左下肢のみの浮腫み
足が浮腫むことを相談されることもよくあります。心不全や栄養障害のような内科的疾患や血流障害、リンパ性の浮腫、甲状腺などの内分泌疾患などなど鑑別していきます。ずっと座っているとか立っているという要因も考慮する必要があります。
浮腫んでいるのが両下肢か、片足かでも考える疾患は異なります。両足が同じように浮腫んでいる場合、内科的な疾患や姿勢によるものなどを優先的に考えます。片足が浮腫んでいる場合は、その足の根元などでどこか静脈やリンパ流が閉塞していないかどうかから考えます。
片側の場合、特に女性では左下肢が浮腫むことが多いようです。その一因としてMay-Thurner症候群というものがあります。これは下肢から腹部につながる血管の配列として、背骨の前に静脈がありその上に動脈が走っているため、特に左下肢からの静脈が動脈と背骨に挟まれる位置となります。この部位で静脈の血流が障害されると左下肢の浮腫みや重さなどの症状を生じることがあります。
この疾患は医師が積極的に疑わないとなかなか診断できないかもしれません。左下肢のみに静脈瘤や静脈血栓症を生じた場合はよく調べた方がよいかもしれません。
« 家庭でできるこどもの風邪の対処法 | トップページ | ジカ熱より注意すべきもの »
コメント