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2015年11月 6日 (金)

動けないのみでは…

 動けないということで救急車を要請するかどうかを相談されることがあります。救急医の立場から考えると、動けないだけでは救急の適応ではありません。医学的には、どうして動けないかということが問題となります。例えば意識障害で動けない、手や足が麻痺していて動けない、胸痛や苦しさで動けない、ということであれば救急の適応の可能性が高いかもしれません。転倒などしてどこか骨折していそうだということであれば救急の適応可能性は高いでしょう。
 一方、意識はしっかりしておりどこにも痛みや苦痛もなく、ただ動きづらいという状態ではどうでしょう。または、明らかに年齢的に体力が低下していて動きづらくなっている場合も。これも急に生じていたら救急を受診すべきか相談するとよいかもしれません。この数日、この数週間、動きづらいという状態で救急を受診しても、救急医としては「それは救急ではない」または「それは介護の問題では…」と思えてしまいます。救急で病院へ搬送されても、入院適応の疾患がなければそのまま帰宅するように指示されます。帰宅時には救急車は使えませんので、かえって患者さんには大変な思いをさせてしまうかもしれません。
 高齢になり動きづらくなってきたら早めに介護保険を申請し、自宅内の環境を整備したりヘルパーさんを依頼したり訪問看護で何かあった時にすぐに自宅で対応してもらえるようにしておいた方がよいです。さらには、動けなくなってきた時に自宅で介護してくれる家族がいるのか、介護施設への入所も検討しなくてよいのかどうか。後手後手に回るとどうにもならない事態に陥ります。
 動けないという状態に遭遇したら、すぐに救急を頭に置かず、本当に緊急事態か冷静に判断して医療なのか介護なのかいろいろな立場から考えないといけません。

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