2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

« 顔がかゆいんです | トップページ | すべすべがいいのでしょうか »

2015年9月10日 (木)

自殺予防週間

 今日から1週間は自殺予防週間とされています。日本の自殺者数は交通事故死よりもはるかに多く、世界的に見ても多い水準で推移しています。何とか減らすことができるとよいのですが、一般社会が苦しい状況の昨今ではなかなか難しい問題です。
 先日、うつ病の講演会に行ってきました。日本ではうつ病の生涯罹患率は12%くらいで、8〜9人に一人は一生のうちに一度はうつ病になる計算です。決して稀な病気ではなく、少し大きな職場であれば必ずうつ病の方が一緒に働いていると考えた方がよいと思います。最近集中力がないとかミスが多いという場合、何の配慮もなくすぐに叱るようでは典型的ダメ上司です。能力的な問題ではなく精神的な要因である可能性もあり、メンタルケアに対する考慮が必要です。
 うつ病のスクリーニングとして2質問+1法というのが紹介されていました。
1.この1ヶ月間に気分が沈んだり、憂鬱な気持ちになったことがよくありましたか?
2.この1ヶ月間に物事に対して興味がわかない、心から楽しめないということがよくありましたか?
という二つの質問で一つでも当てはまる場合は一度カウンセリングや心理的な相談をした方がよいかもしれません。もう一つ
+1.そのことに対して支援(ヘルプ)が必要ですか?
という質問を加えて、これも「はい」である場合は精神科専門医を受診した方がよいです。もしいきなり精神科専門医を受診するのがはばかられる場合はかかりつけの一般医でも大丈夫です。どこかで誰かと繋がって心の中を表現してみることが大切です。
 うつ病の方が自殺をしてしまう前の1ヶ月以内に半数くらいの方は医療機関を受診し、そのうち半数以上は精神科以外の医療機関を受診しているとのことです。うつ病の早期でも精神科以外の医療機関を受診することが多く、整形外科では肩こりや腰痛などの場合は心理的な要因が主因となっていることも少なくありません。症状と身体所見や画像所見が合わない場合は精神的要素を十分考慮して対応、治療を行う必要があるので悩み事や精神的な訴えがあれば遠慮なく話していただけますとよいです。
 心因性の疼痛に対しては通常の消炎鎮痛剤は効果がない場合が多く、逆に効果が出ない場合も心因性疼痛を考慮するきっかけになります。疼痛が主症状であっても痛み止めを飲みたくないという方や消炎剤以外の種類であってもどの鎮痛剤でも胃が痛くなるという方も心因性の可能性があります。心因性疼痛に対してはうつ病の薬も適応となっており、効果のある方もいます。ただもともと薬は飲みたくないという方が多く、そういう場合は運動療法やリハビリテーションで疼痛が緩和してくることも少なくありません。リハビリなどで通院して何回もお話をしている上で専門医受診をお勧めしたり漢方を試したり無理のない範囲での服薬も導入したり少しづつ改善を目指すというのがよいのかなと思います。
 医師であれば誰でも、担当していた通院患者さんが自死してしまった経験があるのではないでしょうか。ひとりでもそういう方が減っていくように、家庭でも職場でも地域でも支え合っていける世の中になっていくとよいなと思います。

« 顔がかゆいんです | トップページ | すべすべがいいのでしょうか »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3098/61553213

この記事へのトラックバック一覧です: 自殺予防週間:

« 顔がかゆいんです | トップページ | すべすべがいいのでしょうか »