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2016年1月13日 (水)

腰椎由来の膝痛

 膝が痛い方は本当にたくさん来院されます。中高年以降の多くの方では膝がすり減る変形性膝関節症ですが、他の原因も様々あります。
 膝にずっと水が溜まっている方では膝関節の大腿骨面が陥没したりする無腐性壊死症という病気の可能性もあります。最初のレントゲンでは発見できず、数ヶ月後に陥没してきてはっきりすることもあります。早期に診断するにはMRIが有用ですが、そこまでするかどうかは相談が必要です。
 腫れや熱感、赤みがあるような場合は関節炎系の評価が必要です。膝だけ腫れる関節リウマチなども少ないですがあります。
 たまに腰椎からの放散痛が膝のみに生じている方もいます。この状態の診断は最初なかなか困難です。歩くと膝が痛いという主訴で来院され、明らかな筋力低下やしびれなどがないと腰椎由来と診断するのは難しいのですが、特にすでに変形性膝関節症になっている方ですと経過や膝への治療効果をみて改善が乏しい場合に腰椎の検査を追加したりします。膝へ放散痛を生じるのは典型的には第2〜3番めの腰椎由来の神経で、普通は第4、5腰椎から下肢痛を生じている方が多いので通常の腰痛の方とは原因部位がやや異なります。膝の裏(膝窩)が痛い方では下方の腰椎由来のこともあります。
 印象としては膝の外側が痛い方で通常の膝への治療が効果を発揮しない場合、腰椎など膝以外の部位の評価を行った方がよいです。脊柱管狭窄症の治療をしたり、場合により腰椎の手術を行って膝の痛みが治る方もいます。

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