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2015年9月 4日 (金)

肋骨骨折とレントゲン

 肋骨骨折の診断としてレントゲンを撮ることが一般的ですが、実はレントゲンでの肋骨骨折の正診率はかなり低いことがわかっています。レントゲンでは肋骨骨折の30〜40%しか見えないという話もあります。救急でレントゲンを撮って問題ないと言われたということで後日診療所を受診して骨折が見つかるということも少なくありません。しかしそれは言葉の行き違いであることが少なくありません。

 経験のある医師であれば、肋骨骨折は問診と圧痛点の確認でほとんど臨床的に診断しています。深呼吸や咳払いで疼痛があり、肋骨に確実に圧痛があれば画像で骨折を確認できなくても少なくとも骨傷があるだろうということで治療方法を決めます。
 次に有用なのはやはり超音波だと思います。超音波で肋骨の亀裂や段差、周囲の血腫や腫脹が見えてもレントゲンでは見えないということはよくあります。ただ、超音波は機械を当てた部位の直下しかわかりませんので超音波検査のみでは万全ではありません。
  レントゲンの役割は何かというと、血胸や他の胸部損傷の有無や多発肋骨骨折などの確認の方が主です。例えば1本の肋骨が2箇所で折れている場合は中央の骨片が浮動性になるため注意が必要です。肋骨骨折は他の胸部損傷や多発骨折、気胸や血胸で心肺系に影響しなければ骨折部が固まるのを待つしかありません。なので救急部としては重篤化する状態がなければ、実は肋骨が多少折れていてもあまり問題にはしません。なので救急で「レントゲンで問題ありません」と言われた場合、実は「レントゲンでは肋骨骨折は確認できませんが少なくとも注意を要する重症な損傷はありません」という意味だと理解していただきたいと思います。
 救急を受診して帰宅後肋骨部の痛みが続く場合は、呼吸苦や全身状態の悪化がなければ慌てる必要はありません。少し様子を見て疼痛がとれない場合に診療所を受診していただければ大丈夫です。

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