痛みや下肢全体の痛みは神経系統から言うと坐骨神経痛とは言えません。

 坐骨神経痛の原因としては当然腰椎疾患が最も多いです。腰椎での脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、すべり症、腫瘍などなど様々な原因で坐骨神経痛を生じます。なので我々専門医でもどうしても腰椎疾患を想定してしまいがちです。そんな中で頻度は少ないものの、腰椎より下流での神経障害もあります。殿部での通過障害として梨状筋症候群などがあり、殿部での神経腫などもあり得ます。早期のパーキンソン病のような神経内科的疾患でも坐骨神経痛のような下肢背側の不快な症状を呈することもあります。
 ひとつ注意が必要なのは、股関節疾患でも腰椎疾患と同じような坐骨神経痛を生じることがあるということです。症状からは腰椎疾患と区別がつかないこともあります。腰椎の所見を取り、腰椎のレントゲンやMRI検査を受けると腰椎にも所見が発見されそれが原因と診断されてしまうことも少なくありません。中には腰椎の手術を施行されてから良くならないことで、他の原因を検索され股関節の疾患が診断されることもあります。これは脊椎専門医でも起こることがあります。忙しい外来で、それこそ3時間待ち3分診療だと十分な鑑別診断ができないこともあるからです。一箇所の病院で診断できず次の医師が診断したからと言って、後出しジャンケンと同じで後で診察した医師の診断技術が高いという訳でもないかもしれません。
 股関節疾患による坐骨神経痛を疑うには、簡単なところではあぐらをかきづらいとか歩行時体重をかけると痛いとか靴下を履いたり爪を切ったりするのがつらいといったことがあれば注意が必要です。

2015年6月22日 (月)

副甲状腺製剤使用後

 骨粗鬆症の治療薬として副甲状腺製剤が使用できるようになってしばらく経ちました。従来使用してきた骨粗鬆症薬の主役であるビスフォスフォネートが骨の吸収を抑制する作用であるのに対して副甲状腺製剤は骨の形成を促進する薬であるため、骨折後に使うと治るのが早まることが期待できます。
 臨床的な実感としても、脊椎の圧迫骨折後に用いると治りが早いように思います。ただ、この薬は一生のうちで1.5年〜2年の間しか使用できないことになっているため何時使うのか、どれだけの期間使用するのかはよく検討する必要があります。
 最近、副甲状腺製剤を使用し終えた方が新規に骨折をするケースが生じてきました。残念ですがこの場合骨粗鬆症に対しては従来の薬を用いていくしかない状況です。もちろんそれでも骨折の多発を防ぐ効果はあるのですが、今後このようなケースが増えて行くのかなと思います。
 当院では初回の副甲状腺製剤の使用はまだ骨折後に導入することがほとんどですが、骨折部が癒合し落ち着いたら半年程度でいったん副甲状腺製剤を終了することが多いです。費用が高い、注射を頻回にしないといけないなどの理由もありますが、また骨折した時のために使用可能期間が残っている方が安心かなと考える面もあります。これは考え方なので、1.5〜2年の使用可能期間を完遂してから従来の薬に切り替えるという治療方法でもよいと思いますが、治療をしながら相談して決めていくとよいと思います。ご希望がありましたら遠慮なく言っていただけますと幸いです。

毛虫皮膚炎の季節になりました。

先週からけむし皮膚炎の方がいらっしゃっています。

毛虫をみて、それを棒でたたいた?という方、身に覚えのない方も・・・

サザンカの木や椿の木が家や通学路、通勤路にある方、突然かゆくてあかいぶつぶつができたら、毛虫を疑ってください。毛が飛んで、皮膚にささるので、触った覚えがなくても起きます。

夏服のような薄い生地でしたら、通り越して刺さります。(なので、脇腹や二の腕のところにもおこります)

一番強いステロイド外用薬を1週間ぬればすっきりすぐに治ります。受診した方がはやく楽になります。

2015年6月21日 (日)

内科常勤医になりました。

はじまして。平成22年4月から増子整形外科まり皮フ科に週1回勤務をしておりましたが、今年の4月より内科の常勤医になりました中村文昭です。早いもので常勤医になり3か月が経過しました。

自己紹介をさせていただきます。東京慈恵会医科大学を卒業し,同大学の総合診療内科で勤務しておりました。狛江市にある附属第三病院や相模原病院循環器内科等で,心臓病はじめ内科疾患全般の診療に携わっていました。その他、災害医療、緩和ケア、在宅診療にも従事し、循環器専門医も取得しております。

急速に進む高齢化社会において、患者さん一人ひとりの状態にあった医療を心がけ、外来から在宅診療までおこなっていきたいと考えています。何でも相談してください。よろしくお願いします。

2015年6月17日 (水)

壊死性筋膜炎

整形外科、皮膚科の医師にとって最も診断したくない疾患の一つに壊死性筋膜炎というものがあります。何らかの原因で皮下に感染が広がり、筋肉を包んでいる筋膜という組織が壊死してしまう(腐敗して溶けるようになってしまう)疾患です。それだけではなく広範に組織障害が広がり、ショックを呈して亡くなってしまうことも少なくありません。糖尿病や肝硬変のような免疫力が低下する疾患に合併して生じることが多いのですが、はっきりした原因がないことも少なくありません。

 原因となる菌の種類によって症状や進展様式が異なります。最も進展が速いタイプの疾患を劇症型と言います。数例経験したことがありますが、このタイプの方は残念ながら救命することは難しいと思います。外来で待っている間に血圧が低下し急速にショック状態となっていきます。足先が少し腫れていたような方が、みるみるうちに皮膚の色調が変わっていきます。皮膚色の変化の境界にマジックで線を引いておくと、10~20分後にはその線より頭側まで皮膚色が変化していきます。そうなるともう全身管理し点滴して、できれば切断を含めた外科的処置をして祈るばかりですが、その日か翌日には亡くなってしまいます。これはもう運命としか言いようがありません。
 他のタイプではそこまで急速ではありませんが、やはり広範囲に壊死が広がり、大きな外科的処置が必要となったりします。ガスを発生する菌では、皮膚を押すとブヨブヨと雪を踏むような感触がありレントゲンでガスが映ります。
 早期に診断するためには、足などが腫れてきたら水泡や血泡を生じていないか、色調の変化が急速に広がらないかを観察して我慢せずに早急に医療機関に受診することが必要です。血圧が低下してきた、脈が正常ではないなどの変化がある場合は救急受診が必要です。迷う場合は電話相談をしてから受診先を選択するとよいと思います。
 その前にまず糖尿病などはしっかりコントロールする、肝障害のある方もしっかりそのリスクを把握しておくなど日頃の体調管理が大切です。

2015年6月11日 (木)

便秘解消法

アトピー性皮膚炎などが腸内環境と関連がある可能性のある論文がちらほらでてきているようです。やはり腸内環境を整えることは大事なことかもしれません。
医療ですと、整腸剤(乳酸菌)などをだすことがせいぜいなのですが、生活で実践すべきことがあるようです。
1.朝起きたときに200-300mlの常温の水を一気に飲む(→腸を動かすため)
2.水溶性食物繊維とヨーグルトをいっしょにとること
  ひどい慢性の便秘だと、不溶性食物繊維はかえって苦しくなる原因になるようですが、一   般的には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の比は1:2がいいようです。
  水溶性とはりんご、バナナ、こんにゃく、わかめなど。
  不溶性はごぼう、さつまいもなど。
3.適度な運動。30分のウォーキングを週2、3回程度。
4.毎朝同じ時間にトイレに入り、5分ぐらいで排便してもしなくてもトイレからでる。
5.便座に座ったままゆっくりと左右に上半身をねじる。腹部を伸ばしてひっこめる。右肘を左膝につける。またその逆も。つまり、腸をそとから動かす運動のようです。
 とある番組で見た方法なのですが、試していい方法かもしれません。
便秘でアトピーがひどい方、体の痒い方、ためしてみてください。

2015年6月 8日 (月)

うつ病と殺虫剤

 うつ病エピソードの経過または殺虫剤個々についての検討を米国・ ノースカロライナ大学で行ったそうです。殺虫剤を個人で散布した男性のデータを解析し、殺虫剤の曝露とうつ病との関連を調べたそうですが・・・・その結果、2系統(燻蒸剤・有機塩素系)、 7種類(リン化アルミニウム、二臭化エチレン、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸、ジエルドリン、ジアジノン、マラチオン、パラチオン)において、う つ病との明らかな関連が認められたこととのこと。
 化学物質といろいろな病気について関連が言われておりますが、うつ病との関連があるとは知らなかったです。また、殺虫剤とアルツハイマー病の発症にも関連があるとの報告があるようです。ある遺伝子を有する方で、殺虫剤の代謝産物の濃度が高いと、アルツハイマー病で脳内に増えるアミロイド前駆体蛋白レベルの増加がみられたとのことです。
 ホームセンターにいくと普通に誰もが手に入れられる形で殺虫剤が売られています。自分は使っていなくてもどこでまかれているかわかりません。
 うつ病やアルツハイマーの患者さんが増えているのはこういうことも一理あるのかもしれません。
 殺虫剤をつかうと益虫も殺していまいますのでできる限り使わないほうがよいかもしれません。以前にも書きましたが、庭にあるサザンカの毛虫は卵の内にゴム手袋でにきりツブして駆除し、枝を剪定して風通し良くした年からあまりわかなくなりました。
 これから夏暑くなるとダニに刺される方も増えますが、燻蒸剤をつかって殺虫する方が増えます。これらを使ってもダニに刺されなくなることはあまりないことが多いように思います。ダニに刺されてあらかじめバル○ンなどを何回もたいてもまだ刺されると訴えてくる方もすくなからずいらっしゃるからです。
 害になる可能性もあるので、殺虫剤は極力使わないようにしてください。普通に掃除をしたり布団を干したり、布団を掃除機にかけるぐらいで十分です。
 うごく害虫を殺すなら凍結で殺すスプレーなどを使うといいと思います。
 なんでも売ろうとするコマーシャルに惑わされないように・・・・

2015年6月 7日 (日)

整形外科の手術は嫌?

整形外科は脊椎、関節、筋肉や神経、骨などいわゆる運動器を扱う診療科です。骨腫瘍なども診療しますが多くの場合生命に直接関係するような疾患ではありません。
例えば腰部脊柱管狭窄症や膝の変形性関節症では歩けなくなってきたり痛みやしびれなどの症状が強くなってくると手術をお勧めすることが少なくありません。ただ基本的には癌や心血管疾患などのように手術をしないと死亡する可能性が高い場合とは違って患者さんにしっかりした希望がなければ強くは話を進められない面があります。
手術は絶対に嫌という方は少なくありません。内服薬や注射やリハビリなど様々な治療を行っても改善せず、手術によって十中八九改善するであろう状態でも手術を選択しない方は少なくありません。
70歳台までの比較的若い方では、手術は怖いとか、友人で手術をした人が経過が良くないからしない方が良いと言っていると話されることが多いように思います。そういう場合、膝関節などであればご本人が日常生活動作を何とか行えているようであれば手術をしないという選択肢もアリだと思います。脊柱管狭窄症などの神経疾患では神経障害が進行してしまうと回復も思わしく無くなっていく旨はお話しするようにしています。それでも手術を回避して経過をみるのかどうかよく相談していく必要があります。もちろん麻痺を生じているような重症な方には強く手術をお勧めします。
80歳頃の方では、もう歳だから手術はしたくないと言う方が多いです。最近の手術は心臓などに大病がなければ80歳頃の手術はほとんど問題ありません。この年頃の方には、このまま手術をしないで経過をみてもし本当に歩けなくなっても後悔しませんか?とお聞きすることもあります。手術をすれば90%以上の確率で日常生活動作を自立していけそうな方で手術しなければ早晩歩行困難になりそうな方でも手術はリスクがあるから絶対に嫌と言われますと、誰も手術を強制することはできません。
そのような方がその後どうなるかと言うと、85歳くらいになって本当に歩けなくなってくるとどうにかして欲しいと言われることが少なくありません。さすがに85歳になって手術をするのは心身的にリスクが高いと思います。しかし最近はそれでも全身的に大きな合併症がなければ手術を行うことは可能です。ただやはり余病が出てきて手術ができなくなっている方も少なくありません。そうするともう車椅子の使用や介護サービスの利用などによって対応していくしかなくなります。また、術後回復すると言ってもドンドン歩けるようになる訳ではありません。
最近は手術は怖いから介護で掃除などをしてもらえればそれで良いと言う方も増えているように思います。85歳を超えているような方であればそれでも良いように思いますが、65歳とか70歳の方に言われるとどうなのかなと思わざるを得ません。もちろん手術はリスクを伴いますので個々人でどうするか決めるしかないとは思いますが、手術をして自立した生活を維持するという選択肢をとらず、この先20年30年とヘルパーさんの援助を受けていくという選択をされる方が増えてきたら社会保障が成り立つのだろうかという不安を覚えます。
脊椎の手術や人工関節の手術を自分で行って患者さんの回復具合を診てきた整形外科医だからこう考えてしまうのかもしれません。介護申請した時に、介護職の方に手術を勧められることもあるのでしょうか?ケアマネージャーさんには動きにくい方がいたらヘルパーさんを入れて介護リハを入れて訪問マッサージを入れてとサービスを増やしていくことを考える前に、もしかしたら手術によって自立した人になるかもしれないという発想も少し持っていただけるとよいのかなと思います。

2015年6月 1日 (月)

collagenous colitis

 慢性的に下痢をしているのは体力的にも精神的にも非常につらいものです。慢性の下痢では過敏性腸症候群が最近注目されていますが感染症、炎症性腸疾患、内分泌疾患や大腸ガンなどにも注意が必要で一度消化器内科専門医に相談する必要があります。

 最近、collagenous colitisという疾患に少し注目しています。というのも、自分自身がこの疾患になっていたのではないかと思えるようなことがあったからです。時々激しい下痢になり脱水気味になるくらいでした。突然発症して自然に治り、いつ下痢になるのかわからない感じで食べ物のせいか?とか何かのアレルギーか?とかいろいろ考えましたが特定できずにいました。当然消化器内科専門医に相談するべきでしょうが、なかなか行く機会もなく考えあぐねていました。ふと文献でcollagenous colitisを読んで、そういえば時々PPI(プロトンポンプ阻害剤:胃潰瘍の薬)を飲んでいるなと思い、以後全く飲まないようにしたところ下痢になることは全くなくなりました。
 collagenous colitisとは長期間持続する下血を伴わない頻回の水様下痢を主症状とする疾患で、腹痛や体重減少、低蛋白血症を伴うこともあります。免疫系の異常が原因と考えられていて、自己免疫疾患等に合併することも多いそうですが薬剤の副作用として起こる事もあります。原因薬剤として消炎鎮痛剤、PPI製剤、SSRI製剤(選択的セロトニン再取り込み阻害剤:抗うつ薬)などの関与が指摘されています。
 通院中の患者さんでもひとり同じようにPPIを内服中に下痢が続き、いちおう中止していただいたところ下痢がぴたりと止まったこともありました。確定診断にはやはり消化器内科専門医に依頼して内視鏡検査や病理検査を行う必要があるようですが、この疾患が疑われる場合いったん原因となりそうな薬剤を中止してみるとよいのではないかと思います。ご本人も処方している医師も気づいていないだけで、実際はたくさん症例はあるのかもしれません。下痢が蔓延と続く場合、少し考慮してみるとよいかもしれません。

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